レビューやランキングで探す、日本全国ラーメン情報
平日 晴天 10:50 待ちなし 後待ち3名〝新春うまいものめぐり〟と題して、好きな店だけを巡ってきたが、そろそろ新春というワードが合わない時期になってきた。しかし毎日、自分が美味しいと思ったラーメンだけを食べているので、この生活から抜け出す事が出来ず新規開拓を怠っている。当初は年始の一週間だけの企画のつもりだったが、気がつけば三週目を迎えていた。好きなものだけに囲まれている怠惰な生活も、今週で終わりにしようと心に誓って本日の行き先を吟味する。そこで今回は板橋区にスポットを当てて検索してみる。昨年中に板橋区内で訪れた店は5店舗だけと寂しい数だが、その中に私が美味しいと思う採点基準の85点をオーバーした店が1軒だけある。それがこちらなのだ。昨年のオープン直後には話題となった、埼玉県屈指の有名人気店の東京初進出だっただけに、私も普段は行き慣れない西台駅に二度も通ったものだ。なので、こちらを外して〝新春うまいものめぐり〟を語ることは許されない気持ちがあり、本日の再訪を決めた。都内といっても自宅からは1時間近く移動しなければいけない場所なのと、過去二回の経験を踏まえて開店30分前の現着を目指して午前9時半前に半蔵門線に乗った。通勤ラッシュは過ぎているが、まだまだ混み合った地下鉄を神保町駅で三田線に乗り換える。この時間帯の三田線の下り方面は、先ほどの半蔵門線の混み具合が嘘のように静かだ。それも巣鴨を過ぎて板橋区役所前を越えた辺りから、車両内の乗客は私を含めて数えるほどしかいなくなった。最寄りの西台駅に着く頃には、ほぼ貸切電車のようだった。改札を出て一目散に店に向かったが遠くから見ても人影がなく、あまりにも早過ぎたようなので近くのスーパーのベンチで暖をとる事にした。定刻の10分前に店頭に戻ったが、まだ並びは無くオープン特需はひとまずは落ち着いたようだ。店頭に貼られたメニューから本日のお題を検討するが、普段は限定メニューに惹かれないのだが、信頼の置けるこちらの限定品ならばと意を決して限定メニューに初トライする事にした。定刻よりも少し早くオープン。先頭にて入店し券売機の前へと進むが、前回と券売機の設置場所が変わって入口右手になっていた。こういった現状に甘んじない細かな所も進化している証だろう。お目当てのお題と追加の味玉を発券しカウンターに腰を下ろす。魚介の香りが漂う店内を三人体制で回している。オープン当初は四人体制だったが、今日の布陣がベストなのだろう。開店前の並びこそ少なかったが、あれよあれよと言う間に満席となっていた。食券を手渡すと、すぐに手際よく調理が始まり着席して3分ほどで我が杯が到着した。その姿は美濃焼の十草模様の高台丼の中で私には見慣れない表情を映している。天に盛られた白髪ねぎが特徴的な立体感を生んでいる姿からは、独自性が伝わってくる。まずは銀煤竹色のスープをひとくち。レンゲをスープに入れる前から寒ブリ由来の青っぽい魚の香りがしている。生臭いとは言わないが、ラーメンのスープとなると何とも独特な香りだ。いざ口に含むと香りと味が見事に一致する。やはり生臭くはないが肉食魚ならではの特異な魚臭を感じる。その香りの後ろには、焼干しのような香ばしさがあるのは煮干しだろうか、少し馴染みのある風味も隠れている。口当たりはマットな質感で、コラーゲン豊かな、かなり濃密な舌触り。醤油ダレの香味も響かないほどに重ためな鰤出汁が利いている。麺は、これぞ〝伸身のヨシカワ〟を発揮する、自家製中細ストレート麺で麺上げまでは50秒ジャスト。こちらの麺の特徴は、ハリとコシのある固茹でながらもスープを瞬時に取り込む吸水力であると思う。提供されて直ぐにもかかわらず麺はスープの色に染まり一体と化している。低加水麺の特徴でもあるが、こちらの麺の吸水力は、ずば抜けて高い。それだけに麺を啜るとスープの個性を引き上げるので、このスープが得意でない私には厄介な麺になってしまう。具材は寒ブリそばの最大の特徴である、寒ブリの刺身が添えてある事だ。スープで加熱される前に食べてみると、ブリ刺しからは全く臭みはなく良質なブリだと分かる。見た目にも寒ブリらしい脂のノリや、血合いの鮮明な血色からも鮮度の良さがハッキリと分かる。