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「塩中華そば ¥700+味玉 ¥120」@いしかわやの写真平日 小雨 22:20 先客6名 後客8名

先日のつつじヶ丘での大失敗が後を引いている塩ウィークの真っ只中に同店で同じ失敗をしたくはなく二駅先のこちらで初の塩系に挑戦するために渋谷から井の頭線に乗り込む。

せっかく塩ラーメンの良さがわかり始めていたのに前回は残念な結果に終わってしまい誠に悔いが残る。あの日は何かの間違いだと言い聞かせようとしたが腹の虫が治らないので師匠の仇は弟子で討つ思いで向かう。江戸の仇を長崎で討つみたいで筋違いなのは承知の上だが。

最近になって急行の止まらない事を知った国領駅への乗り換えは私にとっては難関だが時間ならいくらでもある。慌てず各駅にてのんびり進む。明大前で乗換後は地道に一歩ずつ進もうと各駅に乗った。

渋谷を出てから30分ほどで国領駅に着いた。塩ウィークなのでメニューを考える必要はないがトッピングだけ考えてみる。かなり腹ペコだが前回に追加したワンタンのくっ付き具合がひどくて採点を下げたのを思い出した。しかし他は大変おいしかったので今回は基本の塩に味玉だけ追加しようと見積もりを立てていた。

さすがに三度目ともなれば店の場所も把握して間違える訳がない。難なく店先に着き券売機で決めたおいたメニューを発券しカウンターに陣取る。

店内を見渡すと本日はツーオペだが前回と麺をさばく人が違っていた。この女性ならワンタンを頼んでも、ひと塊りにはならなかっただろうと後悔した。次回からは茹で手を見てから決める事にしよう。

満席のカウンターは若者が多く〝石川ブラック〟なる威勢のいいヤツや〝石川丼〟という焼豚丼を追加してる客が多く若かった頃を思い出す。

元気だった胃袋を懐かしんでいると、いつのまにか仕上がった我が杯が到着。小ぶりな白磁の切立丼の中の姿は師匠譲りの麺のラインが美しい。白から淡黄色へのグラデーションに見とれてしまう繊細ながら芯の通った顔立ち。

まずは淡黄色のスープをひとくち。薄っすらと纏った香味油をレンゲの中から息で吹き飛ばしてベースのスープだけの味をみる。油膜が飛んだ清らかなスープは鰹節のキレと上品な煮干しののコクと昆布の旨味が詰まっていて動物由来の旨味は全く感じない。そこに香味油が加わる事で深みを増し重なりを生む。香味油からは動物由来の旨味を感じるので鷄油だろうか。この鷄油が入る事で出汁がスープに変わる。

塩ダレも尖ったとこが無く塩味はあるがインハイのギリギリを突く。これ以上だと塩気が勝つし、これ以下だとスープがボヤけてしまう絶妙の塩梅。

きれいに整えられた麺はストレートの中細麺で骨格のハッキリした麺。さらに固めの茹で加減がハリを与えて初動はスープとの絡みを拒絶する。その拒絶している内に麺の旨さを楽しむ。グルテンが溶け出してない麺はパツッとした歯切れの良さが特徴で湯切りが甘い為にスープの気配を全く感じずに味わう事が出来る。小麦の香り高き甘みの豊富な麺だ。

それでは麺を持ち上げスープにたっぷりと泳がせてからもうひとくち。スープの香りと塩気が寄り添った麺は更に甘みを増す。揃えられた麺間にスープが入り込み、麺肌には鷄油がまとい三位一体となって口の中に飛び込んで来る。油の装いが旨味をもって麺を着飾る。

具材は厚切りの豚肩ロースの低温焼豚が半カットされている。下品にならない火の通りと表面のロースト加減が良く下味もしっかりと付いていて味、肉質の食感ともに素晴らしい。追加すべき逸品だった。

追加の味玉はしっかりした半熟加減で黄身は固体を保っている。ほのかな薫香が白身に付いて独特の風味を出しているが全体的に固めの仕上がり。

極太メンマは修行先譲りで本家とも全く区別がつかず。やはりこちらも〝らしからぬ〟味付けだ。繊細なイメージの中でメンマだけがバランスを崩している。固さの中でほどける食感は心地よいが味には若干の下品さがある。業務用の味付けメンマではないかと思ってしまうほどブレがない仕上がりだ。

薬味はアンチカイワレ派なので青ねぎの方が好みでカイワレからは手抜き感しか出てこない。

ひと通り具材を楽しみ麺に戻ると少しだけぽっちゃりと肥えた低加水の麺は歯切れ良い食感にもっちりが加わり箸を動かす手が加速する。

満足で麺を平らげた後の丼の中のスープには液面に鷄油がほとんど浮かんでない。よほど麺に絡んで持ち上げられたのだろう。残った油分のない無垢なスープを飲んだ時に上品な和食の吸い物を思い出した。それほどにきれいな魚介出汁だった。

このスープの設計図は魚介の和風だしに動物系の香味油を足すことでラーメンのスープになる事を想定して書かれていると思った。

このスープをもってすれば如何なるアレンジにも対応できるユーティリティプレイヤー的な存在に思える一杯でした。

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