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平日 晴天 20:20 先客10名 後客2名〝小江戸川越 二泊三日ラーメンめぐり〟夕方に食べ終えた「麺屋 旬」の後に昨日と同様にホテルに戻り大浴場のサウナに直行した。格別のうまさを放つビールを吞むと、胃袋が刺激されたのとサウナ効果で小腹が空いてきた。現在時刻は午後7時半と平日とはいえ深い時間帯に入ってきた。ダメ元でこれから行ける候補の店を探しているとコチラがヒットした。しかし、また移動手段が車しかないような立地が訪問意欲を失わせる。ここで諦めるべきであったが、酒の勢いも手伝って遊び心に火がついてしまうと、車でしか行けない場所なら車で行けばいいじゃん的な、安直な発想がひらめいた。自家用車は無くともタクシーがあるではないかと、この時点では帰り道の事など全く考えもせずにタクシーに飛び乗った。こうして本日の四食目(2日で8食目)への挑戦が始まった。これから向かっても午後9時までの営業時間内には十分に間に合うはずだと駅前で拾ったタクシーで田んぼの中を走ること約20分で大きな工場が立ち並んだ脇に佇む店先に着いた。運良く暖簾も上がっておらず、外待ちベンチに並びもない。しかし勢いで来てしまった店先の軒下の券売機の前で立ちすくんでしまった。そう言えば何の予習もしてこなかった事を思い出した。券売機のボタン一杯に並んだ豊富なメニューだが、昼の部と夜の部で別れているようだ。散々と悩んだ挙句、そんな中で夜限定のラーメン(太麺)とだけ書かれたボタンを押した。興味があるので本日だけで四個目となる禁断の味玉を追加した。(本当に禁断なのはラーメンなのだが)店内に入ると、この時間帯でも半分くらいは席が埋まっていた。食券を手渡し正面のカウンターに座り店内を物色する。カウンター席と両サイドには小上がり席が設けてある。片方では家族づれが食事とビールを楽しんでいる。その他の客層は圧倒的に男性陣が多い。しかも皆んな屈強な肉体を持った作業服姿の働く男たちだ。店内に置かれている漫画週刊誌を読んでいたり食後も談笑しているような、のどかな雰囲気だ。内装にもガタがきている所もあるが、それもまた味である。初めてなのに落ち着けるのは店を切り盛りする三人のスタッフの優しさもあるのかも知れない。そんな中でくつろぎながら待っていると着席して8分程で我が杯が到着した。その器は黒い多用丼の胴の部分に茶色の刷毛目が描かれている。その中の姿は大胆不敵な表情を見せているが、野暮ったさや泥臭さなどは全く感じない。むしろ丁寧な盛付けが品良く映る。まずは柴染色のスープをひとくち。レンゲをスープに差し込んだ瞬間の抵抗は随分と軽やかで粘度は高くなさそうだ。下調べもせずに来てしまったが周囲はつけ麺を食べてる客が多いので、巷によくあるつけ麺屋の豚骨魚介系なのは察しがついていた。しかし見た目とレンゲを持つ指先からは想像した荒々しさがなく好印象だ。この良いイメージのままでスープを口元に運ぶと私の中の割合の感覚は、豚骨 5.2 対 魚介 4.8といった所だろうか。魚介系の節よりも豚由来のコラーゲンを若干と唇と舌に感じる。そのやや強めの豚骨スープだが独特の臭みがないのが驚いた。豚骨に臭みが無いので煮干しなどで打ち消す必要がなく、つぶした魚介系のザラつきもかなり少なく抑えてある。スープに旨みがある分、カエシも主張し過ぎずに控えられるので結果として全てが丸く収まっている。麺はタイトルに太麺とあっただけに、麺上げまで250秒にも耐えうる強さを持ったストレート太麺。加水率の高さとグルテンの高密度が重なって、今にも弾けそうに麺肌が張りつめている。最初は二本ほど持ち上げて一気に啜ってみる。ストレートながら一本の麺に重みがあるので啜り上げた麺尻が大きく左右に揺さぶられると、所かまわずスープを撒き散らす。それに気が付くと、ふたくち目以降は顔を器に近づけて至近距離で啜る事にした。その持ち上げたスープが誇張しすぎないので麺の本質的な旨さを存分に味わえる。初期段階でもベストな麺質だと思うが、少々の事ではヘタれるような麺ではなさそうなのでじっくりと味わいたい麺だ。具材のチャーシューを箸でつまんで驚いた。感覚的には百万円の束よりも厚みがある。実際に百万円の束を目にする機会がないので信憑性が乏しいのは否めない。そんな極厚切りの豚バラの煮豚型が、スープに隠れて目立たぬように乗っているのも思慮深くて好感が持てる。大きさと厚みだけが全てではないので食べてみようと箸で持つと、赤身の筋肉と筋肉をつないだスジの部分からブロックのように崩れていく。