そんな寒ブリに、ひとつだけ不思議に思える点があった。それは柵取りされた寒ブリの切り身の小ささだ。通常のブリなら80㎝は超えるので切り身の大きさも必然的に大きくなるはずだが、小ぶりな切り身になっていた。食べやすさを考えて切り身を半分にしてあったのかも知れないが、全てが脂の乗った腹身ではなく、背の部分だったのも気になった。しかし、この疑問もすぐに解決された。となり客の食べているブリ丼には、しっかりと腹身の部分が使われていた。たしかにラーメンの具材にするよりは、丼にした方が有効的な使い方だと思った。具材には定番の豚肩ロースの低温焼豚も二枚も入っている。いつもよりはスープの魚っぽさが移っているが、今回も安定して美味しい焼豚。薄切り過ぎない肉質も食感が豊かで旨味もあふれ出ている。そのまま食べても、少しスープで加熱してからでも良しと多彩な表情を見せてくれる。追加した味玉は「キングオブ味玉」の名を揺るぎないものにする安定の仕上がり。ゲル化された黄身の熟成感と、強すぎない塩気の浸透がバランス良く卵本来の旨味の上に、更なる旨味を加えている完璧な味玉。本日も追加してほんとうに良かった。メンマは細めのタイプが使われているが、硬めの食感が良いアクセントとなってくれる。本数の多さもありがたい。薬味の白髪ねぎには助演男優賞を送りたい。青魚っぽさがあるスープが浸みた麺を食べる度に、白ねぎの持つ辛さが中和してくれたのだ。普通の醤油ラーメンに入っていたなら辛すぎると思うような白髪ねぎだからこそ、強めのスープに立ち向かう事が出来たのだと思う。そのおかげで麺は完食する事が出来た。色どりで添えてあった三つ葉は存在感を発揮しないまま胃袋へと消えていた。フレッシュのレモンは酸味でクセを抑えているがコクも消しているように思えた。最終的には慣れないスープは残してしまい、こちらでの限定メニュー初挑戦は苦い経験となってしまった。抜けきれない正月ムードに浮かれてしまい、先走ってしまったのが原因なのは自己責任なので反省すべきだと思う。まだまだ経験値不足なので、限定メニューに挑戦する前に基本のメニューをしっかりと食べ込んでいかなければと初心に戻された一杯でした。
〝新春うまいものめぐり〟
と題して、好きな店だけを巡ってきたが、そろそろ新春というワードが合わない時期になってきた。しかし毎日、自分が美味しいと思ったラーメンだけを食べているので、この生活から抜け出す事が出来ず新規開拓を怠っている。
当初は年始の一週間だけの企画のつもりだったが、気がつけば三週目を迎えていた。好きなものだけに囲まれている怠惰な生活も、今週で終わりにしようと心に誓って本日の行き先を吟味する。
そこで今回は板橋区にスポットを当てて検索してみる。昨年中に板橋区内で訪れた店は5店舗だけと寂しい数だが、その中に私が美味しいと思う採点基準の85点をオーバーした店が1軒だけある。それがこちらなのだ。
昨年のオープン直後には話題となった、埼玉県屈指の有名人気店の東京初進出だっただけに、私も普段は行き慣れない西台駅に二度も通ったものだ。なので、こちらを外して〝新春うまいものめぐり〟を語ることは許されない気持ちがあり、本日の再訪を決めた。
都内といっても自宅からは1時間近く移動しなければいけない場所なのと、過去二回の経験を踏まえて開店30分前の現着を目指して午前9時半前に半蔵門線に乗った。通勤ラッシュは過ぎているが、まだまだ混み合った地下鉄を神保町駅で三田線に乗り換える。
この時間帯の三田線の下り方面は、先ほどの半蔵門線の混み具合が嘘のように静かだ。それも巣鴨を過ぎて板橋区役所前を越えた辺りから、車両内の乗客は私を含めて数えるほどしかいなくなった。最寄りの西台駅に着く頃には、ほぼ貸切電車のようだった。
改札を出て一目散に店に向かったが遠くから見ても人影がなく、あまりにも早過ぎたようなので近くのスーパーのベンチで暖をとる事にした。定刻の10分前に店頭に戻ったが、まだ並びは無くオープン特需はひとまずは落ち着いたようだ。
店頭に貼られたメニューから本日のお題を検討するが、普段は限定メニューに惹かれないのだが、信頼の置けるこちらの限定品ならばと意を決して限定メニューに初トライする事にした。定刻よりも少し早くオープン。先頭にて入店し券売機の前へと進むが、前回と券売機の設置場所が変わって入口右手になっていた。こういった現状に甘んじない細かな所も進化している証だろう。
