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「煮干し中華そば ¥730+味玉 ¥100」@中華そば 蓮の華の写真平日 曇天 10:20 待ちなし 後待ち4名 後客6名

〝ニューオープン パトロール〟

九州遠征を終えて帰京して新店情報を見ていると、普段は行く事の少ないエリアにオープンした二店舗を見つけた。その二軒をまたぐ連食計画を立てるためにRDBとGoogleマップを駆使してみると、今回の移動ルートが浮かび上がってきた。

先に目指すは茨城県土浦にオープンされたばかりのコチラなのだが、現時点で情報が少ないのが不安ではあったが初訪問を決めた。11時開店前の現着を狙うために自宅を8時半に出て、半蔵門線から北千住でつくばエキスプレスに乗り換えた。1時間半近く電車に揺られて着いた駅は昨年の夏に「煮干中華ソバ イチカワ」を訪れて以来と思われる。本日も目指しているこちらへの移動手段は、つくば駅からはバスしかなく次発のバス発車を待つ。そこからは関鉄パープルバス 土浦駅西口行きにて20分で最寄りの土浦監督署ハローワーク入口バス停に着いた。その先を歩いて進むと多くの飲食店が立ち並ぶ街道沿いに白い大きな看板が目に入った。バス停からは2分ほどで店先まで来られた。その大きな看板の下にあるラーメンの写真を見て、初めて〝煮干し〟と〝背脂豚骨〟のラーメン店だと知った。どちらも得意ジャンルではないが、つけ麺専門やJ系でなかった事に安堵した。

定刻の20分前の現着となったので並びもなく先頭にて待機を始める。店先にはオープンを祝う花輪がたくさん届いており、街道沿いという事で胡蝶蘭などのお祝いよりも大きく目立つ花輪の方がアピールが強くて合っている。店頭に貼られた営業時間や注意書きの中に、昼の部と夜の部ではタイプの違うスープで営業されている旨が書かれてあった。それによると私の訪れている昼の部は煮干し系スープのようだ。夜の部の背脂豚骨系よりは耐性が増してきた煮干し系で良かったと胸をなでおろした。定刻の10分前になると店前の駐車場に車が入ってきて車内で開店を待つ客も増えてきた。そんな車が4台ほどになった時に定刻を迎えてオープンとなった。

一番手にて入店し店内左手の券売機で本日のお題を品定めするが、少ない情報量ゆえに予習不足で悩んでしまった。昼は煮干し系とは分かっていたが〝あっさり〟と〝こってり〟と更に選択を強いられる。自身の脆弱なニボ耐性をふまえた結果、あっさりのお題を発券して好物の味玉を追加した。ホールスタッフの誘導でカウンターに座り店内観察を開始する。

多くのテーブル席を設けた大箱な店内を本日は五人体制で回している。建物自体は新しくはないが、店内はキレイに改装されていて気持ちが良い。ただ客席からは厨房内が見えづらいので調理風景を眺められないのが残念だが、味覚以外の感覚を研ぎ澄まして調理作業を想像する。タイマーの音などのタイミングに耳を傾けていると、着席して13分かけた 1stロットにて我が杯が到着した。

その姿は黒塗りの角盆の上に置かれた白磁の反高台丼の中で思わぬところ美しい景色を見せている。そのお盆の上には次回来店時から利用可能の割引券も置かれていて、つけ麺かラーメンが一杯500円で食べられるとなっている。もうすでに隣の客は割引券を使っていたので集客効果は大きいと思われる。有効期限が七月末までとなっている割引券を使いたくなるようなラーメンである事を期待しながらレンゲを手にした。

まずは明るい雄黄色のスープをひとくち。表層には煮干し特有の水泡がとても少なく、魚粉などの粒子も見られない。さらには香味油の油膜も非常に薄く見るからに穏やかな液面だ。そんなスープにレンゲを射し込んでみると、軽やかな魚介出汁の香りが立ち昇った。もちろん先行してくるのは煮干しの香りだが、優しい香りだけが嗅覚を通じて脳に伝わった。不得手なジャンルの煮干し系への警戒心が弱まったところで、いざスープを口に含んでみる。レンゲを介して温度設定の低さを感じるのは残念だが、ダイレクトに旨みを感じられる。煮干しの持つ余計な苦味やエグ味を排除して、旨みを抽出するだけにポイントを絞られた煮干しの使い方がありがたい。スープの濃度や粘度をほとんど感じない、文字通りのあっさり煮干しスープだ。見た目同様に香味油もサッパリとして軽快な口当たりも飲みやすさを後押しする。カエシの塩分はハッキリとしているが、高めギリギリでとどまっている。

