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「梅吉ラーメン680円+大盛320g100円+チャーシュー3」@らーめん梅吉の写真9/10/16

◆継承された伝説の味

最後の大石家さんの投稿から、敢えて遠ざかるようにしていた。
それだけ思い入れがあったのだ。
そのまま過去のこととして忘れようとしていたのである。

最近町田駅前の火の国のことを書いた:http://99080442.at.webry.info/201607/article_9.html

投稿は、火の国のことより大石さんの話になってしまった。

ところが私の投稿を見てくれたRDBのはせがわへいぞう氏が、閉店後のことについてコメントをくださった。
感謝する次第である。

大石家を閉店して九州に戻り、天草に居られるということまでは知っていたのだが。
この1月に亡くなられたこと、大石家の後をお弟子さんが継いでいることなど、まったく知らなかった。
感謝する次第である。


さて、この夏は特に体調が良くなかったので、淵野辺まで行くのも控えていたが、今日は涼しいので朝早く家を出て、淵野辺駅まで行く。
そこで時間をつぶして開店ちょうどに伺うことにした。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/241432013?size=850#content

お店は控えめな佇まい。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/241432017?size=1024#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/241432021?size=850#content

メニューでは梅吉ラーメンが大石さんのに近そうなので、それをお願いした。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/241432025?size=850#content


一人だったので、注文の前にこれまでの大石さんのことなどをついつい話してしまう。
このご主人、大変落ち着いていて、丁寧、研究熱心と見受けられたので、すぐに気に入ってしまった。

梅吉ラーメン680円+大盛320g100円+チャーシュー300円:
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/241432030?size=1024#content
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以前と同じφ24㎝の下膨れの大丼に並々と注がれた豚頭スープ。
スープが熱いせいか、写真を撮る前にチーズがとろけて姿が無くなってしまった。この大盛の熱量は凄い。

それにしてもこの大盛随分姿が違う。食べる前からその進化が伺える。



脂身をそぎ落とされたもも肉チャーシュー。
厚みも大きさも十分。それが5枚も。
ロース的な見た目のチャーシューは3枚だが、特別に炙ってくださった。
これはマー油にも間違いなく合うはず。

などなど・・写真を撮りながらついつい夢中になってしまう。
早く食べなくちゃ。

そのラーメンは・・・

その前に、少し。

そもそも味のどの要素をもって、人は美味い不味いをいっているのかは理解し難いものだ。
その中でも豚骨ラーメンの嗜好傾向は一番理解するのがむずかしい。

私は熊本、北九州のラーメンについては、ほとんど何も知らないし、何の知識もない。九州でもそれほど食べた訳ではない。
ただ、学生時代の友人が佐賀の人だったので、その味についても教えてもらった位。
妹の旦那は博多の人なので、少し教えてもらったのだが。
経験は少ない。
豚骨スープについては、そのような味の要素で美味いとか好きだとか、あるいは口に合わないとか判断しているのか、皆目想像できない。

RDBの会員だった過っての友人は大の豚骨好きだった。
大変美味いと思った私の生まれ故郷近くの、宿河原の長崎ちゃんぽん丸福さんへのその友人の感想が、『味がしない』ということだった。
まさか味覚音痴のはずはないので、味として反応している部分が随分違うものだと確信した。

東京の豚骨スープは、濃厚さ・味の強さを乳化した脂のクリーム味が強調されたものが多く、特に若い人はそれに反応している気がする。
要は油の旨さに反応しているようだ。
しかし九州の豚骨スープは、本来乳化脂肪は最低限にして、骨髄成分の乳化/分散系のはずである。
そのコクの種類が違う気がする。
私は乳化脂肪が少なく、肉の旨み成分のイノシン酸が多いものが口にあう。
したがって関東で口に合う豚骨ラーメンは少ない。
これはいいなと思うのは、丸福さんや大石家さんなどだろうか。
あとは数店。

さて、その程度の経験ではあるが、大石さんの味はよく覚えているつもりだ。

スープ

見事に再現されているように思う。
大石さんが口酸っぱく言ったように、豚頭を良く洗浄し、前処理し、とてもレベルの高い焚きかたをしているようだ。

目を見張るのは、かなり熱いスープだということ。
スープが時々ぬるいのは、どうも大石さんにしては・・・
と思っていた。
『少しぬるくない?』と何回か言ったのだが、平然となさっていた。

もう一点は旨み部分。
かなり上質の肉の旨みが出ている。
おそらく香福豚の旨みであろう。
これは今トッピングされたチャーシューから、出たものではない。

この旨みの質の点において、師匠を越えているのかもしれない。

さて、例の塩味の強さ。
やや強めの塩味が立つのが大石さんの特徴。
これは間違いないのだが、もうそういうものだと思っている。
そして梅吉さん、完璧に再現されているのに驚いた。

いつも触れるが、ラーメンのポイントは、スープ/麺バランスである。
これのバランスが取れているのが、美味いラーメンで、旨み満載が美味いと勘違いしてはいけない。
そのポイントにおいて、この麺の形状・太さには、博多では無理なバランスを生み出している。
おそらくこの麺を美味く啜るのに、大石さんの舌はこれがベストだったのだと思う。
多少、年齢のせいもあるだろう。
個人差はあるものの、加齢とともに塩味の感受性が著しく減退するという事実がある。
年寄りの味噌汁は、若者にはショッパ過ぎるものだ。
私も高齢者だが、塩味に関しては多少強く感じる。
しかし、スープを飲むのには気になるが、この低加水の小麦粉感を出すには、これでいいのかもしれない。


http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/241432046?size=1024#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/241432042?size=1024#content

