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「味玉塩らぁめん UMI ¥900」@カイミーオの写真平日 晴天 13:30 先客なし 後客なし

〝新春うまいものめぐり〟

と銘打った新年の企画を、時期を延長して昨年にお世話になった店の中で美味しいと思った店だけを巡るという贅沢な日々を過ごそうと決めて各地を廻っている最中なのだ。

午前中には、おとなりの板橋区にて食べた思い出のラーメンに舌鼓をうった帰り道に立ち寄ろうと思っている豊島区内で連食先を検索する。昨年中で豊島区内で訪れた店は8店舗あるが、私の美味しいと思う自己基準の85点を超えた店は、2店舗しかない。そのうちの最高点を付けたのがこちらの店なのだ。つまりは私にとってはラーメン激戦区の豊島区 No. 1という事になる。

板橋区の前食から2時間を過ぎた頃には。胃袋に連食スペースも空いてきたので西台駅から目的地を目指した。最寄駅は大塚駅だとばかり思っていたら、実は巣鴨新田駅が近いようだ。聞き慣れない駅なので調べてみると、さくらトラムとある。まさかこのタイミングで憧れのさくらトラムに乗れるとは思っても見なかったので、気分が急上昇した。

三田線で西巣鴨まで行き、地上に出て国道4号線を300mほど南へ進むと踏切沿いに小さな駅が現れる。そこからわずか二駅だが夢のさくらトラムを満喫する。住宅地を縫うように走る旧都営荒川線はオシャレな路線名を付けられたとしても、本質的な部分は何ひとつ変わらず、地元の方の足となっている。そんな風情の中を楽しんでいると、押しボタンの下車方式を知らず乗り過ごしそうになった。ほぼ満員電車なのに巣鴨新田駅で降りたのは私ひとりだった。

そこからはマップ通りに歩いて行くと、見覚えのある店先が見えてきた。ガラス越しに店内を見るとランチタイムを過ぎているせいか客人はおらず、すんなり店内へ。

店内に入り券売機の前で改めて品定めをする。5食限定のメニューも残っているが、先ほど限定メニューで痛い思いをしているので、今回はパスして未食の塩ラーメンと味玉を発券した。夜はレストランバーとして営業されているので、落ち着いた店内のカウンターに座る。本日も二人体制で広めの店内を回している。

着席すると4分ほどで我が杯が到着した。白磁の洒落た切立丼の中の姿は、エーゲ海を吹き抜ける潮風のような凛として爽やかな表情をしている。やはり瀬戸内海ではなくエーゲ海を思わせるのは、和よりも洋の印象が強いからだろう。

まずはコハク酸の濁りを微かに見て取れる、鳥の子色のスープをひとくち。初動では物足りなさを感じるくらいにアッサリしている。魚介の出汁を微かに感じるが、貝由来の旨味を一番強く感じる。しかしその奥には深みが乏しい。鰹節や昆布などを中心とした出汁の構成なのだろうが、旨味はあるのだけれどコクを感じない。香味油もサラリとした軽めの油脂を使っているのでサッパリとは仕上がっているが、やはり何かが足りない。

スープはひとまず置いて、麺を楽しんでみる。こちらの麺の特徴は、滑らかな口当たりの透明感のある細めの平打ち麺だ。少し縮れた麺は唇に不規則なビブラートを与えてから、口の中に滑り込んでくる。加水率の高さから、スープを持ち上げないので本日の物足りないスープでは麺の持ち味すらも引き出してこない。

具材の圧巻たる豚肩ロースの低温焼豚は見た目でも人を惹きつけるが、味覚の上でも前回は強い印象を残してくれた。今回も楽しみに脂身の少ない赤身の強い部分を噛んでみると、良質の肉質の上にしっかりと下味のソミュール液が擦り込まれた味付けが素晴らしい。脂身の部分もスープに足りないコクを補うにはちょうど良い動物性油脂だ。

追加の味玉は、前回に感じたローズマリーのような若草の香りが無いので私の思い違いだったのか、他の具材の香りを勘違いしたのだろうか。それでも下茹での半熟加減は絶妙だし、塩分の浸透も程よく卵黄を引き締めている。流れ出さないギリギリの状態をゲル化で保っているので、ネットリとした黄身の甘さを楽しめる。

細めのメンマは適度な歯応えの優等生タイプ。個性はないが、全体の邪魔をせずに脇役に徹している。

薬味は色彩を考えられた構成で、シアン、マゼンタ、イエローの色の三原色で見た目にも華やかさを与えている。味覚の上ではシアンのピンクペッパーが刺激の少ない甘味と清涼感で焼豚などにアクセントを付け、マゼンタの青ねぎは特有の香りでスープや麺に変化を付ける。イエローのレモンはオーブンで焼かれて余分な水分が抜けてセミドライトマトのマリネのようなコクを与えている。しかしレモンの酸味が全体のコクを消しているような気もする不思議な付け合わせだ。

中盤からも物足りない何かを探りながら食べ進めて行くと、それに気付いた。それは塩分の弱さだった。たしかに初動よりはスープに旨味を感じてはきたが、あるのは旨味だけで、その旨味に輪郭を描く塩気が足りないと思った。魚介出汁の持つ塩気だけでも塩分はあるのかもしれないが、上品な塩気とボヤけた塩気では味の感じ方も違ってくるように思う。本日のスープは、ボヤけた味にしか思えず残念な結果となってしまった。

しかし足りないだけで、塩分過多よりはマシだが前回の醤油ラーメンの衝撃からは程遠いラーメンだった。満足ではないまでも、スープも全て飲み干せるだけのラーメンだったので、わずかな塩梅の加減の難しさを痛感する一杯でした。

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