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「小麦三昧 1296円(税込)」@らーめん芝浜の写真日曜日のランチで訪問。
お店への到着は午前11時30分で、外待ち10名。
「小麦三昧」を目指して遥々の来店。

「ラーメンのコース料理」と言えば、
皆さんはどういったものを想像するだろうか?
フランス料理のフルコースに、
ラーメンを「シメ」として出してくれるお店もあるらしいが、
桐生市にあるこちらのお店は、
軟派・シャレオツ系なものではなく、
気合いの入った「麺の」本格コースを食べさせてくれる。

店先備え付けのベンチで座って待っている間に、
店員さんがメニューを持って来て注文を聞いてくれる。
事前調べで予定していた通りに「小麦三昧」を注文。
『3品目(ラーメン)は醤油と塩から選べます』との事だったので、
お店の実力を知るにはスタンダードなものをと「醤油」でお願いする。
タイミングが良かったのか、客の回転が早くどんどん進み、
15分の待ち時間で入店。
カウンターに座るとすぐに「本日の小麦三昧」と書かれた
小さなお品書きを手渡してもらった。

一品目は「まぜそば」。
貰ったお品書きによると、
【生揚げ醤油の低加水麺まぜそば】とある。
麺は「黄金鶴(こがねつる)」という国産小麦粉を使用。
(黄金鶴=特殊製粉技術で高度に強力化された強力粉。)
特性は<細麺・低加水・ストレート>。
固めの茹で上がりで「パツパツ・ザクザク」の食感。
ミシュラン東京でビブグルマン部門に掲載されている「伊藤」を思わせるような
素晴らしい歯切れと小麦の風味で、自家製の醤油ダレが良く絡む。
タレは「生揚げ(きあげ)醤油」を使用。
(生揚げ醤油=非加熱処理により酵母が生きた芳醇な味わいの醤油。)
生揚げ醤油は鮮度が命の為、本来、通常の流通に乗らない商品である。
よって、地元・群馬の醤油会社「岡 直三郎商店」の協力があってこそ
このタレが実現したものと考えられる。一品目にして何という贅沢さ!
(岡 直三郎商店と言えば「にほんいち醤油」を使用した、
東京千代田区の「麺巧 潮」の醤油ラーメンを思い出すが、
こちらも淡麗にしてコクのある美味しいラーメンを実現させている。)
かき混ぜて食べると、
シャキシャキの「玉ねぎ・ネギ」と
舌に乗せるとトロトロッと消えていく「ほぐし トロチャーシュー」、
そして奥深い味わいの「生揚げ醤油」と合わさって、
まったり芳醇で香ばしい「クセになる まぜそば」へと昇華される。

二品目は「つけめん」。
お品書きによると、
【上州辛味大根のダイヤモンドつけめん】となっている。
「ダイヤモンド」の名前の通り、ツヤツヤ・ピカピカした綺麗な麺。
北海道産の「きたほなみ」という小麦粉を使用。
(きたほなみ=白さと、きめ細かさが特徴の薄力粉。)
特性は<中太・多加水・ストレート>。
麺は冷水で「キンキンの冷たさに締められ」ていて、
器の底には氷を敷く念の入れよう。
コレを「たまり醤油」と、県内産の「辛味大根おろし」の
つけダレにサッとくぐらせて、ざる蕎麦のようにツルツルッといただく。
麺と同じく、つけダレもキンキンに冷えているので、口の中が、
「冷やっと爽やかな世界」に一瞬にしていざなわれる。
麺は表面がツルツルしていて、中がモッチリ。
具材がおろしだけなので、純粋に麺だけを楽しむことができ、
どんどん口の中の感覚が研ぎすまされて行く。
麺の表面は柔らかく「ふわ・つる」だが、
麺の中心は少し芯があり「コシ・モチ」の食感。まるでアルデンテのようだ。
今まで食べたことがない食感なので例えるのが難しいが、
強いていうならミシュラン系の「好日」の麺に、透明感を与えたような感じ。
醤油の香りと共に鼻に抜けていく小麦の風味がダイレクトに伝わる。
『旨い、旨すぎる!!』
そして、恐ろしいまでに計算されている!
一品目で、まったり・オイリーになっている口の中がリセットされると共に、
次の三品目への期待感がMAXに高まる。

