コメント
お疲れ様です。らーめん旅いいなぁ。ワタシもどっか行きたいなぁ~。
業務用人生(迷走中) | 2019年3月30日 04:53次はこちらでしたか〜!流石鼻が効きますね!
こちらの拉麺も旨いですよね!
煮卵は本当に旨いと感じました。それとメンマもかなりいい出来ですよ!
次はつけ麺食べてみてください。麺の旨さが実感できますよ!
虚無 Becky! | 2019年3月30日 18:00今でも味玉が夢に出てきます。つけ麺のレビューはじめの第一候補にしておきますよ。
のらのら | 2019年3月30日 20:48
のらのら
やまんば弟

よっしーR







〝小江戸 川越二泊三日ラーメンめぐり〟
突然の連泊予約をして午前中に一食目を終えて本川越駅まで帰ってきたのだが、行き同様に帰りのバスの本数も少なく戻ってくるのに食べ終えてから一時間以上もかかった。これは北上尾の「よしかわ」つくば市の「麺屋 必道」を訪問時のバス難民に匹敵する。(あとで調べたら霞ヶ関経由の方が早かったようだ)向こうのバス停近くには失礼ながら何もなく、連食先を探すRDBだけが心のよりどころだった。
そんな待ち時間の間に見つけた二軒目が川越市にあるコチラだった。RDBでは川越市の総合ランキングは上位ではないが、今年の年間ランキングでは第4位と最近の人気店のようだ。滞在二日目となって、ようやく川越駅と本川越駅と川越市駅の三駅の位置関係が分かってきたので、川越駅までは戻らずに本川越駅でバスを降りた。
連食スペースを待つ間にようやく二日目にして川越の街並みを散策してみる。昨日の日曜日とは違って観光ガイドのツアーなども少なく観光客の人通りも少ない。これが普段着の川越なのだろう駅周辺を散策しながら時が過ぎるのを待つ。やや寂しくもある蔵通りを1時間ほど歩いていると連食のスペースが確保できた。
こちらへの徒歩ルートを検索すると随分と川越市の駅を遠回りするルートが最短距離として出てくるので疑いながらも指示に従い歩いて向かう。本川越から川越市までは順調に来たが、駅の反対側に行くには駅構内は抜けられず先の踏切を大回りするのが最短とある。仕方なしに大きく迂回して踏切までたどり着いたら、駅の横の駐車場をショートカットして近道してくる住人たちを見て、知らない町の恐ろしさを知った。
踏切を渡り少し進むと、こじんまりと佇むコチラを見つけた。のぼりと営業中の看板を確認してから店内に入る。ドアを開けると先客がいないので戸惑ったが券売機はないようなのでカウンターに座り様子を見る。システムが分からずに卓上メニューを見ていると前払い制の説明が書いてあった。メニューの筆頭にはつけ麺が並んでいるが、お目当てのお題と味玉を告げて代金を先払いした。
わずか3席のカウンターに戻り店内を物色すると背後にはテーブル席も設けてある。出来るだけ設備投資を削減した内装や備品に、若き店主さんの独立開店への意欲が見てとれる。ミシュランガイド向けの高級懐石料理店のような内装も悪くはないが、清潔感さえあれば高級感などなくても居心地が良く落ち着く。そんな店内をご夫婦だろう二人で切り盛りしている。特に愛想が良いわけではないが、真面目にラーメンに集中しているお二人には好感が持てる。
着席すると私だけのロットで調理がはじまった。カウンターの高い壁に阻まれて調理工程は見られないが五感を研ぎ澄ませて作業を想像しながら待つこと6分で我が杯が到着した。その姿は花唐草の高台丼の中で濃厚な顔立ちを見せる。濃い印象を与えながらも威圧感が少ないのは盛り付けのセンスからだろうか、不思議と馴染みやすい表情にも見える。
まずは芝翫茶色のスープをひとくち。スープに沈めたレンゲからはトロリとした粘着質が伝わってきた。見た目だけではなく密度も質量も高いと思われるスープを口に含むと、まろやかに乳化された口当たりでザラつきは微かに感じるだけだ。苦手な節粉まかせのスープでなく安心した。魚介系の推しが弱い分、豚ガラや鶏ガラの動物系スープの旨みやコクが存分に感じることができる。その旨みには獣臭さやクセをあくまでも排除してあるので、香味でごまかすような醤油ダレを強く合わせなくても良いような臭みのない動物系スープだ。この組み合わせは良くありそうなスープに思われたが、コチラのスープはひとつ違うステージに昇華している。
