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平日 晴天 13:30 先客9名 後客4名〝ニューオープン狙いうち〟season2本日は午前中から新店パトロールの為に連食プランを計画していた。無事に川崎市の武蔵新城駅での一食目を終えると直ぐにJRと都営大江戸線を乗り継いで、連食先のある最寄りの新御徒町駅に一時間ほどかけて着いた。しかし胃袋に空きスペースがないのと昼ピーク時を理由に、駅近くでのコーヒーショップ探しに切り替える。大手チェーンのカフェは見つからなかったが、店主お一人で営まれているコーヒー店があったので涼を求めて立ち寄った。一時間ほど涼んでいると満腹感も和らいできたので、初訪問先を目指してコーヒー店を出た。目的地のコチラも先程の武蔵新城の新店と同じくオープン二日目らしく、いわばデビュー日が同じという事になる。新御徒町駅からは歩いても数分で、お祝いの花が店先に並んだコチラを見つけた。昼時を過ぎていたからか行列はなく、すんなりと入店できそうだ。お祝いの花を見ると私でも知っているようなラーメン店の名前もある。きっと修行先での同僚なのだろうと思い、これから出会うラーメンの姿を想像しながら入口を入った。すると店内満席の大盛況で驚いた。ちょうど食事を終えた先客の片付け待ちの席が、ひと席だけ空いていたのでラッキーだった。入口左手の小型券売機で、基本のラーメンに味玉入りを発券して片付けが終わるのを待った。先客陣の配膳のタイミングと重なってしまったようで多少の時間を要したが苦にならない雰囲気が店内には満ちていた。それはご夫妻と思われるお二人の一生懸命な仕事ぶりが思わせてくれたのだと思う。入店して30秒足らずでそう思える店には簡単に出会えないものだ。ようやく配膳が落ち着いた頃合いで、片付けも終わりカウンターに座る事ができた。奥さまに食券を手渡すと小ライスのサービスを聞かれたが、ラーメンに集中する為に丁寧にお断りをした。カウンター越しに店内を見渡すと奥へと長細いL字のカウンターだけだが、席数は10席と多く設けてある。またホールへの導線が良いとは言えない設計なので二人体制では大変そうな席数に思える。厨房内では翌日分のスープ炊きと焼豚の仕込みがガス台の上で行われているので茹で麺機の熱量などが加わると、ご主人の作業する周辺温度はかなりの高さになるだろう。細身の店主さんの体調を気づかいながらも店内観察を続ける。本日の客層は〝ものづくりの街〟である下町ならではの地元の職人さんが多く見られる気がする。そんな客人の会話の内容も例大祭が近づいてきた鳥越祭の話題や、GWの10連休で職人たちを休ませて会社経営が危なくなったとの冗談話など地元らしい話が多く聞こえてくる。そんな明るい店内にもお祝いの胡蝶蘭が飾られてた。その贈り主は、双子の玉子〝二黄卵〟で有名な浅草の人気ラーメン店「与ろゐ屋」さんだった。高級胡蝶蘭を贈られるほどの関係性を思っていると、着席して10分ほどで我が杯が到着した。その姿は白磁に紺の雷紋が描かれた切立丼の中で、時代の流れに逆行するような懐かしい景色を見せている。一切の流行に背を向けたような昔ながらを貫いた確固たる表情に、令和から昭和へとタイムスリップしたかのようだ。派手さを微塵も感じさせない素朴なラーメンと、目の前のご主人の実直そうな仕事ぶりを重ね合わせてレンゲを手にした。まずは枇杷茶色のスープをひとくち。清湯というよりは微かに濁りが溶け込んだ液面にレンゲを射し込んでみると、魚介出汁の香りが熱い湯気に連れられて上がってくる。見た目の第一印象からオーソドックスなスープの設計図を思い描きながらスープを口に含むと、動物系よりも魚介出汁が主導権を握っていた。その魚介系の中でもとくに煮干しの香味が先頭を切ってくる。鶏ガラ主体に魚介を合わせた昔懐かしい組み合わせだが、古めかしさを感じさせないのは灰汁取りなどの丁寧な仕事をされているからだろう。それは鶏ガラの獣臭さを全く感じない事や、煮干しの苦味などのクセを削ぎ落とした仕上がりがそう思わせる。そこに合わせてあるカエシは主張しすぎる事なく、スープ全体にメリハリだけは付けている。麺選びも流行りに迎合する事なく、昔ながらのちぢれ中華麺を採用していて麺上げまではジャスト80秒。持ち上げた箸先からは緩やかなウェーブと半透明な麺質が見てとれる。そんな麺を一気にすすり上げると、ちぢれの周波が唇と舌先を刺激しながら滑り込んでくる。中華そばの懐かしい口当たりだが、昔のようなカンスイ臭がしないのは有難い。