逆に筋肉のかたまりは形をとどめて崩れない。その赤身質のブロックを口に入れると筋肉の太い繊維質を感じさせながら解けていく。そんなブロックがいくつも存在しているが、それぞれに歯応えや口溶けに違いがあって、一枚の豚バラチャーシューなのに何通りもの食感が味わえた。それに加えて味付けの良さは語る必要がない無敵のチャーシュー。追加の味玉はスープに配慮してだろうが、かなり薄味で仕上げられている。バランスは悪くなるかもしれないが、個人的な好みでは熟成でネットリとした黄身を内に秘めた味玉を求めてしまう。しかし温め直してある辺りの仕事の細かさは伝わってきた。板メンマには手仕事感はなかったが、不揃いな形状が食感の違いを生んでアクセントにはなってくれた。また大量に添えてあるので何度もアクセント役を演じてくれた。薬味の白ネギの小口切りはお世辞にも高品質とは呼べないが、粗雑な荒々しい香りと食感が、かえって個性となってスープや麺に絡んでいたのかも。これが辛味や香りを抜いた繊細な白髪ネギだったら存在感は出し切れなかっただろうと思った。なので高級品ならずとも価値は十分にある事を教えてもらった。その存在価値を、どうしても青みのカイワレには見出せず残念だった。本来は得意ジャンルではない豚骨魚介の中でも暴力的でないタイプがある事を学んだ。だがそんなタイプのスープでも謎の旨味が全体のバランスをとっているのも分かった。きっとわずかなので投げ出すような事はなかったが、少々残念でスープは残してしまった。しかし大変おいしくいただいて気分良く店を出たが帰りのタクシーを用意してなかった。慌ててタクシー会社を調べて呼ぼうとしたら、目の前の化粧品メーカーの工場前でタクシーから人が降りて空車になった。満腹で重たい胃袋を抑えながら慌てて駆け寄り、奇跡的にタクシーを捕まえる事ができた。そのタクシー会社の名前には、今回の川越行脚で何度も口にした川越醤油と同じ、はつかりと入った「初雁タクシー」だったのに運命的なものを感じてしまった一杯でした。
8食目はまさかのこちらでしたか〜!わからなかった! 遠いし夜中の田圃道は真っ暗で危険が一杯ですよ! まさかのタクシー使っちゃいましたか! こちらは頑者の弟さんの店で、「ひかり」の店舗の由来は製麺所の社名からです。 川越には初雁が多いのは、川越城=初雁城とも言われ、 「とうりゃんせ」のわらべうたの神社にも初雁が止まったとも言われて、 学校名や商品などにも多く使われています。
盛りだくさんの川越情報ありがとうございます。この日を終えた時点で、川越の魅力と魔力に翻弄されてました。
〝小江戸川越 二泊三日ラーメンめぐり〟
夕方に食べ終えた「麺屋 旬」の後に昨日と同様にホテルに戻り大浴場のサウナに直行した。格別のうまさを放つビールを吞むと、胃袋が刺激されたのとサウナ効果で小腹が空いてきた。現在時刻は午後7時半と平日とはいえ深い時間帯に入ってきた。ダメ元でこれから行ける候補の店を探しているとコチラがヒットした。
しかし、また移動手段が車しかないような立地が訪問意欲を失わせる。ここで諦めるべきであったが、酒の勢いも手伝って遊び心に火がついてしまうと、車でしか行けない場所なら車で行けばいいじゃん的な、安直な発想がひらめいた。自家用車は無くともタクシーがあるではないかと、この時点では帰り道の事など全く考えもせずにタクシーに飛び乗った。こうして本日の四食目(2日で8食目)への挑戦が始まった。
これから向かっても午後9時までの営業時間内には十分に間に合うはずだと駅前で拾ったタクシーで田んぼの中を走ること約20分で大きな工場が立ち並んだ脇に佇む店先に着いた。運良く暖簾も上がっておらず、外待ちベンチに並びもない。しかし勢いで来てしまった店先の軒下の券売機の前で立ちすくんでしまった。そう言えば何の予習もしてこなかった事を思い出した。券売機のボタン一杯に並んだ豊富なメニューだが、昼の部と夜の部で別れているようだ。散々と悩んだ挙句、そんな中で夜限定のラーメン(太麺)とだけ書かれたボタンを押した。興味があるので本日だけで四個目となる禁断の味玉を追加した。(本当に禁断なのはラーメンなのだが)
店内に入ると、この時間帯でも半分くらいは席が埋まっていた。食券を手渡し正面のカウンターに座り店内を物色する。カウンター席と両サイドには小上がり席が設けてある。片方では家族づれが食事とビールを楽しんでいる。その他の客層は圧倒的に男性陣が多い。しかも皆んな屈強な肉体を持った作業服姿の働く男たちだ。店内に置かれている漫画週刊誌を読んでいたり食後も談笑しているような、のどかな雰囲気だ。内装にもガタがきている所もあるが、それもまた味である。初めてなのに落ち着けるのは店を切り盛りする三人のスタッフの優しさもあるのかも知れない。