他とは一線を画す豚骨魚介スープに合わせる麺も、よくあるタイプの中太麺を合わせずに中細ストレート麺を採用している。豚骨魚介への先入観からか、麺をスープから引き上げた時は違和感すら覚えてしまった。スープの粘度に引っ張られてはいるが箸先に掛かる重みはなく、軽やかにすら思える。麺上げまでジャスト80秒で茹でられた麺肌は半透明の黄金色に輝いている。口に運ぶとツルツルと唇をくすぐり、しなやかに口の中を跳ねるとモッチリと歯ごたえを残してスルリと喉奥へと滑り落ちていく。麺肌に溶け出したグルテンがスープを良く持ち上がるので唇の先から喉の奥を過ぎて胃袋に落ちるまでの間中、スープと麺の共演を楽しむ事ができた。有りそうで知らなかった豚骨魚介スープと中細麺の組み合わせが苦手克服への鍵が見つかった気がする。
具材のチャーシューは豚肩ロースの低温調理。この豚骨魚介とレアチャーシューの組み合わせは随分と増えていると思うが、未だ少数派に思える。色調こそ淡いロゼ色を発しているが、しっかりと加熱されている。味の浸かりもあって美味しいのだが、残念なのはスジ切り不足で噛み切れずに口に残ってしまった事だ。
その残念なチャーシューを一瞬で忘れさせてくれる具材があった。それが追加した味玉だ。何と言っても驚いたのは、その提供温度の熱さだ。私の〝味玉論〟では冷蔵庫の冷たさがなく、常温以上に戻っていれば及第点としている。更に湯煎で温め直してあれば、なお良しだ。過去の経験では半割りの味玉で温められたものを口にした記憶がなかったので、あまり期待せずに味玉半個をひとくちで放り込んだ。生まれ持っての早食い気質なので過去には小籠包や鶏の唐揚げで上あごの薄皮が剥がれた事は数え切れないが、ラーメンの味玉で薄皮がめくれたのは生まれて初めてだった。そんな熱々とも言える猟奇的な味玉の黄身に多少の痛みは伴ったが、それを遥かに凌駕する悦びを感じた。さらに〝味玉論〟を語るならば、味玉とは一朝一夕で為し得るものではなく、浸透圧による鶏卵と漬けダレとの濃度を一定にしようとする事で起こるコロイド状態をもって初めて味玉を名乗って良しとする。しかし過剰な漬けダレの塩分や、硬く引き締まった状態は必要としない。かなり大げさになったが、ただ単にネットリと黄身が熟成した味玉が好きなだけなのだ。こちらの味玉は私の〝味玉論〟の中の「半割り味玉は冷たい論」を大きく覆してくれた。もしやしたら人生の味玉ランキングの第1位にしても良いと思える秀逸な味玉だった。
これで終わりかと思われたがメンマも個性を、ささやかながらアピールしている。板メンマと思って口にすると独特の歯切れの良さからタケノコのようである。チョコレート色からは想像できない穏やかな味付けがコリッとした食感のアクセントをプラスする。ここまでの具材の全てが個性的ではあるが、決して奇をてらわない構成が素晴らしい。
薬味の細かく刻まれた白ネギや黄柚子も主張するではなく、さりげなくラーメンの中に溶け込んでいる。海苔もスープに負けなくとも出しゃばらない香りを生んでいる。全ての具材や薬味が一体となっているが、終盤になるとスープには不自然な旨味成分を感じ始めた。もちろん過多ではないが、逆にその旨味が必要なのだろうかと思ってしまった。それはナルトにも同じ事を思ってしまう。
残念ながらスープとナルトは残してしまったが、その旨味成分が存在しなければパーフェクトに近い出来栄えだったと心から思う。しかしながら謎の旨味を借りてこその高評価だったのではないと自身の舌の慣用化を心配してしまった。
ここからまた川越駅前の宿へと戻り本日の三食目を探すことになるが、あまりに味玉の衝撃が強すぎて店探しに苦労するだろうなと心配になった一杯でした。