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「味玉中華そば ¥850」@中華そば たかばんの写真平日 晴天 11:05 先客なし 後客2名

〝ニューオープン パトロール〟

昨日の新店めぐりよりも前にコチラの情報を知ってはいたのだが、オープン二日間限定でワンコインサービスを行っているのも重ねて知っていたので混雑を避けるために本日まで先送りにしていたのだ。そこでオープニングセールを終えた初日を狙って初訪問を決めた。

RDBのお店情報では定休日や営業時間までも不明なので若干の不安はあるが、早めの現着を目指して自宅を出た。東横線に乗ってしまえば急行で6分で最寄りの学芸大学駅に着いてしまった。そこからは南口商店街を歩いていると、お祝いの花が並んだ店先を見つけた。店先にも営業時間が記されてないが、店内では準備中の様子が見られるので定休日や臨休は免れた。午前10時半の現着となったので店頭には行列も出来てないので、商店街の陰で張り込みを開始する。

少し離れて見る店の外観の設えを見た時点で個人店ではない事を予想した。それは見覚えのあるネオン看板や、外壁を白木調に施工した店構えが思わせるのだろう。しかし同じような外観のラーメン店はいくらでもあるので、ひとまずは先入観を払拭して待機を続ける。その間にRDBで予習をしておこうと見てみるが、チェーン店や系列店の情報はなく真相は分からず謎は深まるばかりだ。せめて本日のお題だけは決めておこうと調べるとメニュー構成はシンプルで、その中には好みの中華そばもラインナップされている。そこで本日はマイスタンダードの醤油系で攻めようと決めた。

午前中の買い物客でにぎわう商店街の片隅で、何時オープンなのかも分からないままに待っていると、勝手に予想していた午前11時を過ぎたが動きがない。11時半開店なのかとガッカリしていると、11時を3分ほど過ぎて中から大きな白のれんを抱えた男性陣が出てきた。これがオープンの合図かと思ったが、店頭のネオン看板は横を向いたままで設置されていない。不安ではあったが、のれんが掛かったのならばオープンであろうと信じて扉を開けた。

すると店内から明るい女性スタッフの元気の良い挨拶が耳に届いた。これでようやく一安心して店内左手の券売機の前へと進み、内定しておいたお題を発券するとカウンターへと案内された。カウンター越しに店内を見回すと、カウンターとテーブル席や中待ちベンチまで設けてあるゆとりの空間だ。卓上にはウンチクが記されているが、これを読んだ時にある二つのラーメン店が思い浮かんだ。それは目黒の「中華そば 竹むら」と練馬の「中華そば ます田」である。外装を見た時に気が付いた個人店らしからぬ雰囲気は当たっていたようだ。しかし個人店だろうと大手資本店であろうとラーメンが美味しければ関係ないので、心を改めて調理場内を物色する。

スープ炊きの大型寸胴鍋の中にはウンチク通りの丸鶏や鶏ガラが大量に詰め込まれている。灰汁をすくう場所がないくらいに鶏ガラなどが浮かんでいるので、正直言って鶏ガラや液面は灰汁だらけなので見ていて気持ちが良いものではないのが本音だ。その横には上火式のサラマンダーも設置してあるので、何かの具材をローストするための調理機器だろうか。ラーメン店では珍しい機材も配備された店内を、本日は厨房二名とホールスタッフ二名の四人体制で回している。昼時前なのか通常営業開始の初日から客足が伸びない中で待っていると、着席して3分の早さで我が杯が到着した。やはり系列店での経験がものを言う見事な手さばきを感心しながら目の前のラーメンに見入ると、その姿は系列店と思われる他店の器とは異なる白磁の切立丼の中で盛り付けや薬味に違いを持たせた姿を見せてくれた。

まずは赤銅色のスープをひとくち。たっぷりめの鶏油が表層を覆い隠したスープにレンゲを沈めると、嗅ぎ慣れた重厚感のある鶏出汁の香りが先陣を切って上がってきた。もし香りに密度があるならば、かなり高密度な香りが脳にまで届いた。出来るだけ鶏油に影響されない出汁本来の旨みを知りたくて、レンゲですくったスープに息を吹きかけて鶏油を吹き飛ばしてみた。するとレンゲの中には油膜のない純粋なスープが残っている。その無垢なスープだけを口に含むと、オイル感のないサラリとした口当たりが舌の上に流れ込んだ。それは鶏由来の旨みがしっかりと溶け出したスープとなっているが、雑味にも思える獣臭も含んでいる。これを個性と言えば丸く収まるのだろうが、私には不要な雑味に思えた。その後ろには過度ではないが不要な旨味成分も見え隠れしている。しかしそう感じられるのはカエシが穏やかなのも一因ではある。スープの色調からは強い塩分アタックを覚悟していたが、とても優しい塩気には驚きながらも安心できた。

続いて麺上げまでジャスト60秒のストレート細麺を箸で持ち上げてみると、ハッキリとした全粒粉のフスマが麺肌に散りばめられている。低加水麺なのだろうか、すでにスープの醤油色素を吸い込んで麺肌が褐色に色づいている。決して強くは感じられないラインナップハリやコシを想像しながら一気に啜ってみると、口当たりや舌触りなどの皮膚感覚よりも真っ先に届いたのは素晴らしい小麦の香りだった。焼きたてのパンのような小麦の香りと甘みが口に広がっ所にスープの油分が重なるとバタートーストのような風味に包まれる。この感覚は系列店と思われる店では感じた事はないが、新宿三丁目を代表する人気系列店とよく似ている。スープ自体は目黒や練馬の店と同系統だが、麺に限っては見事に差別化されていると思った。箸先からは感じられなかった歯応えや歯切れの良さもあり、スープとの相性も抜群だと思えた。

具材のチャーシューは豚肩ロースの低温調理が二枚。レアチャーシューと言うよりは低温でゆっくりと火入れされた感じの仕上がりとなっている。よって生っぽい不快な食感のない安心できる低温チャーシューだ。下味のソミュール液のスパイスも利いているので薄味でも味気なさを感じない。

追加の味玉は残念ながら卵本来の持ち味の良さに頼ってばかりに思えた。漬けダレの浸透はなく白身の表面だけが色づいているだけの半熟ゆで卵と変わりない。また冷蔵保存の冷たさが残ったままでの提供方法には、スープを冷ますので理解できない。

極太メンマは手仕事感のない業務用味付けメンマに思える個性のなさを感じた。その内の一本は硬い繊維が口に残るような食感の悪さが目立ってしまった。味付けも平均的で悪くはないと思うが、メンマ特有の発酵臭を楽しむには乾燥メンマを一から手作りしたメンマでしか味わえない事を再確認した。

薬味は白ネギの角切りで系列店 (もう決めつけている)とは違ったオリジナリティを出している。スープで適度に加熱された白ネギは甘みと辛みを持ち合わせた薬味としての役割を果たしている。バラつきのある切り方は狙いではないと思うが、食感の違いもアクセントになっていた。

青みはアンチカイワレ派なのだが、これくらい大量に添えてあると辛みとしての存在感があった。スープの不要な旨味を軽減するのに役立ってくれた。

中盤からも多少の旨味過多を感じながらも麺と具材は食べ切ることが出来た。スープをコクや甘みでごまかさずに仕上げてあるのは好印象で箸とレンゲを置いた。

不快な要素がありながらも系列店よりも穏やかに最後を迎えられたのが、何よりの高評価の材料だった。もしかすれば〝またおま系〟と呼ばれる事もあるだろうが、麺選びのセンスの高さには抗う事のできない一杯でした。

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