なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 

「醤油味玉ら〜めん ¥880」@麺や 河野の写真平日 晴天 19:30 先客4名 後客なし

店探しに困った時の定石となった

〝初訪問〟〝無化調〟〝清湯醤油系〟

の三項目を絶対とする検索方法でRDBに向かい合う。

現在は午後6時半の飯田橋。神楽坂界隈で検索するも該当する店が少なく、挙がった候補店も定休日などで断念せざるを得ない。近隣での捜索は諦めて範囲を広げてみると板橋区のこちらがヒットした。最初は場所が遠いという事で対象から外していたのだが調べてみると飯田橋から有楽町線で乗換なしの25分で最寄りの地下鉄赤塚駅に行けるらしい。普段は乗る機会の少ない有楽町線を見くびっていた。

レビュー数も少なく皆さんの写真を見ても、ひとつの点以外は無化調、清湯醤油系に申し分なさそうなので初訪問を決意して飯田橋駅をあとにした。帰宅ラッシュの電車で揺られながら本日のお題を予習していると気が付けば手前の駅まで来ていた。この時には醤油ラーメンに味玉追加にしよう心に決めていた。

あっという間に人生初の地下鉄赤塚駅に降り立った。長い地下通路を通り地上へ出ると店の白い看板が見えて、少し歩くとすぐに店先に着いた。ガラス越しに見えるスタイリッシュな内装がカッコよく映った。この時間帯なので空席があり、すんなり入店となり券売機の前へ。グローリー社製の珍しい券売機にて道中に決めておいたお題を発券してカウンターに陣取る。

目の前に立ちはだかるカウンター前の高い壁越しに店内を見回す。白を基調とした清潔感のある店内には、きちんと神棚が祀られている。ここで予習しておいた成果が出た。ご主人の修行先にも神棚があり、全ての情報が一致した。調理場の奥には製麺室もあり、食べずともラーメンの姿が目に浮かびそうだ。目の前の壁が遮り調理場内は見えないが、製麺室や厨房機器の配置まで店主さんの細かなこだわりが伝わってくる。そんな計算された店内をお二人で切り盛りされている。子供ではないのだが、元気な挨拶は気持ちが良く心地よい雰囲気の中で待っていると5分程で我が杯が到着した。

その姿は口縁の広がったオシャレな白磁の切立丼の中で修行先のラーメンとは違う表情で出迎えてくれた。その要因のひとつが、予習の時に不思議に思ったナルトの存在だった。あくまでも持論だが〝無化調ラーメンにナルトは不要〟と私は思っている。せっかくの無化調スープに添加物まみれのナルトは必要ないのではと常々思っているので不思議に思った。そんな独自の解釈を押し殺してラーメンに向き合うとする。

まずは赤銅色のスープをひとくち。フワッと立ち昇るスープの湯気には特筆する香りはなく、穏やかに美味そうな気配だけを漂わせている。熱々のスープをレンゲで口元に運ぶとレンゲが近づくたびに親しみのある節系の香りを感じてくる。舌の上を通り過ぎると香り同様の馴染み深い魚介由来の和風出汁の旨みが広がる。その背後には丸鶏や鶏ガラのような動物系出汁が基礎を築いている。この重なりのバランスが良いので初動のインパクトは無いが飽きのこないスープとなっている。カエシの醤油ダレも、控えめな塩分とフレッシュなキレがスープを引き締めている。

自家製の平打ち縮れ麺は麺上げまで135秒程度。箸で持ち上げてみると、このタイプの麺としては随分と長いと感じる。製麺室の中は見えないが、手打ちではなく機械打ちなのかと思えた。どちらにしても麺の重みが加水率の高さを表している麺を口に運ぶと、ちぢれの度合いが緩やかなので思いきり啜ってもスープの跳ねが気にならない。この手の麺で心置きなく啜れるの非常に楽しい。麺の長さも啜り応えを計算しての事ならば店主さんの思惑通りになっていると思う。多加水でスープを吸う余地のないはずの麺肌だが、しっかりとスープを引き上げて口の中へと飛び込んでくる。口の中を暴れまわる麺を噛みつぶすと、密度の濃いグルテンが甘みとなって戻ってくる。とても味わい深い麺は素晴らしい仕上がりだ。

具材は部位の異なる焼豚が二枚。豚ロースは低温調理がされて薄っすらとロゼ色を残す。低温調理と言ってもレアチャーシューとは違い、しっかりと筋肉の繊維に熱が通っている。ゆえに生っぽさとは無縁で赤身本来の旨みが楽しめる。それを活かすような下味の薄さも効果を発揮している。一方の豚バラ焼豚はロースト型だろうか脂身の甘みを引き出すスタイルだが、個人的には豚ロースの赤身の方がタイプだった。

追加した味玉は食べる時に唇に当たった瞬間に残念だと感じた。ひんやりと冷蔵庫の冷たさが残った白身を噛むと、中からは更に冷たい黄身が待っていた。卵の品質や味付け、熟成された浸透の全てが良かっただけに温度が残念で仕方なかった。もし常温以上に温められた味玉だったら過去トップ5に入ったであろう。修行先のようにカットされてないのも好印象。

こちらの系譜を代表するのは麺だけではなく、具材の金絲メンマも、そのひとつなのだ。こちらも金絲メンマを採用していると思ったが、見た目の細さはそれだったが、メンマではなくタケノコの細切りだった。味付けは黒胡椒を利かせた同じ味付けだが食感は全く異なる。メンマよりも強めの歯応えは心地よいが麺との相性はメンマには遠く及ばなく思えた。流通量が少ないと言われる金絲メンマの仕入れ先を確保できなかったのだろうか。それとも敢えてのタケノコを用いたのかは定かではないが、この麺には金絲メンマが似合うと感じた。

薬味は青ねぎが添えてある。これも修行先の白ねぎとの差別を図ったものだろうか。しかし夜の部の遅い時間帯なので切り口の乾いたネギからは本来の香りも食感も感じなかった。海苔は香りは高くなかったが口溶けの良さは光っていた。ナルトは今回もパスした。

初動では大人しく思えたスープも一口ごとに厚みを増して旨みが積み重なっていた。夢中で完食した後にスープを飲み干そうと両手で丼を傾けてゴクゴクと飲むと、その旨みは最高潮に達した。久しぶりに最後のスープ一滴で完結するラーメンに出会えたと思える一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

まだコメントがありません。