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「味玉そば(黒だし)¥900+切り落としチャーシュー¥150」@八雲の写真平日 薄曇り 13:10 中待ち7名 外待ち6名 後待ち10名

目が覚めた時に無性に食べたくなったラーメンがこちらだった。しかし時間はお昼ちょうどで向かったとしても大行列は必至なので逸る気持ちを抑えて自宅待機する。頃を見計らって13時前に家を出る。二駅なのにバスを利用してしまった。

バスを降りて商店街を進み角を曲がると13時過ぎでも総勢13名の行列だ。いつ来ても行列は覚悟しなくてはならない。外待ち15分、中待ち15分でカウンターに。ワンタン目当ての客が多い中、本日はかねてより食べてみたいと思っていた切り落としチャーシューに初挑戦する。それをメインにスープの構成を考え焼豚と相性の良さそうな黒だしを選択し必須アイテムの味玉だけは追加した。

店内は四人体制でご主人自ら平ザルを振る。客層も若い女性が過半数を占め男性陣も若い。見渡す限りは私が最年長かと。近くにはガッツリ系のラーメン屋があるにもかかわらずこちらを訪れている若者たちが誇らしくさえ思える。

カウンターに座り6分で隣の先客のラーメンが配膳されたが我が杯はまだでタイミングが悪かったようだ。まさにロットがズレた。

そこから5分してようやく我が杯が到着した。オリジナルの高台丼の中の姿はいつも寸分違わぬ配置で盛り付けられていて感心する。しかしいつもと違う無骨な表情を見せるのは追加した切り落としチャーシューのせいだ。

まずは檜皮色のスープをひとくち。スープ自体からの香り立ちは控えめだが、いざ口に運ぶと魚介の風味が豊かに香る。中でも鰹出汁の香りが核となりスープを形成する。安定感のあるスープが特徴だが本日分は丸鷄の旨味よりも乾物系とくに干し椎茸の旨味が感じられた。乾物由来の香味やコクが表立っていた。地方で食べた干し椎茸たっぷりのそうめんつゆを思わせる。ラーメンとしては物足りなさもあるが、これはこれで有りかと。そこに加わる醤油ダレの酸味と苦味もバランス良く確かな設計図を基に作られたスープだ。

こちらの麺は断面にエッジの効いた中細ストレート麺でパツッとしてもたつかない歯切れが良い麺だ。エッジの空白がスープを抱え込み口の中に滑り込んでくる。啜るたびに口中に幸せが訪れる。ここでふと思ったのが店内の静けさだ。

ボリュームを抑えたBGMのせいもあるがそれだけではない何かに気づいた。それは麺を啜る音が全く聞こえてこない事だ。音を立てて麺を啜っているのが私だけだった。女性ならまだしも若い男子までもがレンゲを経由して折りたたんだ麺を食べている。ラーメンに限らず麺類を啜った時に唇から伝わる振動の喜びを日本人は忘れてしまったのか。もはや味覚だけでなく所作までも欧米化してしまったのだろうか。哀しい気持ちのまま〝ハラス麺ト〟と思われようが大きな音を立てて啜り続けた。

具材は本日の主役の切り落としチャーシューは後回しににして初期値の赤耳焼豚から。しっかりとローストされた広東式叉焼はしっとりとした肉質で焼かれた蜜ダレの香ばしさと甘さが何とも言えず美味い。低温調理の焼豚にも慣れてきたがラーメンにはやはりこの焼豚だ。定番の旨さを確認してから楽しみの切り落としをいただく。

端の部分なのでゴツゴツとした表面にはたっぷりの蜜ダレが擦り込んであり旨味の境地へ誘ってくれる。その分、やや肉質はパサつくがそれを踏まえても抜群の食感で自分の中にある肉食系が目を覚ます。正直言って品切れになっては困るので誰にも教えたくない逸品だ。券売機のボタンも隅のままであって欲しい。

更にもう一つ追加の味玉は下茹で 味付け 熟成度 提供温度の全てが完璧で味玉好きの心を奪う。メンマは太いながらも繊維が残らず戻し作業から味付けに至るまでの丁寧さが出ている。

薬味の青ねぎも水にしっかりとさらしてあり穏やかなスープに刺激を与えないようにひと仕事されている。海苔も安定の品質で香りと口溶けが豊か。

大興奮のままに麺をむさぼりスープも平らげたが、ますます周囲には静けさが広がった。懸念されるのは食の欧米化だけだはなく日常生活の中で出来立て熱々の食事をする機会がなくなりコンビニなどの中食産業を中心とした食生活への変化だ。

ここで敢えて声を大にして言いたい。コンビニの惣菜やインスタント食品も良いけれど、たまにはラーメンでも食べに行こうよ。と心から思う一杯でした。

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