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日曜の正午、足は自然と王子の地に根を張る名店「かいらく」へと向いていた。九十余年の歳月を刻み続けてきたその暖簾を潜ろうとするも、店内は満ち足りた熱気に溢れ(満席)、暫しの店外待機を余儀なくされる。しかし、その待機中に注文を聴取されるという、淀みのない接客の妙に、老舗としての矜持を感じずにはいられなかった。案内されたカウンター席。両隣には、この店を長年支えてきたであろう「人生の先達」たちが鎮座している。驚くべきは、奇しくもその場にいた私をふくむ三名全員が、図らずも同じ「もやしわんたんめん」を所望していたことだ。三杯の丼が同時に供される光景は、まさに必然が生んだ「三位一体」のランデブーであった。もやしわんたんめん(1000円)炊き込み飯(200円)ラードの芳醇な薫りを纏い、高温で煽られたであろうもやし。その香ばしさが鶏ガラを主軸とした清澄なスープに溶け出し、抗い難い深みを生み出している。蓮華を運ぶ手が止まらない、正に「魔性」の味わいである。薄衣を纏った肉入りの「わんたん」は、舌の上で滑らかに踊り、喉を通り抜ける感触は白眉の一言。麺の質、そして全体の分量に至るまで、一切の妥協を許さぬ完成度。最後の一滴まで驚嘆を禁じ得ないスープを前に、完飲したいという本能的な欲求を理性で制するのは、至難の業であった。九十年の長きに渡り、この圧倒的な品質と人気を維持し続けることの難しさは想像に難くない。再訪の決意を胸に、深謝しつつ店を辞した。
九十余年の歳月を刻み続けてきたその暖簾を潜ろうとするも、店内は満ち足りた熱気に溢れ(満席)、暫しの店外待機を余儀なくされる。
しかし、その待機中に注文を聴取されるという、淀みのない接客の妙に、老舗としての矜持を感じずにはいられなかった。
案内されたカウンター席。両隣には、この店を長年支えてきたであろう「人生の先達」たちが鎮座している。驚くべきは、奇しくもその場にいた私をふくむ三名全員が、図らずも同じ「もやしわんたんめん」を所望していたことだ。三杯の丼が同時に供される光景は、まさに必然が生んだ「三位一体」のランデブーであった。
もやしわんたんめん(1000円)
炊き込み飯(200円)
ラードの芳醇な薫りを纏い、高温で煽られたであろうもやし。その香ばしさが鶏ガラを主軸とした清澄なスープに溶け出し、抗い難い深みを生み出している。蓮華を運ぶ手が止まらない、正に「魔性」の味わいである。
薄衣を纏った肉入りの「わんたん」は、舌の上で滑らかに踊り、喉を通り抜ける感触は白眉の一言。
麺の質、そして全体の分量に至るまで、一切の妥協を許さぬ完成度。最後の一滴まで驚嘆を禁じ得ないスープを前に、完飲したいという本能的な欲求を理性で制するのは、至難の業であった。
九十年の長きに渡り、この圧倒的な品質と人気を維持し続けることの難しさは想像に難くない。
再訪の決意を胸に、深謝しつつ店を辞した。