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平日 小雨 11:15 待ちなし 後客5名〝ニューオープン パトロール〟子どもたちが夏休みに入り世の中の混雑状況が平常とは少し変わりはじめた本日は、少し前にRDBの新店情報の中に見つけておいたコチラへの初訪問を試みる。ラーメンを絶った週末の生活を静岡で過ごしたが、静岡県民のソウルフードとなっている「炭焼きレストラン さわやか」の「げんこつハンバーグ」を初めて食べた。何十年も前に浜松に少しだけ暮らした事があるが、当時は存在すら知らなかったのだ。その後のメディアやSNSの影響で、静岡に行かなければ食べられないハンバーグと一躍人気店まで登りつめたようだ。数年前から存在は知っていたものの人気先行だろうと疑っていたのだが、実在に食べてみるとその異次元レベルの美味さに驚いてしまった。このままではハンバーグレビューになってしまいそうなので自粛するが、まだ食べた事のない方には是非お薦めしたいハンバーグだった。そんなラーメンから少し距離を置いた二日間のおかげで、東京に戻ってからは〝ラ熱〟が再燃している。そんな中で今月中旬に東長崎で産声を上げたコチラの11時半開店前の現着を目指して自宅を10時半過ぎに出発した。山手線と西武池袋線を乗り継ぎを必要とはするが30分ほどで最寄りの東長崎駅に着いた。本日は小雨の中での店選びを駅近に重点を置いていたので、それが遺憾なく発揮される時が来た。この駅に降り立つのは南口の商店街にあるラーメン店を訪れて以来の二度目となるが、北口方面に出るのは初めてである。北口の長い階段を下りると、池袋駅から二駅とは思えないくらいに寂しげな街並みが出迎えてくれた。するとすぐに店先の看板が目に入ってくるような駅至近の立地に佇んでいるコチラを見つけた。定刻の15分前の現着となったので店頭は半シャッター状態で、行列の並びもなく先頭にて待機を開始する。店先には立て看板や幟旗と共に写真付きのメニューもあったので、本日のお題を決めておく。その中でも一番おすすめとなっているのがマイスタンダードの醤油系と合致したので、私にとっては二日ぶりとなるラーメンだけに特製にしようと心を決めて待っていると定刻通りに半シャッターが上げられオープンとなった。一番手にて入店すると入口左手の小型券売機にて、決めておいたお題を発券してカウンターに腰を下ろして店内観察をはじめる。中待ちベンチも常設されたL字カウンターだけの店内は落ち着いた色調で統一されたシックな内装が印象的で、ご夫妻だろうかお二人で切り盛りされている。シャッター待ちこそ私だけだったがオープンと同時に後客が続々と押し寄せてきたので、すでに地元の人気を集めているようだ。順不同での自由着席だったが、開店5分を待たずにカウンターはほぼ満席となっていた。卓上のメニューにある醤油スープの説明書きには「大山どりと牛骨のスープ」とあり、新店ながらも店主さんの落ち着いた手さばきに見とれていると着席して7分で我が杯が到着した。その姿は白磁の鳴門丼の中でハイエンドメニューの特製ならでは豪華絢爛な容姿を見せつけている。盛り付けのレイアウトのセンスの良さや、具材のひとつひとつに対する店主さんの経験やこだわりが伝わってきた。しかし第一印象のイメージで想像していた景色と少し違って感じる点もあった。それはスープに牛骨を使われていると書かれてあったので勝手に洋風なビジュアルを想像していたのだが、洋風とは真逆に和テイストを思わせる表情をしていた。特製といえど品の良さを残す盛り付けの美しさに期待が高まったところでレンゲを手にした。まずは紅鬱金色のスープをひとくち。液面にはたっぷりとした香味油が厚めの油膜を張っているので、オイリーな印象を受ける。油膜の下には少し霞みがかった半濁スープが眠っているが、レンゲが油膜を破った途端に熱々の湯気に伴って美味そうな香りが立ち昇ってきた。ウンチク通りに鶏ガラ由来の重厚な香りが先行してきたスープを口に含んでみた。見た目の油量と比例したオイリーな口当たりではあるが、軽やかな香味油はシルキーにも思える。旨みとしても鶏出汁が主体となっているが牛骨の個性はあまり届いてこない。牛骨よりも魚介の風味を強く感じるのは、鰹節の厚削りや大羽イワシやサバ節のような節系の旨みが強いせいでもあるのだろうか。見た目の和テイストと、慣れ親しんだ魚介出汁の風味が見事に一致するベーシックなWスープに感じられた。