そんな中でくつろぎながら待っていると着席して8分程で我が杯が到着した。その器は黒い多用丼の胴の部分に茶色の刷毛目が描かれている。その中の姿は大胆不敵な表情を見せているが、野暮ったさや泥臭さなどは全く感じない。むしろ丁寧な盛付けが品良く映る。
まずは柴染色のスープをひとくち。レンゲをスープに差し込んだ瞬間の抵抗は随分と軽やかで粘度は高くなさそうだ。下調べもせずに来てしまったが周囲はつけ麺を食べてる客が多いので、巷によくあるつけ麺屋の豚骨魚介系なのは察しがついていた。しかし見た目とレンゲを持つ指先からは想像した荒々しさがなく好印象だ。この良いイメージのままでスープを口元に運ぶと私の中の割合の感覚は、豚骨 5.2 対 魚介 4.8といった所だろうか。魚介系の節よりも豚由来のコラーゲンを若干と唇と舌に感じる。そのやや強めの豚骨スープだが独特の臭みがないのが驚いた。豚骨に臭みが無いので煮干しなどで打ち消す必要がなく、つぶした魚介系のザラつきもかなり少なく抑えてある。スープに旨みがある分、カエシも主張し過ぎずに控えられるので結果として全てが丸く収まっている。
麺はタイトルに太麺とあっただけに、麺上げまで250秒にも耐えうる強さを持ったストレート太麺。加水率の高さとグルテンの高密度が重なって、今にも弾けそうに麺肌が張りつめている。最初は二本ほど持ち上げて一気に啜ってみる。ストレートながら一本の麺に重みがあるので啜り上げた麺尻が大きく左右に揺さぶられると、所かまわずスープを撒き散らす。それに気が付くと、ふたくち目以降は顔を器に近づけて至近距離で啜る事にした。その持ち上げたスープが誇張しすぎないので麺の本質的な旨さを存分に味わえる。初期段階でもベストな麺質だと思うが、少々の事ではヘタれるような麺ではなさそうなのでじっくりと味わいたい麺だ。
具材のチャーシューを箸でつまんで驚いた。感覚的には百万円の束よりも厚みがある。実際に百万円の束を目にする機会がないので信憑性が乏しいのは否めない。そんな極厚切りの豚バラの煮豚型が、スープに隠れて目立たぬように乗っているのも思慮深くて好感が持てる。大きさと厚みだけが全てではないので食べてみようと箸で持つと、赤身の筋肉と筋肉をつないだスジの部分からブロックのように崩れていく。逆に筋肉のかたまりは形をとどめて崩れない。その赤身質のブロックを口に入れると筋肉の太い繊維質を感じさせながら解けていく。そんなブロックがいくつも存在しているが、それぞれに歯応えや口溶けに違いがあって、一枚の豚バラチャーシューなのに何通りもの食感が味わえた。それに加えて味付けの良さは語る必要がない無敵のチャーシュー。
追加の味玉はスープに配慮してだろうが、かなり薄味で仕上げられている。バランスは悪くなるかもしれないが、個人的な好みでは熟成でネットリとした黄身を内に秘めた味玉を求めてしまう。しかし温め直してある辺りの仕事の細かさは伝わってきた。
板メンマには手仕事感はなかったが、不揃いな形状が食感の違いを生んでアクセントにはなってくれた。また大量に添えてあるので何度もアクセント役を演じてくれた。
薬味の白ネギの小口切りはお世辞にも高品質とは呼べないが、粗雑な荒々しい香りと食感が、かえって個性となってスープや麺に絡んでいたのかも。これが辛味や香りを抜いた繊細な白髪ネギだったら存在感は出し切れなかっただろうと思った。なので高級品ならずとも価値は十分にある事を教えてもらった。
その存在価値を、どうしても青みのカイワレには見出せず残念だった。
本来は得意ジャンルではない豚骨魚介の中でも暴力的でないタイプがある事を学んだ。だがそんなタイプのスープでも謎の旨味が全体のバランスをとっているのも分かった。きっとわずかなので投げ出すような事はなかったが、少々残念でスープは残してしまった。
しかし大変おいしくいただいて気分良く店を出たが帰りのタクシーを用意してなかった。慌ててタクシー会社を調べて呼ぼうとしたら、目の前の化粧品メーカーの工場前でタクシーから人が降りて空車になった。満腹で重たい胃袋を抑えながら慌てて駆け寄り、奇跡的にタクシーを捕まえる事ができた。そのタクシー会社の名前には、今回の川越行脚で何度も口にした川越醤油と同じ、はつかりと入った「初雁タクシー」だったのに運命的なものを感じてしまった一杯でした。