最後の三品目は「らーめん」。
お品書きでも品名は、
【らーめん】とそのまま。
「醤油」と「塩」から選べるので、
お品書きの品名は敢えてシンプルにしているのだろう。
スープを飲んでみる。
『やられた!! 旨い!』
二品目でキンキンに冷やされた口の中に、
あたたかくてまろやかな醤油スープが流れ込む。
細かい味わいを感じるよりも先に、冷たい所に温かいものが来るという、
「単純にして本能的な幸福感」に支配され、何とも言えない「ホッコリした感覚」に包まれる。
スープは「名古屋コーチンと北海道真昆布の出汁」をベースに、
「鰹節や煮干しなどの魚介出汁」を合わせた、正統派の無化調・醤油スープ。
しばらく無心でスープを啜る。
麺は、北海道産の「春よ恋」を使用。
(春よ恋=はるゆたかの改良後継種。豊かな小麦の風味が特徴の強力粉。)
特性は<中細・中加水・ストレート>。
現代におけるトレンド要素を取り入れたこの麺は、
淡麗系のスープとの相性が抜群で小麦の香りも高い。
食感は「プリプリ」で、歯切れは「パッツン」。
例えるなら、
ミシュラン東京2年連続一つ星の「Japanese Soba Noodles 蔦」や、
同じくミシュランのビブグルマンに掲載されている「むぎとオリーブ」に近い感覚。
ただ、この系統の麺は「繊細でノビやすい」特徴を持つ。
それは諸刃(もろは)の剣のように、表裏一体だ。
食べる側からしても「早く食べないと食感が損なわれる」という扱いにくい側面がある。
しかし、今回に限っては3品コースの中の一品なので、麺の量は通常よりも少なめ。
ノビる心配が無いので、じっくりと麺を味わうことが出来た。
全ての要素が「好ましい方向へと」ベクトルを収束していくようだ。
偶然か? いや、店主の狙いだろう。
シンプルだった二品目とは趣を変えて、
具材は豪華なラインナップ。
「レアチャーシュー」「トロチャーシュー」の2種盛りで、
どちらも甲乙付けがたい美味しさ。その他「メンマ・ネギ・海苔」。

『ご馳走さまでした。』
コースを通して終始綿密に計算されていて「異次元の旨さ」だった。
店主のこだわり・アイディア・努力の結晶、珠玉の麺三品。
高度に完成し、磨き上げられた世界観に触れ、
ラーメンを食べての感動を久々に味わった。
まさに「麺好きの、麺好きによる、麺好きのための、小麦三昧」。
お見それしました。

お会計はレジにて後払い。
メニュー表記は外税だったので、
実際の金額は思っていたよりは少し高かったが、
今やそんなことは大したこじゃない(笑)。
ラーメン単体の支払いと考えると、
「蔦」で食べた(焼豚味玉醤油Soba(大盛) 1400円)に次いでの2番目の高額商品となるが、
この内容からすると、むしろ割安だろう。

余談だが、
「芝浜」と言えば落語家・故 立川談志の代表演目の一つ。
店主はおそらく談志の大ファンなんでしょう(笑)。

噺の大まかな内容は、
〜酒で落ちぶれた魚屋の亭主が、女将さんに促されて早起きして
浜に行ったところ、海から大金の入った財布を拾うという物語。
その後、一悶着ありながらも心を入れ替えた魚屋が成功を収める〜
という人情話です。

立川談志の数多くの演目の中から、
店主がなぜ店名に「芝浜」を選んだかは分からないが、
夜明け前から早起きして仕事に勤しむという点で、芝浜の主人公とこのお店は共通しているように思える。
また談志の芝浜は、高座にかけるごとに噺の味わいが変わり、
芸として磨かれていったことでも有名。
この辺りのエッセンスをお店のコンセプトとリンクさせ、
「芝浜」というお店の名前に思いを込めたと感じるのは
私の考え過ぎだろうか。



<とよ吉のラーメンブログ>
〜東京ラーメンレポート〜
http://ramen-report.tokyo/

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