少し柔らかめの仕上がりとなっているので食べ応えとしては物足りなさを感じるが、スープとの相性などを考えての事だろう。具材のチャーシューは豚肩ロースの煮豚型が厚切りで入っており、しかも大判仕様となっている。盛り付け直前にガスバーナーで炙って香ばしさもプラスされたチャーシューを噛んでみると、適度な歯応えもありながら柔らかく崩れていく。食感の良さもさることながら煮汁の醤油感もしっかりと肉質が受け止めているので、味のボヤけた煮豚とは大違いで素晴らしい。これならばチャーシュー麺にしても損はないと思った。追加した味玉は本来の仕上がりなのかもしれないが、ほとんど味が浸みておらず好みとは違い残念。写真からも分かるように、下茹での半熟加減も柔らか過ぎて黄身が流れ出していた。開店直後なので細かな点までは気が回らなかったのだろうか。極太メンマには手仕事を感じられない業務用品的な味わいで個性は見られない。逆を言えば安定感のあるメンマで食感も程よく優等生ではあるが面白みには欠けるので、ここでしか食べられないようなオリジナリティのあるメンマを望んでしまった。薬味は細かく刻まれた白ネギが添えてあり、程よい香りと歯触りを与えてくれる名脇役。やはり東京の中華そばの薬味には青ネギよりも白ネギの方がしっくりくると再確認した。また海苔の鮮度も良いので香りもあり口溶けもまずまずだった。ひとつ疑問に思ったのは薬味の刻み柚子の存在で、写真を確認しても私のラーメンには入っていなかったのだ。開店二日目のこの日は黄柚子を調達できなかったのか、単なる盛り忘れかはご主人だけが知っている事だろう。食べ終える頃には午後二時も近くなっていたので空席が目立ってきた。卓上のお冷のピッチャーはどれもカラになっていたので昼ピーク時の来客数は凄まじかった事を裏付ける。調理も一段落したようで、大きく息を吐いてペットボトルの冷たい麦茶を飲み干すご主人の額の汗も忙しさを物語っていた。後から来店したご近所らしきおばさま二人の会話の中に、以前同じ場所に店を構えていたラーメン店の話があった。どうやら一年程しか続かなかったようで、今回のこちらのオープンには期待しているようだった。そんな応援を耳にした時に、地元に根付いてくれるような味わいだったのが安心材料となった一杯でした。
〝ニューオープン狙いうち〟season2
本日は午前中から新店パトロールの為に連食プランを計画していた。無事に川崎市の武蔵新城駅での一食目を終えると直ぐにJRと都営大江戸線を乗り継いで、連食先のある最寄りの新御徒町駅に一時間ほどかけて着いた。
しかし胃袋に空きスペースがないのと昼ピーク時を理由に、駅近くでのコーヒーショップ探しに切り替える。大手チェーンのカフェは見つからなかったが、店主お一人で営まれているコーヒー店があったので涼を求めて立ち寄った。
一時間ほど涼んでいると満腹感も和らいできたので、初訪問先を目指してコーヒー店を出た。目的地のコチラも先程の武蔵新城の新店と同じくオープン二日目らしく、いわばデビュー日が同じという事になる。新御徒町駅からは歩いても数分で、お祝いの花が店先に並んだコチラを見つけた。昼時を過ぎていたからか行列はなく、すんなりと入店できそうだ。お祝いの花を見ると私でも知っているようなラーメン店の名前もある。きっと修行先での同僚なのだろうと思い、これから出会うラーメンの姿を想像しながら入口を入った。
すると店内満席の大盛況で驚いた。ちょうど食事を終えた先客の片付け待ちの席が、ひと席だけ空いていたのでラッキーだった。入口左手の小型券売機で、基本のラーメンに味玉入りを発券して片付けが終わるのを待った。先客陣の配膳のタイミングと重なってしまったようで多少の時間を要したが苦にならない雰囲気が店内には満ちていた。それはご夫妻と思われるお二人の一生懸命な仕事ぶりが思わせてくれたのだと思う。入店して30秒足らずでそう思える店には簡単に出会えないものだ。ようやく配膳が落ち着いた頃合いで、片付けも終わりカウンターに座る事ができた。奥さまに食券を手渡すと小ライスのサービスを聞かれたが、ラーメンに集中する為に丁寧にお断りをした。
カウンター越しに店内を見渡すと奥へと長細いL字のカウンターだけだが、席数は10席と多く設けてある。またホールへの導線が良いとは言えない設計なので二人体制では大変そうな席数に思える。厨房内では翌日分のスープ炊きと焼豚の仕込みがガス台の上で行われているので茹で麺機の熱量などが加わると、ご主人の作業する周辺温度はかなりの高さになるだろう。細身の店主さんの体調を気づかいながらも店内観察を続ける。
