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「正油ラーメン ¥750+味玉 ¥100」@煌龍軒 大森店の写真祝日 晴天 10:55 先待ち2名 後客なし

〝ニューオープン狙いうち〟

本日も新規開拓を目的とした新店捜索のためにRDBを漁ってみる。日々増え続ける新店情報に追われながら見ていると、新たなターゲットとしてコチラが浮かんできた。お店情報によると四月末にオープンしたばかりの新店ようで情報が少ないのもうなづける。メニュー情報すら掲載されてないので不安ではあるが系列店の名前だけは知っていたので、その事だけを頼りに初訪問を決めた。

11時開店前の現着を目指して10時過ぎには家を出て山手線と京浜東北線を乗り継ぐと25分ほどで最寄りの大森駅に着いた。北口から旧ドイツ人学校が由来とされるジャーマン通りを五分ほど歩くと横断歩道橋のたもとに佇む店先を見つけた。開店15分前の現着で行列もないので、狭い歩道を避けて少し離れた場所から張り込みを開始する。

開店5分前になるとようやく並びが出来始めたのを確認してから、再び店先に戻り三番手をキープした。中華料理店の居抜きらしい外観のビジュアルが昔ながらを思わせて心を和ませる。以前は料理サンプルが置かれていたであろう店頭のショーケースの中には、現在は空ののラーメン鉢が陳列されている。その中に置かれたメニューの中から品定めをするが味噌、塩、正油とシンプルでオーソドックスなメニュー構成に懐かしさを感じていると定刻通りにオープンとなったが、準備が整っていなかったのか暖簾は掛けられずに看板も準備中のままで入店もなった。

店内に入ると券売機はなくカウンターに腰を下ろして、卓上メニューを見ながら決めておいたお題を告げる。本日は白い肌着姿のご主人と割烹着姿の奥さまのおふたりで切り盛りしている。そのおふたりの姿にも昔ながらの雰囲気が漂っている。店内を見回すとL字カウンターとテーブル席も設けてあり波打ちトタンが張られた壁や朱赤色の丸イスや、えんじ色の屋台風のれんが郷愁を感じさせる。調理場に目をやると奥の茹で麺機での麺上げを奥さまが担当され、味噌ラーメンなどの中華鍋を振るのはご主人が担っている。互いに声を掛け合いタイミングを計りながらラーメンを仕上げていく。そんなコンビネーションを眺めていると、着席して8分かかったが第1ロットにて我が杯が到着した。

その姿はノスタルジックな雷紋柄と屋号のあしらわれた高台丼の中で懐かしい表情を浮かべている。このタイプによくある不安要素は第一印象で感じたが、想定内としてレンゲを手に取った。

まずは半濁した唐茶色のスープをひとくち。たっぷりと表層を覆った油膜にレンゲを挿すと、鈍い光を放ちながら大きく波を打った。見た目以上の油量の多さに驚きながらスープをレンゲですくい上げる。そのスープからは醤油の香りと、かなりの温度の高さが飲まずとも湯気の熱気から伝わってくる。口の中を火傷しないように注意しながら、ゆっくりと口に含んでみる。口に入った瞬間に口内をラード油がコーティングするので油っぽい印象が先行するが、その後には警戒していても防げなかったスープの熱さには驚かされてしまった。この熱さを保つための大量の油膜だとは思うが、随分とクドく感じてしまった。熱さと油膜で味覚が低下している状況下でも、強い不自然な甘みとカエシの塩気が襲ってくる。鶏ガラ主体に魚介出汁と野菜類を合わせた基本的な方程式の分母だが、分子の醤油ダレの甘みと塩分が私には強すぎた。せっかくの玉ねぎやニンジンなどの自然な野菜の甘みが消されてしまっていた。

一度、水で口内をリセットして麺をいただいてみる。麺上げまで150秒程の中太中華麺は透明感のある黄色い麺肌が特徴的だ。持ち上げた箸先からは加水率の高さと共に、見た目の懐かしさが伝わってくる。昔ながらの中華そばらしい微かにちぢれた麺を啜ってみると、麺肌のグルテンとラードが重なって滑らかな麺質を増長させて滑り込んでくる。少し柔らかめの食感の中には、モッチリとした芯の歯応えも感じられるので食べ応えはある。見た目の透明感から懸念された不快なカンスイ臭もなく、穏やかな小麦の香りが口に広がる。

具材のチャーシューは豚肩ロースが使われているが、薄切りなのに固く肉質が締まっていてパサつきすら感じてしまった。その上に赤身本来の旨みも逃げ出しているので、噛むたびに心地悪さが浮かび上がってくる。

追加した味玉も提供時には美白な茹でたまごのようだったが、すぐにスープに浸かった部分だけが色素を吸って南半球だけは小麦色になっていた。そんな二色に変色した味玉を噛んでみると、きちんと温め直された仕事ぶりは感じたが味付けが乏しい。出汁や漬けダレの浸み込みは全くない、ゆでたまごを食べているようだった。私の〝味玉論〟とは違ったが、強気なスープの中では口直しの役割を果たしてくれた。スープの塩気を穏やかにしてくれた味玉には結果的に感謝する事になった。

細めの板メンマも同じく、うす味が功を奏して箸休めとなってくれた。味付けが薄いので独特の発酵臭を強く感じられるので、風味の面でもアクセント役を務めてくれる。また軽妙な食感も心地よく、歯応えの面でもサポートしてくれた。

大量に入っているモヤシは鮮度が良く、ありがちなアンモニア臭は全く感じない。先ほどまでは多すぎると思っていた香味油との相性が素晴らしいが、炒めモヤシのような香ばしさがないのは茹でモヤシなのだろうか。しかし茹でモヤシには出せないシャキッとした歯ざわりがあるので不思議に思った。たしかにご主人が中華鍋で野菜をあおる音は聞こえたが定かではない。このモヤシもスープの塩気を抑えてくれる役目も果たしてくれた。

薬味は非常に丁寧に細切りされた青ネギが添えてあったが、職人の技から生まれた薬味の青ネギは香りも歯ざわりも良く脇役以上の存在感があった。

持論の〝ナルト不要説〟を徹底して箸を付ける事はなかった。

中盤からもスープのフルボディに舌が付いて行けずスープと麺を残して箸とレンゲを置いた。今回は私には旨みと塩分が重たすぎたが、昔ながらの再現性は素晴らしかった。店の雰囲気とマッチしたラーメンには滅びることのない不変性と、いつの時代にも通じる普遍性の両方の〝フヘンセイ〟を感じられた一杯でした。

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