カエシには濃口醤油を用いて、みりんの甘みも利かせてあるので日本人には安心感のある穏やかなスープに仕上がっている。牛骨などの個性に頼らない優しいスープをひとくち飲んだ時点で、良い意味でスープの説明書きに裏切られた。口の中では鶏油を主とした油膜で麺の受け入れ態勢が万全となった所で麺を持ち上げてみると、切刃の角を残す黄色みのある中細ストレート麺が現れた。調理場の奥には、おなじみの木製の麺箱が積まれてあるので製麺所の外注麺と思われる。箸先からはしっかりとした重みとコシの強さを感じるので、私の好みの麺のタイプを想像してしまう。茹で麺機ではテボの中で茹でられていたが、麺上げまで70秒ほどで平ザルに移し替えられて湯切りされていたのも店主さんのこだわりの一つなのだろう。その黄色みの強い麺肌には香味油がコーティングされてキラキラと輝き、その美しさに居ても立っても居られずに麺をすすり上げた。香味油が潤滑油となって勢いよく滑り込んできた麺は、中細タイプでありながらも太さを感じさせるふくよかさも持ち合わせている。噛まずともグルテンに富んだ麺質が口の中で飛び跳ねる麺を奥歯で押さえ込むと、もっちりとしたコシのある弾力が咀嚼を跳ね返してくる。その繰り返しが食べ応えとなって噛む楽しみを生んでくれて、序盤から箸のスピードが加速する。ややオイリーなスープも、この麺のすすり心地の為にあるのならば必要性を十分に感じられる。関東屈指の製麺所の中でも多くの麺の種類を取り揃える中から、この麺を選ばれた店主さんの選麺眼のセンスにも感服した。具材のチャーシューにもセンスの良さが遺憾なく発揮されていて、特製にして良かったと思える仕上がりだった。使用する部位は豚肩ロースかと思われたが、断面の大きさやスジの入り方などを見ると豚ウデ肉に近い部分と思われる。レアではないが低温調理を施されたチャーシューは、採算度外視の分厚いスライスで三枚も盛り付けられてあり見た目にも迫力は十分である。軽い箸の力では巻き込まないほどの厚切りチャーシューを頬張ってみると、赤身中心の部位ならではの豚肉本来の旨みと食べ応えが素晴らしい。また下味に使われたソミュール液のコショウなどのスパイスがしっかりと肉の中にまで浸透しているので、ロースハムのような奥深い味わいとなっている。そんな豚肉本来の持ち味と、調理技術の高さが生み出した味付けが見事に重なったチャーシューには思わず夢中になってしまった。一枚目は低温調理のロゼ色が残っている状態で楽しむと、残りの二枚は熱々のスープで加熱してから他の具材や薬味との共演を楽しんだ。この時の青ネギとの食べ合わせは忘れられない組み合わせとなった。メンマは流行りと言うよりは主流となってきた穂先メンマで仕込まれていて、醤油感を強めに打ち出した仕上がりとなっている。とは言ってもスープ自体の塩分が抑えてあるので逆に醤油の塩気がアクセントとなっていた。味玉ならぬ〝くん玉〟には文字通り燻製が施されて白身の表面には薫香が付けられているが、強烈なインパクトを与えるではなくて微かに香る程度となっている。下茹での半熟加減や温め直された提供温度は申し分ないが、どの味玉の燻製を食べる度に同じ印象が浮かんでくるのだ。それはゆで卵の持つ硫化第一鉄が放つ硫黄の匂いと燻煙に含まれる化合物が重なる事で、腐敗臭にも似た私には心地良いとは思えない不快な匂いがする点が挙げられる。今回も多分に漏れずその匂いが付きまとっていたが、薫香が控えめだったのが幸いしてスープや他の具材に移り香してなくて助かった。全体的に穏やかなラーメンの中に個性を付ける役割なのは分かるが、私の味玉への偏愛志向からは外れていて残念だった。薬味の青ネギの小口切りからは鮮度の良い証である滑りが水玉となって浮かんでいて、高級葱とかの品種を問わず質の高さが表れている。その役目は先ほど絶賛したチャーシューとの共演では見事な存在感を示し、スープの中では軽やかながらもシャキッとした食感がアクセントを加えてくれた。全体を通しても青ネギの持つ香りが常に厚みを与えているので名脇役的な存在だった。大判で二枚も添えてある海苔だったが、香りも少なく口溶けもあまり良くはなかったので存在感は乏しかった。また和テイストを表現している花麩も添えてあり、彩りは鮮やかではあるが季節感には欠けた花麩にも思えた。中盤からも店主さんのこだわりに溢れたラーメンを食べ進める事ができ、くん玉以外は美味しく平らげた。食べ終えて席を立つ時も外待ちこそ出来てないが次々と後客が来店して来るのを見ると、老若男女を問わない味わいのラーメンが受け入れられていると感じた一杯でした。