本日の客層は〝ものづくりの街〟である下町ならではの地元の職人さんが多く見られる気がする。そんな客人の会話の内容も例大祭が近づいてきた鳥越祭の話題や、GWの10連休で職人たちを休ませて会社経営が危なくなったとの冗談話など地元らしい話が多く聞こえてくる。そんな明るい店内にもお祝いの胡蝶蘭が飾られてた。その贈り主は、双子の玉子〝二黄卵〟で有名な浅草の人気ラーメン店「与ろゐ屋」さんだった。高級胡蝶蘭を贈られるほどの関係性を思っていると、着席して10分ほどで我が杯が到着した。
その姿は白磁に紺の雷紋が描かれた切立丼の中で、時代の流れに逆行するような懐かしい景色を見せている。一切の流行に背を向けたような昔ながらを貫いた確固たる表情に、令和から昭和へとタイムスリップしたかのようだ。派手さを微塵も感じさせない素朴なラーメンと、目の前のご主人の実直そうな仕事ぶりを重ね合わせてレンゲを手にした。
まずは枇杷茶色のスープをひとくち。清湯というよりは微かに濁りが溶け込んだ液面にレンゲを射し込んでみると、魚介出汁の香りが熱い湯気に連れられて上がってくる。見た目の第一印象からオーソドックスなスープの設計図を思い描きながらスープを口に含むと、動物系よりも魚介出汁が主導権を握っていた。その魚介系の中でもとくに煮干しの香味が先頭を切ってくる。鶏ガラ主体に魚介を合わせた昔懐かしい組み合わせだが、古めかしさを感じさせないのは灰汁取りなどの丁寧な仕事をされているからだろう。それは鶏ガラの獣臭さを全く感じない事や、煮干しの苦味などのクセを削ぎ落とした仕上がりがそう思わせる。そこに合わせてあるカエシは主張しすぎる事なく、スープ全体にメリハリだけは付けている。
麺選びも流行りに迎合する事なく、昔ながらのちぢれ中華麺を採用していて麺上げまではジャスト80秒。持ち上げた箸先からは緩やかなウェーブと半透明な麺質が見てとれる。そんな麺を一気にすすり上げると、ちぢれの周波が唇と舌先を刺激しながら滑り込んでくる。中華そばの懐かしい口当たりだが、昔のようなカンスイ臭がしないのは有難い。少し柔らかめの仕上がりとなっているので食べ応えとしては物足りなさを感じるが、スープとの相性などを考えての事だろう。
具材のチャーシューは豚肩ロースの煮豚型が厚切りで入っており、しかも大判仕様となっている。盛り付け直前にガスバーナーで炙って香ばしさもプラスされたチャーシューを噛んでみると、適度な歯応えもありながら柔らかく崩れていく。食感の良さもさることながら煮汁の醤油感もしっかりと肉質が受け止めているので、味のボヤけた煮豚とは大違いで素晴らしい。これならばチャーシュー麺にしても損はないと思った。
追加した味玉は本来の仕上がりなのかもしれないが、ほとんど味が浸みておらず好みとは違い残念。写真からも分かるように、下茹での半熟加減も柔らか過ぎて黄身が流れ出していた。開店直後なので細かな点までは気が回らなかったのだろうか。
極太メンマには手仕事を感じられない業務用品的な味わいで個性は見られない。逆を言えば安定感のあるメンマで食感も程よく優等生ではあるが面白みには欠けるので、ここでしか食べられないようなオリジナリティのあるメンマを望んでしまった。
薬味は細かく刻まれた白ネギが添えてあり、程よい香りと歯触りを与えてくれる名脇役。やはり東京の中華そばの薬味には青ネギよりも白ネギの方がしっくりくると再確認した。また海苔の鮮度も良いので香りもあり口溶けもまずまずだった。
ひとつ疑問に思ったのは薬味の刻み柚子の存在で、写真を確認しても私のラーメンには入っていなかったのだ。開店二日目のこの日は黄柚子を調達できなかったのか、単なる盛り忘れかはご主人だけが知っている事だろう。
食べ終える頃には午後二時も近くなっていたので空席が目立ってきた。卓上のお冷のピッチャーはどれもカラになっていたので昼ピーク時の来客数は凄まじかった事を裏付ける。調理も一段落したようで、大きく息を吐いてペットボトルの冷たい麦茶を飲み干すご主人の額の汗も忙しさを物語っていた。
後から来店したご近所らしきおばさま二人の会話の中に、以前同じ場所に店を構えていたラーメン店の話があった。どうやら一年程しか続かなかったようで、今回のこちらのオープンには期待しているようだった。そんな応援を耳にした時に、地元に根付いてくれるような味わいだったのが安心材料となった一杯でした。