次に特徴的な麺を箸で持ち上げてみると、切刃のエッジが鋭く残った中細ストレート麺は麺上げまで100秒くらいだろうか。平打ち麺にも見える箸先からは、程良い加水率の重みが感じられる。そんな個性的な表情をした中細麺を一気にすすり込んでみると、滑らかな口当たりの中に切刃の角がくちびるをくすぐりながら滑り込んでくる。噛めばモッチリとしたグルテンも感じられて歯応えも素晴らしい。麺自体にも塩気が強く感じられるのでスープと絡み合いすぎると、塩分過多にもなりそうな麺質だ。しかし初動ではジャストの塩梅で食べ心地も良く〝煮干し=低加水細麺〟の公式を覆してくれる麺選びも新たな楽しみを与えてくれてありがたい。

具材のチャーシューは部位違いで二種類入っている。豚肩ロースの低温調理は、大判のまま盛り付けられているのではなく半カットされて添えてあった。それが大きく厚みにバラつきがあったのは狙いなのか偶然なのかは分からないが私には大変ラッキーな組み合わせだった。先に赤身中心の部分から食べてみると5ミリ近くに厚く切られてあり、赤身の持つ肉々しい歯応えを楽しめる。しかも下味のソミュール液のスパイスがしっかりと浸みているので噛み続けても味がボケるような事がなく素晴らしい。またスジの多い脂身中心の方は薄くスライスされてあるので、スジが口に残らずに舌触りの良さを主張している。意図してチャーシューの厚みを変えているならば、店主さんのこだわりには脱帽である。もう一つの部位の豚バラチャーシューは煮豚型でほどけるような歯触りに仕上げてある。こちらも煮汁の旨みを取り込みながら、豚バラ本来の旨みも残した仕上がりとなっていて高評価だった。

追加の味玉は下茹でが足りずに半熟よりも柔らかく黄身が形をとどめていせいで、噛んだ瞬間に黄身が流れ出してスープを汚してしまった。しかし味付けは好みに近かったので、あと半日熟成すれば黄身も完全にゲル化したのではと思ってしまった。

薬味は色彩豊かでバラエティに富んでいた。煮干し系にはマストアイテムである玉ねぎも、品種と切り方を変えた二種類が添えてあった。アッシュで添えてあるのは新玉ねぎで、軽やかな甘みを感じられる薬味となっていた。もちろん切り口の鮮度も良く舌触りも申し分なかった。もう一種類はアーリーレッドと思われる赤玉ねぎを彩り要員としても使われている。これまた切り口の潤いから見ても鮮度の良さは抜群なのが伝わってくる上に、玉ねぎ特有の刺激を表に出さない切り方に店主さんのこだわりが見られた。それは玉ねぎの繊維に沿って包丁を入れる事で辛味を抑えて歯触りの良さを引き出している。

青みはアンチカイワレ派なので色どり以外の必要性を感じなかった。さらに海苔もアンチバラ海苔派なのだが、こちらのバラ海苔には共感できた。オープン直後という事もあってか、黒々とした見た目からも鮮度の良さは明らかだった。安価なバラ海苔の劣化ほど残念なものはなく、スープに溶け出しては風味を悪くするパターンが多い中で素晴らしい磯の香りを加えてくれた。この鮮度をいつまでも保って欲しいと思った。

中盤からはスープの塩気が重なってくると多少の塩分過多を感じてしまい、スープは残してしまった。全体的に派手さはないがバランスも良いだけに、私にはカエシの分量が多すぎたようだ。あとは本日分の味玉の仕上がりも評価を下げてしまった要因だ。

高評価な部分もあっただけに消化不良な思いで店を後にしたが、再訪があるかもしれないと思い割引券をちゃんと財布にしまった一杯でした。

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