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「ラーメン ¥780+煮玉子のせ ¥100」@本家 第一旭 新宿店の写真平日 晴天 10:40 待ちなし 後待ち20名

平成最後の歳末総決算として

〝今年の店は今年のうちに〟

と掃除用洗剤のCMのようなフレーズが思い浮かび検索を始める。

そこで本日は今年オープンした新店の中で未訪問店にターゲットを絞り、年内中に片っぱしから廻ってみようと決めたのだ。そんな中で白羽の矢が立ったのは12月7日オープンしたこちらだ。

まだ胃袋が少しは若かった10年以上前の深夜に明大前にあった同じ屋号を持つ店に行った記憶がある。調べてみると現在は閉店されているようだがラーメンに関しての記憶は全く残っていない。酔っぱらった真夜中に食べたラーメンの事など覚えているはずもないのだが。皆さんの写真を見ても得意ジャンルでは無さそうだが修行の意味も込めて初訪問を決意する。

11時開店の通し営業だが行列は必至のようなので開店前の現着を目指して副都心線にて新宿三丁目に着いた。そこから新宿御苑を目指して歩くと「昭和二十二年創業」の派手な看板のこちらを見つけた。開店20分前の現着でも行列はなく先頭にて冬空の下で待機。店頭の券売機で品定めをしていると食券の購入を案内され基本のラーメンに煮玉子を追加した。次第に後列も増え始め開店時には20名以上の行列になっていた。

定刻になり新品ながらも風格のある茄子紺色の暖簾が掛かりオープン。食券を女性スタッフに手渡しトップバッターでカウンターに腰を下ろす。店内を物色すると変則的なカウンターの店内を三人体制で回している。新店だが汚れの目立つ調理場からも既に老舗の風格が漂っている。卓上に置かれた紙コップに水を汲み待つ事10分で我が杯が到着した。受け皿に乗せられた胴が朱色の切立丼の見立てには屋号と龍が描かれている。老舗感を出す丼の中の姿は繊細で優美な京都の雰囲気とは違った男らしく大胆なイメージだ。スープがこぼれた受け皿からも豪快さが感じ取れる。

まずは半濁した柿茶色のスープをひとくち。ラードのような豚特有の香りがする豚清湯スープだ。かなり強めな醤油ダレの塩気だが、それを上回るケミカルでアーティフィシャルな旨味が舌と脳を直撃してくるので塩分としては表立って来ない。しかしひとくちでパラレルワールドに迷い込むとは、かなりの中毒性を持つスープなのだろう。瞬時にして口角から唾液が溢れ出し味覚は低下の一途をたどる。

スープは断念して麺をいただく。茹で時間200秒ほどで麺上げされた中太ストレート麺は茹で時間が示すように柔らかい茹で加減。半数くらいの後客が麺を硬めで注文しているのもうなずける柔らかさだ。箸で持ち上げてもしな垂れる程にコシのない麺はツルツルとした麺肌が喉ごしを良くする。角のない丸みのある切り口の麺が喉ごしの良さを加速させている。食べ応えは乏しいが十分に小麦のグルテンと甘みを楽しめ、その甘みがスープの塩気とマッチしているのは否めない事実だ。

具材は電動スライサーで極薄切りされた豚肩ロース焼豚はデフォでも五枚入りで液面を覆っている。肉厚は無いがしっかりとした味付けでライスを追加注文している人が多いのも納得がいく。しかしライスもビールも無い私には味が濃過ぎて太刀打ちできなかった。

追加した煮玉子だけは薄味でスープにも毒されずにラーメンの中で唯一のオアシスとなってくれた。S玉の小ぶりな煮玉子は少し醤油ダレの色が付いただけの半熟たまごで煮玉子としての存在感は無かったが黄身の甘みがスープの毒気を僅かだが和らげてくれた。

薬味はふんだんに盛られた九条ねぎが京都ラーメンを印象付けるが、早生品種の浅黄種のようで香りも歯触りも今ひとつ物足りない。軽く茹でられたモヤシの食感は軽快な歯応えを演出しているが次亜塩素酸ナトリウムの異臭が気になる。生に近いだけに鮮度の悪い独特のモヤシ臭さが出てしまっている。

後半に麺に戻るとグルテンが溶け出した柔らかな麺肌にスープが浸み込み、私には驚異的な旨味成分が味覚を攻撃し続けてくるので完食ならずに箸を置いて店を出た。さらに行列は膨らみ近所の飲食店の方も驚きの顔で行列を眺めていた。

こちらの店は開店祝い特需だけでなく人気店の仲間入りは間違いないだろうと思う。ガツンとしたパワフルな旨味を求める若者から、昔風の旨味の懐かしさを求める年配層にまで支持されるような中毒性は現代では無敵の調味料なのかもしれない。しかし本質を見極める味覚も失ってはならないと思う気持ちが大きくなった一杯でした。

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