〝ニューオープン パトロール〟
子どもたちが夏休みに入り世の中の混雑状況が平常とは少し変わりはじめた本日は、少し前にRDBの新店情報の中に見つけておいたコチラへの初訪問を試みる。
ラーメンを絶った週末の生活を静岡で過ごしたが、静岡県民のソウルフードとなっている「炭焼きレストラン さわやか」の「げんこつハンバーグ」を初めて食べた。何十年も前に浜松に少しだけ暮らした事があるが、当時は存在すら知らなかったのだ。その後のメディアやSNSの影響で、静岡に行かなければ食べられないハンバーグと一躍人気店まで登りつめたようだ。数年前から存在は知っていたものの人気先行だろうと疑っていたのだが、実在に食べてみるとその異次元レベルの美味さに驚いてしまった。このままではハンバーグレビューになってしまいそうなので自粛するが、まだ食べた事のない方には是非お薦めしたいハンバーグだった。
そんなラーメンから少し距離を置いた二日間のおかげで、東京に戻ってからは〝ラ熱〟が再燃している。そんな中で今月中旬に東長崎で産声を上げたコチラの11時半開店前の現着を目指して自宅を10時半過ぎに出発した。山手線と西武池袋線を乗り継ぎを必要とはするが30分ほどで最寄りの東長崎駅に着いた。本日は小雨の中での店選びを駅近に重点を置いていたので、それが遺憾なく発揮される時が来た。
この駅に降り立つのは南口の商店街にあるラーメン店を訪れて以来の二度目となるが、北口方面に出るのは初めてである。北口の長い階段を下りると、池袋駅から二駅とは思えないくらいに寂しげな街並みが出迎えてくれた。するとすぐに店先の看板が目に入ってくるような駅至近の立地に佇んでいるコチラを見つけた。定刻の15分前の現着となったので店頭は半シャッター状態で、行列の並びもなく先頭にて待機を開始する。店先には立て看板や幟旗と共に写真付きのメニューもあったので、本日のお題を決めておく。その中でも一番おすすめとなっているのがマイスタンダードの醤油系と合致したので、私にとっては二日ぶりとなるラーメンだけに特製にしようと心を決めて待っていると定刻通りに半シャッターが上げられオープンとなった。
一番手にて入店すると入口左手の小型券売機にて、決めておいたお題を発券してカウンターに腰を下ろして店内観察をはじめる。中待ちベンチも常設されたL字カウンターだけの店内は落ち着いた色調で統一されたシックな内装が印象的で、ご夫妻だろうかお二人で切り盛りされている。シャッター待ちこそ私だけだったがオープンと同時に後客が続々と押し寄せてきたので、すでに地元の人気を集めているようだ。順不同での自由着席だったが、開店5分を待たずにカウンターはほぼ満席となっていた。卓上のメニューにある醤油スープの説明書きには「大山どりと牛骨のスープ」とあり、新店ながらも店主さんの落ち着いた手さばきに見とれていると着席して7分で我が杯が到着した。
その姿は白磁の鳴門丼の中でハイエンドメニューの特製ならでは豪華絢爛な容姿を見せつけている。盛り付けのレイアウトのセンスの良さや、具材のひとつひとつに対する店主さんの経験やこだわりが伝わってきた。しかし第一印象のイメージで想像していた景色と少し違って感じる点もあった。それはスープに牛骨を使われていると書かれてあったので勝手に洋風なビジュアルを想像していたのだが、洋風とは真逆に和テイストを思わせる表情をしていた。特製といえど品の良さを残す盛り付けの美しさに期待が高まったところでレンゲを手にした。
まずは紅鬱金色のスープをひとくち。液面にはたっぷりとした香味油が厚めの油膜を張っているので、オイリーな印象を受ける。油膜の下には少し霞みがかった半濁スープが眠っているが、レンゲが油膜を破った途端に熱々の湯気に伴って美味そうな香りが立ち昇ってきた。ウンチク通りに鶏ガラ由来の重厚な香りが先行してきたスープを口に含んでみた。見た目の油量と比例したオイリーな口当たりではあるが、軽やかな香味油はシルキーにも思える。旨みとしても鶏出汁が主体となっているが牛骨の個性はあまり届いてこない。牛骨よりも魚介の風味を強く感じるのは、鰹節の厚削りや大羽イワシやサバ節のような節系の旨みが強いせいでもあるのだろうか。見た目の和テイストと、慣れ親しんだ魚介出汁の風味が見事に一致するベーシックなWスープに感じられた。カエシには濃口醤油を用いて、みりんの甘みも利かせてあるので日本人には安心感のある穏やかなスープに仕上がっている。牛骨などの個性に頼らない優しいスープをひとくち飲んだ時点で、良い意味でスープの説明書きに裏切られた。