お目当てのお題と追加の味玉を発券しカウンターに腰を下ろす。魚介の香りが漂う店内を三人体制で回している。オープン当初は四人体制だったが、今日の布陣がベストなのだろう。開店前の並びこそ少なかったが、あれよあれよと言う間に満席となっていた。
食券を手渡すと、すぐに手際よく調理が始まり着席して3分ほどで我が杯が到着した。その姿は美濃焼の十草模様の高台丼の中で私には見慣れない表情を映している。天に盛られた白髪ねぎが特徴的な立体感を生んでいる姿からは、独自性が伝わってくる。
まずは銀煤竹色のスープをひとくち。レンゲをスープに入れる前から寒ブリ由来の青っぽい魚の香りがしている。生臭いとは言わないが、ラーメンのスープとなると何とも独特な香りだ。いざ口に含むと香りと味が見事に一致する。やはり生臭くはないが肉食魚ならではの特異な魚臭を感じる。その香りの後ろには、焼干しのような香ばしさがあるのは煮干しだろうか、少し馴染みのある風味も隠れている。口当たりはマットな質感で、コラーゲン豊かな、かなり濃密な舌触り。醤油ダレの香味も響かないほどに重ためな鰤出汁が利いている。
麺は、これぞ〝伸身のヨシカワ〟を発揮する、自家製中細ストレート麺で麺上げまでは50秒ジャスト。こちらの麺の特徴は、ハリとコシのある固茹でながらもスープを瞬時に取り込む吸水力であると思う。提供されて直ぐにもかかわらず麺はスープの色に染まり一体と化している。低加水麺の特徴でもあるが、こちらの麺の吸水力は、ずば抜けて高い。それだけに麺を啜るとスープの個性を引き上げるので、このスープが得意でない私には厄介な麺になってしまう。
具材は寒ブリそばの最大の特徴である、寒ブリの刺身が添えてある事だ。スープで加熱される前に食べてみると、ブリ刺しからは全く臭みはなく良質なブリだと分かる。見た目にも寒ブリらしい脂のノリや、血合いの鮮明な血色からも鮮度の良さがハッキリと分かる。そんな寒ブリに、ひとつだけ不思議に思える点があった。それは柵取りされた寒ブリの切り身の小ささだ。通常のブリなら80㎝は超えるので切り身の大きさも必然的に大きくなるはずだが、小ぶりな切り身になっていた。食べやすさを考えて切り身を半分にしてあったのかも知れないが、全てが脂の乗った腹身ではなく、背の部分だったのも気になった。しかし、この疑問もすぐに解決された。となり客の食べているブリ丼には、しっかりと腹身の部分が使われていた。たしかにラーメンの具材にするよりは、丼にした方が有効的な使い方だと思った。
具材には定番の豚肩ロースの低温焼豚も二枚も入っている。いつもよりはスープの魚っぽさが移っているが、今回も安定して美味しい焼豚。薄切り過ぎない肉質も食感が豊かで旨味もあふれ出ている。そのまま食べても、少しスープで加熱してからでも良しと多彩な表情を見せてくれる。
追加した味玉は「キングオブ味玉」の名を揺るぎないものにする安定の仕上がり。ゲル化された黄身の熟成感と、強すぎない塩気の浸透がバランス良く卵本来の旨味の上に、更なる旨味を加えている完璧な味玉。本日も追加してほんとうに良かった。
メンマは細めのタイプが使われているが、硬めの食感が良いアクセントとなってくれる。本数の多さもありがたい。
薬味の白髪ねぎには助演男優賞を送りたい。青魚っぽさがあるスープが浸みた麺を食べる度に、白ねぎの持つ辛さが中和してくれたのだ。普通の醤油ラーメンに入っていたなら辛すぎると思うような白髪ねぎだからこそ、強めのスープに立ち向かう事が出来たのだと思う。そのおかげで麺は完食する事が出来た。色どりで添えてあった三つ葉は存在感を発揮しないまま胃袋へと消えていた。フレッシュのレモンは酸味でクセを抑えているがコクも消しているように思えた。
最終的には慣れないスープは残してしまい、こちらでの限定メニュー初挑戦は苦い経験となってしまった。抜けきれない正月ムードに浮かれてしまい、先走ってしまったのが原因なのは自己責任なので反省すべきだと思う。
まだまだ経験値不足なので、限定メニューに挑戦する前に基本のメニューをしっかりと食べ込んでいかなければと初心に戻された一杯でした。