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「味噌らーめん ¥780」@麺屋 誉の写真日曜日 晴天 21:20 先客3名 後客なし

〝小江戸川越 一泊二日ラーメンめぐり〟

本日の三食目を食べ終えて宿泊先のホテルにチェックインした。大浴場のサウナで一日の汗を流して、ひとときのビアタイムを楽しむ。朝から奔走した後のビールの味は格別だ。喉だけでなく、渇いた身体も潤してくれる唯一無二の裏切らない存在だ。さらには気持ちも潤そうと夜のネオン街の情報収集に励むが、まだ日が落ちたばかりで呑みに繰り出す雰囲気ではないので明日のラーメンの下調べをしようとRDBを開いてみる。

一泊二日くらいでは行きたい店の半分も行けそうにないが、候補店を絞り込む。そんな中で本日は食べていない味噌ラーメンのコチラが挙がってきた。何気なく候補店に入れようとお店情報を見ていると、本日の日曜日でも22時まで営業しているようだ。もし営業時間内に小腹が空いてきたら行ってみようかと四食目への意欲が湧いてきた。

すると午後9時前になるとサウナの効果だろうか少し胃袋に余裕ができた。しかもホテルからは歩いても10分ほどの距離とアクセスが良い。食べられるかは少し不安だがネオン街に繰り出す前の腹ごしらえと思い、本日の四食目にはなるが初訪問を決めた。

ホテルからは三番町通りとやらを進んで行けばたどり着くようなのでナビの指示のままに歩いて向かった。日曜日の夜というのもあるだろうが、うら寂しい通りを行くと暗がりの中に数軒の飲食店が並ぶ灯りが見えた。そこでなければどこまで歩くのだろうかと不安になるほど行く先は真っ暗だ。近づいてみるとカラオケの歌声が聞こえるスナックの先に真っ赤な暖簾が掛かったコチラがあった。早じまいもなく無事に入店できた。

店内に入ると券売機のトップを飾るお題を押した。追加の味玉を迷ったが本日はすでに3個も食べているので自主規制をかけた。(その前にラーメン自体を自主規制すべきの声も聞こえるが)

カウンターに座り店内を物色すると、テーブル席も多くある店内をご主人お一人で切り盛りされている。日曜の夜だからかも知れないが配膳やバッシングの為にホールにも出ているので大変そうだ。店内の壁には権威あるラーメン誌の堂々たる味噌部門 新人賞第一位の受賞暦が貼り出されている。ラーメンへの期待な高まり厨房に目をやると、味噌ラーメンならではの中華レンジと中華鍋のセットが更なる味噌ラーメンへの高揚感をあおる。そんな中で調理工程に入ったご主人の一挙手一投足を食い入るように眺めていると、力強い鍋振りや〝あおり〟の炎を見ることなく我が杯が到着した。

その姿は三連のドットがあしらわれた黒の多用丼の中で予想外のサッパリとした表情を見せる。味噌ラーメン=ラードのイメージがある中で表層に浮かんで油膜の薄さが連食つづきの胃袋にはありがたい。

まずは宗伝唐茶色のスープをひとくち。知ってはいても驚くような熱々のスープからは複雑な香辛料の香りが立ち昇っている。味噌ラーメンというよりは四川料理のような香りに食欲を刺激されながら口に含むと、スパイシーな香りに比例した様々な要素が舌の上に乗った。それは焦がしネギのような苦味と花山椒の痺れるような辛味、そこに甜麺醤の甘みや味噌のコクが舌を包み込んだ。それはまるで高級四川料理のように全ての香味が強すぎず穏やかだ。苦味の残し方や辛味の加え方、旨みの引き出し方の全てが派手ではないが的を得ているので自然とスープの世界観に引き込まれてしまった。

初めて出会ったようなスープの余韻に浸りながらスープや具材に隠れた麺を引き上げる。麺上げまでジャスト120秒の中太ちぢれ麺は黄色みを帯びた半透明な麺肌のエッジがキラキラと輝いている。持ち上げた箸先からは加水率の高さが重みとなって響いてくる。一気に啜るとスープの拡散が心配な麺質ではあるが、臆する事なく啜ってみる。滑らかな麺肌と軽やかに波打ったウェーブが唇をくすぐりながら飛び込んできた。味噌の風味にも負けない小麦の香りを打ち出す麺の食感の強さが箸のスピードに拍車をかける。啜り心地の良さと密度の高いモッチリとした食感に四食目だという事を忘れ、夢中でむさぼってしまった。

