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「醤油らーめん ¥750+半味玉 ¥50」@とものもとの写真日曜日 晴天 10:55 先待ち1名 後待ち8名

本日はどんなラーメンに出会えるのか楽しみで目が覚めた。普段より早く目覚めたので課題店の中から捜索を開始する。時間にも余裕があり自宅から一時間半圏内を目安に埼玉、千葉辺りから物色する。日頃の行動範囲からは少し外れるため土地勘もなく乗り換えなどに些かの不安はあるが天気も良いのでとりあえずは店探し。

ブックマークしている店から日曜営業で探すと数件に絞られた。その中でもさっぱりと清湯醤油系に見えるこちらが気になり初訪問を決定。ナビ案内で調べても乗り間違えしなければ一時間ほどで到着できそうである。開店30分前を目指して意気揚々と玄関を出る。

その気持ちもすぐに意気消沈に変わった。スタートからホームを間違え反対方向の電車に乗ってしまった。しかも特急だったため次の停車駅はふたつも向こうの駅だ。慌てて引き返したが15分ロス。このまま上手く乗り換えられても開店時間ギリギリだ。慣れない路線は怖い。最終的には京成線に乗るのだが成田空港に行く以外に利用することがなく快速や特急の区別もままならないだがナビの指示通りに数回乗り継いでなんとか東中山駅に流れ着いた。

当初の到着予定時刻をかなり過ぎてしまい間もなく開店時間だが駅の改札からはかなり近いようだ。気持ち的には中山という場所柄もありゲート入りした競走馬のようでゲートが開いたら出ムチを打ってスタートダッシュを決めたいと思った。改札を抜けてスタートダッシュを決めたが店への案内看板などあるわけもなく賑やかとは言えない駅前の小道を逆走してしまった。競走馬なら審議の対象ものだ。

たび重なるミスが到着時間を遅らせたが店先に並ぶ人は一人だけ。何も無かったかのように涼しい顔で二番手をキープする。定刻になり店内から暖簾が出てきた。物干し竿に洗濯バサミで留められた姿がなんとも言えず愛らしい。優しい気持ちで店内の券売機の前に。

オーダーは電車内でたっぷりと時間があったので決まっていた。デフォルト醤油に味玉狙いだったがボタンには半味玉とある。もしやデフォで入っているのかと思ったが念のために半味玉を追加する。

こじんまりとしたカウンターに待ち席が数席と決して広くはなくカウンター幅も狭いのだが窮屈に感じることはなく快適な店内。二人体制でお二人とも目配りが行き届きここまで一貫して穏やかな雰囲気。店内には有名ラーメン店でよく見かける〝あきらめねぇよ‼︎〟と書かれた黒地のタオルが飾られてある。発祥は湯河原にある超人気店らしいがいつかはそちらへも遠征してみたいものだ。

冷やし系の注文も多く作業工程が多く大変そうだ。順番によってはワンロット一杯ずつの提供となり回転率は良くないが時間のある私には一杯入魂を感じてうれしい。ラーメンの到着を待つ間に周囲のお客さんに目を向けると明らかに地元の方の比率が高い。それも家族づれや近所のご夫妻で地元に愛されているのが店の方とのやりとりで伝わってくる。和やかな場所が近所にある事をうらやましく思っていると我が杯がカウンターの上に置かれ私はそれを受け取る。

目の前に現れた姿はシンプルな白磁の浅高台丼に配置のバランスが良く美しい盛り付け。大きな粒子の鷄油が鏡面のように光を映す。懐かしさのあるレトロな色合いなのに古臭く見えないのは低温焼豚があるからだろうか。

光を反射する鷄油の下に隠れている鹿毛色のスープをひとくち。まずは丸鷄の円みのある甘みが鹿毛の名馬ツインターボのごとき大逃げを打つ。その大逃げから離されないように鰹や昆布の魚介系の出汁の旨みが競り合って大逃げに並ぼうとする。これまた鹿毛の大逃げの名馬メジロパーマーのようである。実際のG1では実現しなかった逃げ馬の名勝負がこの鹿毛色のスープの中で繰り広げられる。その他の旨みを10馬身以上引き離す逃げっぷりだ。

麺は最近あまり見かけなくなった気がする本格的なちぢれ麺で固めの茹で具合からゴワッとするがしっかりと噛むとグルテンが潰れ小麦の甘さが湧いてくる。固めのちぢれ麺は私の意のままにならない動きをしてくる。箸で持ち上げると縮れて絡んだ麺が勢いよく外れスープを撒き散らす。紙エプロンをするか、すすらないように口に運ぶ手段しかない暴れ麺。しかしその事を店側が考慮してかカウンターの高さがかなり高めに設計されている。この高さなら丼と口の距離が近くスープの飛び散りを最低限に抑えられる。きっと子供達にも食べやすい高さだろう。これも地元で愛される理由かも知れない。麺のゴワつきは時間経過と共に解消されると信じ具材を先に楽しむ。

大判な豚肩ロースの低温焼豚の下には中厚切の鷄ムネの低温調理が一枚。スープによる加熱を防ぐため肩ロースを陸上げし先に鷄ムネからいただく。しっとりとして臭みもなく中厚切なので肉質の繊維も感じられる。淡白な部位なのだが外側にはしっかりと香辛料が練り込まれてあり食べ飽きない隠れスパイシー。代わって肩ロースの方はさらに淡味で漬け込みの弱さが目立った。

デフォルトでも半分入っている味玉は茹で過ぎに思えたが白身のうまさから良質なのは明らかだが黄身の旨みは出ていなかった。かなり細めに割かれた穂先メンマは薄味な分、竹のエグ味が少し残っていたが歯応えがあるが筋張ってはなく麺との相性にも優れている。

青みは茹でた小松菜で他店の倍は入っていた。なので最初から最後まで麺に寄り添う名コンビだ。刻み白ねぎも繊細な仕事で脇役に徹する。海苔は最高級品ではないが良品で磯の香りを添える。

後半はスープを吸ってこなれた麺を一気にすするつもりだったがあまりの早食いのため麺に変化が見えないままに食べ終えてしまった。やはりこれも早食いの影響だろうか席を立ち帰りの駅に向かう途中で口の中の変化に気が付いた。熱いスープと麺を食べている時には感じなかった貝類の旨みがじわりと追ってきた。確かに鷄主体の旨みと乾物系魚介の旨みに圧倒されていたがその後方で貝類のコハク酸の旨みとミネラルを含む塩気が虎視眈々とチャンスを狙っていたのだ。まさに90年代を代表する名牝ヒシアマゾンのようである。

ゴールとなる駅の改札に向かう最後の直線で大逃げを打ったツインターボとメジロパーマーは共に失速し最後方から一気に貝類の塩気がヒシアマゾンの如く群を割って追い込んできて熾烈な叩き合い。

結果、舌と喉には塩分が残り貝類の旨みたるヒシアマゾンが接戦を制した。あまりのスープの旨さに飲み干してしまったのが原因だが改札のゴール寸前までは非常に楽しい思いをさせてもらえるラーメンだった。こんな店が近くにあるなら毎日でも通って仲良くなりスープの濃さを調整してもらえるようになりたいと思ったが毎日通うには少し遠すぎるかなと思った一杯でした。

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