なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 

「味玉ラーメン (太麺) ¥850」@ラーメン長山の写真土曜日 晴天 11:30 先客11名 後客3名

〝教えて 赤ピン先生!〟

鶯谷の老舗サウナで風呂上がりの生ビールを飲みながら、RDBで候補の店を探していた。関東近郊の新店めぐりも一段落したので、今回は他の方法での店探しをする事にした。それがラーメンマップの赤ピンを頼りに、初訪問先を決める事である。

そこで今回は現在地の鶯谷周辺の赤ピン店を調べてみると、真っ先に挙がってきたのがこちらだった。お店情報によると鶯谷のサウナから歩いて数分のようなので、昼時のピークを迎える前に店を目指した。

大通りから鶯谷駅に向かう途中のディープな一角に、大きな赤い看板を掲げた店先が見えてきた。すでに営業中だったが行列はなく、店内にも空席がいくつか見られた。浅草開花楼の麺箱や白提灯が揺れる店頭からも、年季の入った独特のオーラが漂っている。そんな威圧感に、少し尻込みしながら赤のれんをくぐった。

店内に入ると入口左手に設置された券売機の最上段を飾っている標題を発券して、案内されたカウンターに陣取った。そこから店内を物色すると、不思議な味わいのある雰囲気が街のイメージとマッチする。本日の客層の中には、地元の男性客に交じって赤ちゃんを背負ったママもいた。そんな店内を二人体制で回している厨房内に目をやると、中華レンジと中華鍋が配置された味噌ラーメン屋のような設備となっている。その横では大型の寸胴鍋でスープが炊かれているが、絶えず水を足しながら手漕ぎボートのオールのような木ベラで材料を潰している。力強いスープ炊きの工程を見て、かなりの濃縮系スープを予想した。そうこうしていると、着席して6分で我が杯が到着した。

その姿は黒釉薬の鳴門丼の中で、見た目には単色系の穏やかそうな表情を浮かべている。淡い色合いのグラデーションが、優しく出迎えてくれたように感じながらレンゲを手にとった。

まずはスープをひとくち。完全に乳化を果たした液面には、わずかだがカプチーノ状の水泡が浮かんで見える。初見では、多少のザラつきを思わせながらレンゲをスープに沈めてみた。すると、立ち昇る湯気からは熱さは感じるが、動物系スープ特有の獣臭さは感じない。見た目と香りのギャップに戸惑いながらスープを口に含んでみると、まったりとした口当たりでザラつきを全く感じさせない。大量の豚ガラや鶏ガラを潰して炊いたスープとは思えないくらいに滑らかである。よほど丁寧に濾された証が、スープの舌触りとなって表れている。旨みの面では甲殻類を潰したような香味が先行してくるが、二口目からは不自然な旨味成分が支配してきた。鶏モミジのコラーゲンが唇に張り付くような濃厚さがあるだけに、旨味の補填が残念で仕方ない。合わせたカエシも高いので、旨味と塩気の〝魔のスパイラル〟を生んで先が思いやられる。スープ単体を諦めてレンゲを箸に持ち替えた。

麺は太麺と細麺の二択だったが、店の雰囲気から太麺を選んだのだ。茹で時間はジャスト300秒の麺上げ工程を見ていて感心した点がある。それは常にテボの中の麺の対流を気にして、何度も菜箸でかき混ぜていた事だ。太麺を扱う店で幾度となく、癒着して束になった麺を食べさせられた苦い経験があるので、その作業を見ただけで随分と安心できた。そんな丁寧な仕事で麺上げされた太麺を持ち上げてみると、ちぢれが少しだけ波打った短めの麺が現れた。箸先には黄色みを帯びた15センチほどに切り出しされた太麺が、ずっしりと重たく加水率の高さをアピールしてくる。太さと重みは感じるがハリの強さの手応えはなく、どちらかと言えば柔らかそうにも思えた。そんな太麺を一気にすすり上げると、麺の短さゆえに勢いよく飛び込んできた。何よりも驚くのは麺の温度の熱さで、スープよりも熱いと感じる口当たりだ。茹で時間が長いので麺肌にはグルテンが溶け出しており、滑らかさを生み出している。ハリはないがコシがないわけでもなく、太麺として過度な歯応えを主張しないバランス型に思えた。

具材のチャーシューは豚バラの煮豚が二枚入りで、長めのサイズが特徴的だ。箸だけでは掴めない程に柔らかくて作られてあり、レンゲを併用して取り出してみた。赤身の多い部位だったので苦手は油っぽさはないが、薄味仕立てなので豚肉本来の質の悪さが臭いとなって出てしまっていた。本来ならばスープの旨味がカバーしてくれるのだろうが、スープを諦めた私にとっては共に口にする事はなかった。

板メンマも薄味で滑らかさが持ち味となり、食感の面ではアクセントとなってくれた。しかし味付け自体がよくあるタイプに思え、業務用品のように感じてしまった。

追加した味玉は、即席仕上げでは表現できない熟成度合を見せている。しっかりと黄身の中心にまで漬けダレが浸透しているのが、ゲル化した黄身を見れば一目瞭然である。それでいて味付けは控えめで、卵本来の旨みも残してある。これで提供温度が冷たくなければ、旨みをもっと味わえただろうと思った。

大判で添えられた海苔は、業務用のラーメン海苔ではなく専門店から仕入れた伊勢志摩産の海苔を目利きされていた。さすがに風味あり、口溶けも良かった。

薬味の白ネギは熱々のスープで加熱されて甘みが生まれ、舌触りの粗さも感じない。やや大きめに小口切りされたサイズが、功を奏していたようだ。

中盤からも麺質は衰える事なく食べ進められたが、スープの旨味に疲れを感じてレンゲを置いてしまった。

スープは全て残して席を立ったが、周囲には餃子とライスと共にラーメンを楽しんでいる方が多かった。中でも味噌ラーメンが人気のようで、半数以上の客がオーダーしていた。今回は私には合わなかったが、パワフルな鶯谷の底力を感じた一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

まだコメントがありません。