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「チャーシュー麺 ¥1150+味玉 ¥100」@八雲の写真平日 薄曇り 12:40 外待ち1名 中待ち7名

最近は二度ほど不遇の売切れに当たってしまい残念な気持ちのまま成り行きで入ったラーメン店で更に残念な思いをするのという悪循環にはまってしまっていた。その経験を糧に開店前の訪問を昨夜から目論んでいたがまさかの寝坊。他の店にすることも考えたがそろそろ味覚リセットをしないと行く先が不安なので行列覚悟で自宅を出る。

アクセスが良いので10分程度で辿り着いたが行列はどうか。商店街の角を曲がり店先に目をやる。外待ちは幸運な事にひとりだけだ。雨でもない限り奇跡に近い。しかも店内には空席もあり準備待ちのようだ。外待ちすることなく券売機の前へ。並びながら作戦を立てようとノープランだったが未食のタイトルのチャーシュー麺に決める。スープは黒だしにすることは昨夜から決めていた。

待ち席に腰を落とし店内を眺める。本日の客層もバラエティに富んでおりシニアのご夫妻や子供づれのマダム。アパレル関連っぽい若者たちにおひとり様外国人。ゆったりと配置されたカウンターは贅沢な空間の使い方で天井も高く開放感がある。もちろん清掃も行き届いている。

3,4杯のロットを重ねるオペレーションで滞る事なく行列が前に進むのもこちらの利点だ。15分ほど待っただろうかカウンターに案内される。お隣のご夫妻は黒だしと白だしを仲睦まじくシェアされている。目の前の外国人は箸の使い方が上手で麺をズズッと啜っているのには驚いた。日本の麺類は舌より先に唇で感じることを知っているかのようだ。しかも熱々のワンタンをひとくちで頬張り顔を歪める姿にはラーメン愛を感じて嬉しかった。

そんな事を思っているうちに着席後7分ほどで待望のラーメンが到着。初対面となるチャーシュー麺だが何故か見馴れた景色に思えた。デフォルトのラーメンより焼豚はもちろん多いが上品な盛り付けで美しい。黒だしとあるがスープは清く澄んでおり粒子の細かい香味油がキラキラと輝く。

ここからはラーメンに集中して輝くスープをレンゲでひとくち。あぁ、うまい。五味のバランスが良く鷄などの動物性の甘みと鰹節からの酸味、煮干しからは苦味を得て青ねぎや焼豚の香辛料からは微かな辛味を。それを醤油ダレの塩味がまとめ上げる構成のスープ。良い意味で何も特出しない丸みを帯びた旨みがある。スープひとくちだけで寝起き間際の寝ぼけた身体の細胞が目を覚まし味覚までも研ぎ澄まされていく感覚がある。

麺は軽くウェーブした中細ストレート麺は箸で触れるだけでしっかりとした骨格が分かる。ベストタイミングの一歩手前で引き上げられた麺は丼の中で時間の経過と共に表情を変えていく。始めはツルツルした歯触りとパツンとした歯応えを。中盤は溶け出す小麦の甘みと香りを楽しみ、最後には溶け出したグルテンの隙間が存分にスープを吸って麺と相まった一体感ある旨さを楽しむ。

具材の主役だが本日はもちろん焼豚だ。こちらの特徴でもある広東式叉焼は豚ロース肉の素材の良さもさる事ながら五香粉などの香辛料の加減や甘さ控えめの蜜ダレで焼き上げる手間のかかる工程を経てあり手仕事感が伝わってくる大好きな一品なのだ。その上、本日の私に切り与えられた部位は皮目に近い脂身の部分はしっとりとして獣臭さや脂っぽさは全くない。筋肉質の部分もしっとりとしてながらも肉々しさを残し厚切りではないのに歯応えがある。もちろん味付けはスープや麺の邪魔をしない薄味。煮豚のように旨みが逃げ出す事なく凝縮されているのも良い。チャーシュー麺にすると部位によるムラがあるが本日の私は大当たりだった。

追加した味玉は黄身が大きな卵が使われており味付けも味を足すと言うよりは卵本来の旨みを浸透圧により引き出す事に重きが置かれているようだ。熟成された塩気が黄身の甘さを生む。極太メンマも竹の表皮側の固い部分が全く無く噛み切ると口の中で繊維がほどけていく。細メンマのファンだが今日のは素晴らしい。

安価で粗悪な海苔なら入ってない方がいいと常日頃思っているのだがこちらの海苔には毎回関心させられる。粗悪品はスープに香りが溶け出して邪魔をするが、黒々としたこちらの海苔は磯の香りを内に秘め口に入った瞬間に香りが爆発する。スープには溶けないが口溶けは良いという説明しようの無い上質な海苔だ。切り口の大きさから九条ねぎかと思うが丁寧に細く切られ他店のように蛇腹状につながった雑な仕事ぶりは見えずシャキッとした食感と香りがアクセントとなり箸の歩みを止めない。

やはり大満足で安定の一杯だった。食べ終える頃でも行列は止むことなく続く。やはり子供から年配層まで老若男女問わずである。奇をてらったものではなくシンプルな旨みのラーメンが復権している事を個人的にも嬉しく思い今後とも誰からも愛されるラーメンに出会えることを期待して箸を置いた一杯でした。

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