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「叉焼麺」@日本橋よし町の写真 いわゆる人形町系の大勝軒、私は三越前のお店しか食べたことありませんが……それも随分と前のこと。その人形町系の総本店で料理長をされていた方が、銀座8丁目に店を出したとか。早速訪店(17日)。
 お店は、8丁目と言っても外堀通りのすぐ近く、ビルの地下1階なのですが……目に付く看板もなければ、のぼりもない。地下階段への入口に、店のマークと小さな品書きが飾られるだけ、あとは床にチョコンと営業中の札。銀座では、こういうスタイルの寿司屋なんかは、結構高い……ま、そんな店は品書きなんか出しませんが。
 階段を下りると、口上が大きく掲示されており、人形町系の「正統直系」を主張されております。店内は真っ白な壁に白木の内装、青竹をフィーチャーしながら作家・作品名つきの陶板が飾られて……8丁目にふさわしい高級感、相当気合いが入っています。注文は、筆頭メニューの「叉焼麺」(1,100円)。約6分後、九谷焼のような鮮やかな、しかし、小さな小さな丼が、お盆に載せられシズシズと運ばれます。
 では、スープを一口……なんともまぁ、「透明感」溢れる味わい。ベース・スープは、香味野菜の透き通るような甘さを、フワリと昆布の旨みが包み込み、鶏ガラの旨みが、こだまの様に遠く響くような……「静けさ」すら感じさせる、実に穏やかな味わい。かつて三越前で同系統を食べた時は、生姜が効いていたような気がしますが……記憶違いかと思うほど、弱いタッチ。カエシも、「透明感」との調和を意識した効かせ方。
 麺は、丸麺の細ストレート。しなやかにして柔らかめのゆで加減で、ノスタルジックなすすり心地、風味も「筋金入り」の上品さで、スープとの相性も完璧。具材は、チャーシュー5枚と、メンマ、ネギ。チャーシューは、表面の食紅も美しく、味付けはほとんどなしで、肉の淡白な甘みをシンプルに伝える一品。メンマも独特の香り高さで、しなやかさと「コリッ」と感が絶妙なバランス。
 ―――バブル前後の頃までかしら……8丁目界隈にはまだ、「戦前派」の方が通う店がありました。ややセピア色がかった照明に、昭和30年代と思われる質素な内装、ごく小さな音で謡曲が流され、水商売的な着くずしとは無縁な和服の着こなしで、無言のままたたずむ女将さん。お香の香りがたちこめて……ただひたすら、静かな時間が流れるという。つまり、「特定の客層」に対する、「特定のサービス」を提供しながら、逞しく生き残るタイプの店。この店には、そんな「空気」を感じますが……ま、この8丁目なら、「アリ」なのかも。ただし、団塊の世代もリタイアし、銀座に通うことも少なくなった今日この頃、カネを出しても「昭和中期」を求める客がどの程度いるか、ちょっと不安でもありますな。

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