なんといってもこの麺の美味さは、小麦粉自身の美味さ。
どんな小麦粉かは知らないが、大変風味豊かだ。
当時余った麺を50玉以上いただいたことがある。
これを冷凍しておいて、様々な麺料理を創作してみた。
その時、その小麦の風味、加水低めの麺の味わいが理解できた気がする。
そしてこの麺、素晴らしく昔の大石さんの味を再現していると思う。
加水は低めで、中加水の加水低めと言った感じだ。
博多の麺ほどは加水が低くない。
それはそうだろう、博多の加水のまま中細麺を打つのは難しそうだから。

茹で加減も当時と近く、ややデンプンのα化を進めている。
それにより、すこしのモチモチ感や、汁の吸い込み量をコントロールしていると思う。

チャーシュー

サービスで炙ってくださったロース系の部分もかなり美味い。
しかし、なんといってもラーメンチャーシューはもも肉の煮豚であろう。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/241432050?size=900#content


画像ではニンニクチップが写っているが、これが多いのも特徴的。

このもも肉は脂身をそぎ落としているのが、これがまたいいところだ。
純粋に赤身肉の旨み、イノシン酸の旨みで食わせるもの。
厚みが予想より厚く、大き目でまったくケチケチ感がないのもうれしい。
この煮た時の旨みが確実にそのスープに、上質の旨みを提供しているようだ。
この点において師匠を越えている気もする。
スープに貢献した分、肉の旨みは最高量ではない。
ただし、このバランス、肉/スープの旨みバランスこそ、ラーメンにとって大事な第2のバランスである。
このあたりに、店のご主人のバランス感覚が出る。
もも肉チャーシューだけを味わうには、煮る時間を最低にするのがいい。
この場合、冷めても尚美味いもも肉チャーシューができあがり、
ビールの最高のつまみになる。冷めたのがよい。

食後ご主人と話す機会が持てたのもいい経験だった。
研究熱心な、やや技術屋的・職人的要素を感じられる。
自分の求めるものに、妥協せずに突き進んで行く熱いものを感じさせる御主人である。
その姿勢において、師匠の後継者の資格が十分感じられた。



過って、町田・淵野辺と相模原が日本でも有数のラーメン激戦区と言われた時代があった。
すごく多くの店が栄えたのである。
その頂点に立つののが大石家さんだった。
その復活・継承・さらなる発展はこの地域の誇りでもある。

投稿(更新) | コメント (8) | このお店へのレビュー: 4件

コメント

フォト蔵で大きい写真を拝見しましたが
実に良さそうですねぇ~
ロースもモモも魅力的なチャーシュー群です(^^)

YMK | 2016年9月29日 14:05

KMさん、こんばんは。

見た目、とっても賑やかなラーメンですねー。
肉好きならたまらんでしょう。そうか、昨日は肉の日でしたね。

チーズが入っているのも大石家スピリットを継承しているのでしょうね。

ぬこ@横浜 | 2016年9月30日 17:44

こんにちは〜
大石家の閉店とご主人残念でしたが、今のお弟子さんのラーメンを見て安心されているのではと勝手に思いながらレビュー拝読しました。
全てにおいてハイクオリティーのようですが、特に肉と麺に惹かれました。
すぐにでも追従したいところですが、遠いのでレビュー熟読して我慢します。

KJ7 | 2016年10月1日 11:02

◆YMKさん
コメントありがとうございます。

いい画像でしょ。
気に入っています。
ここのラーメンは一度試していただきたいです。

KM | 2016年10月1日 14:50

◆ぬこ@横浜 さん
コメントありがとうございます。

>見た目、とっても賑やかなラーメンですねー。
肉好きならたまらんでしょう。そうか、昨日は肉の日でしたね。

肉好きにはこのチャーシュートッピングがおススメです。
肉の日があるのは知りませんでした(笑)。

>チーズが入っているのも大石家スピリットを継承しているのでしょうね。

書き忘れたのですが、チーズには深い訳があるのです。
大石さんは本当に味にうるさかったと思います。
豚骨の旨みは骨ではなく、肉からのイノシン酸です。豚骨からはグルタミン酸が出ますが、量は多くなく、イノシン酸とバランスするほどではありません。
そこでチーズの登場です。
チーズはグルタミン酸が豊富です。

肉料理にチーズを加えると旨みが強化されるのですね。
その旨みが大石家の良さなんです。

KM | 2016年10月1日 14:57

◆KJ7さん
コメントありがとうございます。

完全の大石さんの味が残されましたね。
大石さんの影響力の大きさは、関東の一種の文化遺産だと思います。

肉もいい肉を使っているので肉好きにはたまりませんね。

KM | 2016年10月1日 14:59

おおっ!
KMさま 遂に行かれたのですね!! 当方のレビューにもコメントを頂いていたのを 今気づきました 
返信も出来ず 大変失礼致しました 
KMさまは お体 大丈夫でしょうか? ブログにコメントさせて頂いた時には 中々遠出はとおっしゃっていたので・・・

店主さん研究熱心ですよね 今日はいかがでしたかとか  麺がこうで とか
大石さんを思い出す味 長く残ってほしいものですね

はせがわへいぞう | 2016年10月3日 03:31

◆はせがわへいぞうさん
コメントありがとうございます。

教えてくださって良かったです。
大変感謝しています。
思ったよりレベルが高いのでびっくりしました。

定期的に通いたい店ですね。
元来リピーターですので、落ち着く店がほしいところでした。

KM | 2016年10月3日 10:42