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「和みらー麺 醤油 ¥650+味玉 ¥100」@らー麺土俵 鶴嶺峰の写真平日 曇天 13:15 中待ち 先待ち11名 後待ち8名

午前中の大森での一食目の後でサッパリとした連食先を近場で探していたところ、謎めいた屋号のコチラを見つけた。明らかに相撲関連だというのは承知できた。相撲ファンにとっては興味が湧いたのでお店情報を見てみたが、つけ麺や濃厚などの得意ジャンルではないメニューが並んでいる。そんな中にもひっそりと醤油系も用意されているのを発見した。その醤油系メニューには〝和み〟の文字が付けられてあり、巡業にはありがたいフレーズに惹かれ初訪問を決意した。

現在地の大森駅からも20分程度で行けるらしいが、即連食には胃袋がもたないので鶴見界隈をぶらぶらと散策して時間をつぶす。二時間ほど経つと前食が無化調だったおかげで重たさも無く、早いスピードで消化が進んだ。この絶好の連食タイミングを逃さぬように急いで店へと向かう。JR鶴見駅から京急鶴見駅を越えて大通りを進むと少し脇道へと逸れた昭和の景色を残す飲み屋街の入口に、只ならぬ人だかりを見つけた。昼ピークを外してきたつもりが大行列にはまってしまい相撲で言えば、いなされてしまったかのようだ。

本日の満員御礼の行列客には女性陣が半数を占めているのも、中年乙女オジサンの趣向にはありがたい。ガッツリ系だけだはない事の証だと確信して列に続いて待つ。店の外壁には「男の修行」と書かれた看板に目を通して人生とは何かを知る。ようやく45分ほどで幕内昇進かと思いきや、中待ちもあり十両での男の修行を強いられる。先に券売機でお目当ての醤油系に味玉を追加発券し中待ちに続く。そこから結果60分待ちで幕内であるカウンターに昇格。

土俵とも言うべき調理場が目の前の〝砂かぶり〟から聞こえてくるBGMは相撲甚句だ。江戸時代から興行の開催や楽日を伝える手段だった〝ふれだいこ〟や〝はねだいこ〟を聞きながら調理場に目をやる。本日は四人体制での営業だが、ご主人は調理には参加せずスープ場で鍋磨きか何かに徹している。それだけスタッフ間の稽古に信頼があるという事だろう。雑多に見える店内には番付表など相撲に関するものが各所に見られる。中には三横綱一大関を生んだ〝花の六三組〟の親睦会での写真だろうか、話題となった有名横綱達との写真も飾られてある。そんな中でも一番目を引くのは、大つけ麺博 2016秋での優勝ポスターだ。ちなみに隣り客の話では、最近に何かしらのテレビ番組で取り上げられたようで、本日の行列もテレビ特需なのだろうか。

そんな話に耳を傾けながら待つ事5分で待望の我が杯が到着した。大好きなタコ唐草紋様の高台丼の中の姿は、店内と同じく整然とはしてないが派手さのない落ち着いた雰囲気。さすがは食べる前から、ちゃんこ鍋を思わせる表情だ。

制限時間いっぱい待ったなしで、まずはスープをひとくち。見た目には清湯スープより霞みがかった枯れ色が特徴的。その〝立ち合い〟は香味油だろうか独特の香りがフワッと立ち昇る。それは〝ねこだまし〟のように意表をついたラーメン屋ではあまり感じない香りも漂っている。いざ口に含むとその理由が理解できた。レンゲですくったスープの液面には細やかな粒が見られるが、どうやら胡麻を当たった物のようだ。更によく見てみると具材のほうれん草に和えられたすり胡麻が確認できた。そのすりゴマがスープに浮かんで香りを出していたのだった。土台には動物系清湯スープと魚介出汁が〝がっぷり四つ〟を組んでいる。〝相四つ〟かと思ったが〝うわて〟を取っているのは鶏出汁だった。魚介出汁が〝腕(かいな)〟を返そうとするが〝おっつけ〟が効いているので動物系出汁が優位な立ち合いに変わりはない。そこに胡麻や薬味の複雑な香りが重なっているので不思議なスープとなっている。ちゃんこ鍋をイメージした具材からも香りが移っているので、ちゃんこ鍋の中でも鶏主体の〝ソップ炊き〟のようなスープに思える。カエシも穏やかではあるが、不必要な旨味成分も見え隠れしているのが残念な立ち合いとなった。

麺は中細ストレート麺で麺上げまでジャスト60秒の〝ソップ型〟で、低加水のパキッとした歯応えの麺質を活かした茹で加減だ。軽い食感でとても食べやすいが、小麦の風味や甘みはあまり感じられない。カンスイも少なめなのか、グルテンの変成も少ないのか麺自体が弱々しく感じた。つけ麺に使用している〝アンコ型〟の太麺との差異を狙ってかも知れないが歯応えがもう少し欲しい。

具材は部位違いのチャーシューが二枚。鶏ムネ肉の低温調理は中々の肉厚ぶり。昔から前足に土が付く四つ足の動物を嫌う相撲界ならではのの鶏肉の使い方に秀でているので食感も味付けも高水準。しかし現在は相撲部屋に〝ちゃんこ〟を食べに行っても、ビーフステーキや豚の角煮なども夕食には並んでいる。私もその時に初めて知ったのだが〝ちゃんこ〟とは力士の食べる食事の事で、鍋料理だけを指すものではないらしい。すなわち力士にはラーメンやカレーも〝ちゃんこ料理〟という事だ。それなのでコチラも豚バラ焼豚が添えてあるのにも納得ができる。その巻き型煮豚式焼豚は穏やかな味付けが寂しくはあったが、脂身好きな人にはうれしいとろけ具合なのだろう。

肉の具材がもう一品あった。それは鶏団子で、粗めに叩いた鶏肉の肉々しい食感は良かったが、旨みは下茹での際に抜けてしまったのか感じられなかった。それを補うはずの下味も乏しく、味気ないパサついたかたまりを食べているようだった。

追加の味玉は黄身の芯温が冷え切っていて旨味を感じる以前に残念だった。塩気が先行した味玉だったので好みとは違っていたが、冷たい味玉はスープの温度も下げるので良い点を見出せなかった。

ラーメンに、ちゃんこ鍋を思わせる具材たちが不思議な感覚を生んでいる要因かと。初動で気になったのがゴボウの粗いささがきだった。鍋の具材としては確立されているが、ラーメンの中では異物感を生んでいる。根菜ならではの土の香りがスープに溶け出すと複雑さ以上に、ややこしい味わいを醸し出している。これがちゃんこ鍋のスープに思えた最大の理由かと。

青みのほうれん草も店で茹でられたものではなく、業務用のカットほうれん草が使われている。頼りない食感や香りをごまかす為か、すりゴマを和える事で本質から逃れようとしている。これがまさにゴマかすという事か。

薬味の白ネギや三つ葉ではゴボウや胡麻のような強い香りには太刀打ちできていない。

「和み」の文字に惹かれて行列に並んでみたが周囲には醤油系を食べているのは私くらいで皆、濃厚つけ麺を注文していた。やはり、つけ麺推しの濃厚タイプの店だったようで、私にの趣向には残念ながら合わなかった。

今の相撲界は横綱不在の冬の時代が目の前に迫ってきている。早く若手の台頭が必要となっているが、それを応援するためにも五月場所には両国へ足を運ばなければならないと思った一杯でした。

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