具材のチャーシューは苦手な豚バラの煮豚型だったが、脂身よりも赤身が大半を占める部分だったので赤身の肉質を楽しみながら脂身の甘みも感じられた。それには厚切りの要素も不可欠だったと思う。赤身の筋肉の繊維が解けるような柔らかさの中にも赤身本来の旨みは残っていた。味付けは香りの高いスープの中では控えめに調整してあるようで、個性のない個性が発揮されていた。

メンマも中細タイプだが、引き締まった食感と麻竹の発酵臭が只者ならぬ存在感をアピールする。やや硬めではあるが不必要な繊維を残さずに噛み切れる食感と、モチモチ麺とのコントラストは奇跡の出会いと思えるような組み合わせだ。味噌ラーメンならではの大豆由来の熟香と麻竹の発酵臭との取り合わせは中国の食の歴史の深さを物語っている。

モヤシは中華鍋の炎であおられたタイプではなく茹でモヤシが添えてある。なので調理中に〝あおり〟独特の中華鍋と五徳のぶつかる音や、ラードとモヤシの水分が生み出す炎が見られなかったのだろう。こちらの味噌ラーメンに関しては、中華鍋は香味野菜と味噌とスープを合わせる道具にすぎないと言う事だ。よってスープから感じる焦げたネギの風味は〝あおり〟からではなく、香味油からだと思われる。軽く茹でられたモヤシは鮮度の良さから香りがよくシャキッとした歯応えも抜群だ。次第にスープで加熱されて変化していく味や食感も時系列で楽しめる。

通常は〝あおり〟の副産物的な存在の豚挽肉も具材としての立ち位置を確立している。前仕込みだと思われるが、粗く挽かれた食感を残す豚肉の旨みにスパイシーなコクを与えた絶品具材。この具材を併用しているなら坦々麺も間違いなく旨いはずだ。スープ同様に複雑な旨みが重なりをみせるのは、拘りの肉味噌の証しだろう。

薬味は細かく刻まれた白ネギとおろし生姜と白ごまが添えてある。白ネギは食感の役目は茹でモヤシに任せて香り付けとして脇役を務める。香味ラードからの香ばしいネギの香りとは対照的にフレッシュなネギの香りをラーメン全体に与えている。おろし生姜の計算された配役も見事に当てはまっている。このおろし生姜でパンチを効かせる味噌ラーメンが多い中でこちらは個性的な使い方ではなく、明らかに影となって役割を果たしている。刺激で存在をアピールするのではなく、あくまで爽やかな清涼感を与えてくれるだけだ。白ごまを噛んだときの風味と芝麻醤の風味が見事にマッチし香ばしさを演出する。

ご主人の計算され尽くした設計図に思わず引き込まれて夢中でスープまで平らげていた。これならば、味玉を追加しても良かったなと後悔すらしてしまった。食べ終えてから券売機のメニューを見返してみると豊富なラインナップの中にワンタンなどもある事を知り、味噌ラーメンとワンタンの珍しい組み合わせにも興味が湧いてきた。

あまり得意ではない味噌ジャンルでの85点オーバーはコチラが初めてである。今後はこの味噌ラーメンを基準に、より美味い味噌ラーメンを探し求めていくのだろうと店を後にした。ホテルまでの真っ暗な帰り道で見上げた東の空に輝くオリオン座の中央に並んだ三つ星と、先ほどの味噌ラーメンの味と器の模様がピッタリと当てはまった一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

4件目お疲れ様です。
やはりこちら高評価なんですよね〜!
味噌は純連やすみれのように「=ラード」だとばかり想像していました。
私にはわからない味噌深いですね!

虚無 Becky! | 2019年3月29日 02:20

ここはまだ駅近で助かりました。帰り道で見つけた人気店にも寄らせていただきました。

のらのら | 2019年3月29日 15:55