口の中では鶏油を主とした油膜で麺の受け入れ態勢が万全となった所で麺を持ち上げてみると、切刃の角を残す黄色みのある中細ストレート麺が現れた。調理場の奥には、おなじみの木製の麺箱が積まれてあるので製麺所の外注麺と思われる。箸先からはしっかりとした重みとコシの強さを感じるので、私の好みの麺のタイプを想像してしまう。茹で麺機ではテボの中で茹でられていたが、麺上げまで70秒ほどで平ザルに移し替えられて湯切りされていたのも店主さんのこだわりの一つなのだろう。その黄色みの強い麺肌には香味油がコーティングされてキラキラと輝き、その美しさに居ても立っても居られずに麺をすすり上げた。香味油が潤滑油となって勢いよく滑り込んできた麺は、中細タイプでありながらも太さを感じさせるふくよかさも持ち合わせている。噛まずともグルテンに富んだ麺質が口の中で飛び跳ねる麺を奥歯で押さえ込むと、もっちりとしたコシのある弾力が咀嚼を跳ね返してくる。その繰り返しが食べ応えとなって噛む楽しみを生んでくれて、序盤から箸のスピードが加速する。ややオイリーなスープも、この麺のすすり心地の為にあるのならば必要性を十分に感じられる。関東屈指の製麺所の中でも多くの麺の種類を取り揃える中から、この麺を選ばれた店主さんの選麺眼のセンスにも感服した。
具材のチャーシューにもセンスの良さが遺憾なく発揮されていて、特製にして良かったと思える仕上がりだった。使用する部位は豚肩ロースかと思われたが、断面の大きさやスジの入り方などを見ると豚ウデ肉に近い部分と思われる。レアではないが低温調理を施されたチャーシューは、採算度外視の分厚いスライスで三枚も盛り付けられてあり見た目にも迫力は十分である。軽い箸の力では巻き込まないほどの厚切りチャーシューを頬張ってみると、赤身中心の部位ならではの豚肉本来の旨みと食べ応えが素晴らしい。また下味に使われたソミュール液のコショウなどのスパイスがしっかりと肉の中にまで浸透しているので、ロースハムのような奥深い味わいとなっている。そんな豚肉本来の持ち味と、調理技術の高さが生み出した味付けが見事に重なったチャーシューには思わず夢中になってしまった。一枚目は低温調理のロゼ色が残っている状態で楽しむと、残りの二枚は熱々のスープで加熱してから他の具材や薬味との共演を楽しんだ。この時の青ネギとの食べ合わせは忘れられない組み合わせとなった。
メンマは流行りと言うよりは主流となってきた穂先メンマで仕込まれていて、醤油感を強めに打ち出した仕上がりとなっている。とは言ってもスープ自体の塩分が抑えてあるので逆に醤油の塩気がアクセントとなっていた。
味玉ならぬ〝くん玉〟には文字通り燻製が施されて白身の表面には薫香が付けられているが、強烈なインパクトを与えるではなくて微かに香る程度となっている。下茹での半熟加減や温め直された提供温度は申し分ないが、どの味玉の燻製を食べる度に同じ印象が浮かんでくるのだ。それはゆで卵の持つ硫化第一鉄が放つ硫黄の匂いと燻煙に含まれる化合物が重なる事で、腐敗臭にも似た私には心地良いとは思えない不快な匂いがする点が挙げられる。今回も多分に漏れずその匂いが付きまとっていたが、薫香が控えめだったのが幸いしてスープや他の具材に移り香してなくて助かった。全体的に穏やかなラーメンの中に個性を付ける役割なのは分かるが、私の味玉への偏愛志向からは外れていて残念だった。
薬味の青ネギの小口切りからは鮮度の良い証である滑りが水玉となって浮かんでいて、高級葱とかの品種を問わず質の高さが表れている。その役目は先ほど絶賛したチャーシューとの共演では見事な存在感を示し、スープの中では軽やかながらもシャキッとした食感がアクセントを加えてくれた。全体を通しても青ネギの持つ香りが常に厚みを与えているので名脇役的な存在だった。
大判で二枚も添えてある海苔だったが、香りも少なく口溶けもあまり良くはなかったので存在感は乏しかった。また和テイストを表現している花麩も添えてあり、彩りは鮮やかではあるが季節感には欠けた花麩にも思えた。
中盤からも店主さんのこだわりに溢れたラーメンを食べ進める事ができ、くん玉以外は美味しく平らげた。
食べ終えて席を立つ時も外待ちこそ出来てないが次々と後客が来店して来るのを見ると、老若男女を問わない味わいのラーメンが受け入れられていると感じた一杯でした。