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2023年1月12日の大崎裕史の今日の一杯

神奈川県横浜市港北区新横浜

鍋焼きラーメン

あの銘店をもう一度"銘店シリーズ"の第10弾は、高知・須崎の「谷口食堂」。
2013年に出店していた店が10年ぶりに登場。
地元のプロジェクトで復活したお店をラ博が誘致したお店で出店後はまた“幻”に。
現在、高知市に存在する「鍋焼きラーメン 谷口食堂」は、別の店なのでご注意を。

出店期間は、2023年1月10日(火)~2023年1月30日(月)。
ラーメンデータバンク調べでは、こんな特徴があります。(ラ博情報を参考にした)
1,ご当地ラーメンの中では一番熱々。(97.1度)
2,ご当地ラーメンの中で、味付けは意外とシンプル。(居酒屋やお好み焼き屋、スナックでも提供している。)
3,ご当地ラーメンの中では、意外と行きにくい。(高知まで飛行機、高知から車で約1時間(うち高速利用30分)、電車だと特急で40数分、普通列車だと1時間20−30分、ただしどちらも本数が少ない。)
4,親鶏の鶏ガラ醤油ベース、細麺ストレート固め。
5,具に生卵とちくわが載るのが個性的
6,器が土鍋なのでラーメンイベントでは出せない。(食べられる機会が少ない)
7,味濃いめのタクワンが出てくる。
食べたのは、鍋焼きラーメン850円+ちくわマシ150円。
素朴でおいしいです。
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私が須崎に行ったのはもう20年以上前のこと。
まだ高知から直通の高速道路が通ってなかったので(全線開通は2009年)苦労して行った記憶がある。わざわざ時間をかけて行ったのだが、まだ当時はそんなに話題になっていなかった。
しかし、全国の「ご当地ラーメン」制覇を目論んでいた私には是が非でも行く必要があったのだ(笑)。今から思えば、この時に行ってなかったら、いまだに行けてないかもしれない。

鍋焼きラーメンを食べたのは3軒。
特徴は鶏ガラスープの醤油ラーメンを土鍋で提供するというもの。
具はネギ、ちくわ、生卵。シンプルだが「ちくわ」の存在が面白かった。また、土鍋で熱々提供となると細麺だと弱いのでは?と思いがちだが、そこは土鍋で提供するという前提で麺の研究が行われ、細麺なのに伸びにくい麺というのも大きな特徴。
逆にそういった特徴を踏まえていれば、ラーメン店以外のどんなお店でも提供可能で、スナックだったり喫茶店、焼肉屋、お好み焼き屋など、あちこちで提供されており、不思議な「ご当地ラーメン」だなぁ〜と感心したものだ。まさに“町ぐるみ”の「ご当地ラーメン」という感じで素晴らしかった。
こういう例は全国でも珍しいと思う。そもそもが「谷口食堂」という大きな存在があり、しかもそこが閉店したことによって、逆に「あの味を復活させよう!」という動きが「須崎鍋焼きラーメン」のムーブメントになるのだから、面白い。

そしてまたそれが「ご当地ラーメン」ができあがる見本みたいな形で、20〜30年を俯瞰してみてみると興味深い。ラーメン好き以外に『観光』を生業にしている人達の参考にもなる。そしてそういう成り立ちの「ご当地ラーメン」がラー博に登場したのにも驚いた。
もちろん「全国のラーメン文化の紹介」という視点で見ると世界中の人に紹介してもおかしくない。そんな「鍋焼きラーメン」が10年ぶりに復活。

須崎まで行くのはなかなか大変なので、まずはこの3週間(2023年1月10日(火)~2023年1月30日(月))の期間中に新横浜へ行くことをオススメしたい。

お店データ

谷口食堂 新横浜ラーメン博物館店

谷口食堂 新横浜ラーメン博物館店

神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21(新横浜)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。