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平日 晴天 13:45 先客4名 後客1名初の足立区上陸もこれで二軒目。先ほどの竹ノ塚から電車を駆使して訪れたのは最寄りの北綾瀬駅だ。〝今年の店は今年のうちに〟と思いついて始めた今年オープンした店の中で未訪問店を年内に出来るだけ多く廻っているのだが足立区が未開の地だった事に気付いた。そこで今年オープンの店を探していると今年3月3日オープンのこちらが見つかった。さすがに春先のオープンなので新店とは言いづらいがIT系(意識高い系)にはうれしい〝無化調〟のアナウンスもあるBM店だったので初訪問を決意した。人生初の北綾瀬駅は都内では珍しい終端駅で改札を出て目の前の環七通りを東へ進むと10分程でガスステーションの脇にそれらしい絵文字のような看板が見えてきた。目の前に行くまで暖簾もなく営業しているのか分からず不安だったが入口のガラス越しに店内の客が見え一安心して中に入った。小さめのシンプルな券売機の中のメニューもシンプルだ。初見なので筆頭のお題を発券し好物の味玉を探すが無いようだ。少し残念だが仕方ないとカウンターに座り店内を眺める。飾り気のないカウンターだけの店内をご夫妻お二人で切り盛りされている。本日の客層はご近所さんらしき親子連れや学生さんと幅広い。確かに駅からも遠いので地元の方に愛されなければやっていけない立地ではあるが着実にファンを増やしているのであろう。カウンター奥のウォーターサーバーから水を汲んでテレビを見ながら待っていると6分程で我が杯が到着した。口縁の反った切立丼の中の姿で注目すべきは何と言っても三種のレアチャーシューのグラデーションの美しさだろう。エアマックス’95のフットロッカー別注の赤のグラデを彷彿とさせる。まずは透明感よりも密度の濃そうな霞みがかった枯色のスープをひとくち。ひとくちだけでは個性を感じないスープだが旨みの宝庫なのは伝わってくる。何かが特出している訳ではないので書き手を悩ませる捉えどころのないスープだがとにかく美味しい。スープのベースは卓上のウンチクやお店情報にも全て記してあるので明らかだが鶏ガラ、豚ゲンコツ、魚介と乾物、数種の野菜がベースとくれば想像できるのは昔ながらの醤油清湯スープだ。しかしこのスープは明らかに昔ながらの醤油系とは一線を画す。それは見た目の薄っすらとした醤油感と同じようにエッジの削ぎ落とされた旨みをカエシが表現する。醤油の新鮮なキレよりも熟成した豊かな旨みが表れている。それ以上の明確な違いはやはり〝無化調〟ならではの自然な旨みの集まりという事だろう。私には十分過ぎるほど旨みが凝縮しているが物足りなさを感じる人もいるだろう。もしこの天然素材のスープを化学調味料で旨味を足せば、より強い旨味が増すことは確かだと思うが、果たしてそれが必要なのだろうか。家庭のお風呂に入浴剤を入れる事はあるが天然温泉に入れる人がいるだろうか。カップ麺のようにお湯で作らなければいけないなら化調の意味も分かるが、大半のラーメン店は時間をかけてスープを取っているにもかかわらず旨味調味料の力を借りている店が多い気がする。せっかくの時間をかけたスープを活かすようで殺している面もあると思う。たったひとくちでこんなに感情が溢れるスープに出会えてうれしくなった。麺はやや太めの中細ストレート麺で麺上げまで150秒程のしっかりと茹で上げた麺だ。切り刃の角を口当たりで感じない程に丸みを帯びたハリを持つ麺は食べ応えも十分。ワシャワシャと噛みつぶすと湧き出す内麦ならではの甘みはさすがである。かん水の匂いも全く気にならない辺りが昔ながらのラーメンとは別次元。スープや麺の材料は昔ながらでも加える添加物の有無でこれほどに差が出るものかと驚いた。具材は見た目も鮮やかな三種のレアチャーシュー。セオリー通りに色の淡い物から食べてみるので最初は鶏ムネ肉から。素材を活かした非常に薄味で優しさが狙いなのだろうが獣っぽさも否めない。これはこの後に食べた豚肩ロースと牛モモ肉にも言える事だが薄味なのは構わないがどうしてもレアだと獣臭さが残るのは当然で噛むたびに増長されるのは残念だった。レア感を残した火入れ加減なのはスープに浸す事で解消できたが生っぽい獣臭は下味のスパイスの香りで消していて欲しかった。薬味は白ねぎが笹切りで添えてある。実はこのネギがスープに香りを付ける役目も果たしていた。鶏油にもネギの香味が移してあるのかもしれないがスープから香る爽やかなネギの香りが全体をスッキリとまとめていた。その後は苦手なテクスチャーの焼豚と一緒に食べる事で大活躍してくれた。青みの三つ葉も鶏ムネチャーシューと名コンビで脇役を果たした。全ての薬味が焼豚との共演で脇役に徹していたが、海苔だけはソロの舞台でも光り輝いていた。最初に丼の口縁に張り付いていた時から他所の海苔とは違うなと思っていたが、食べようと箸でつまんだ時のしなやかさに驚いた。密度が詰まった黒々とした海苔は口に含んだ瞬間に海風が吹き荒れる。強い風味を残しながらも口溶けは非常に繊細で質の高さを思い知らされた。気がつけば連食ながら完食完飲していた。ウンチクにあったように「何も出しゃばらないが美味しい」という言葉が本当にしっくりとするラーメンだっただけに焼豚が好みと違っていたのが残念で仕方がない。もしご主人が赤身の旨味たっぷりの赤耳焼豚と完熟味玉を作る時があれば一番に食べてみたいと思う一杯でした。
初の足立区上陸もこれで二軒目。先ほどの竹ノ塚から電車を駆使して訪れたのは最寄りの北綾瀬駅だ。
〝今年の店は今年のうちに〟
と思いついて始めた今年オープンした店の中で未訪問店を年内に出来るだけ多く廻っているのだが足立区が未開の地だった事に気付いた。そこで今年オープンの店を探していると今年3月3日オープンのこちらが見つかった。さすがに春先のオープンなので新店とは言いづらいがIT系(意識高い系)にはうれしい〝無化調〟のアナウンスもあるBM店だったので初訪問を決意した。
人生初の北綾瀬駅は都内では珍しい終端駅で改札を出て目の前の環七通りを東へ進むと10分程でガスステーションの脇にそれらしい絵文字のような看板が見えてきた。目の前に行くまで暖簾もなく営業しているのか分からず不安だったが入口のガラス越しに店内の客が見え一安心して中に入った。小さめのシンプルな券売機の中のメニューもシンプルだ。初見なので筆頭のお題を発券し好物の味玉を探すが無いようだ。少し残念だが仕方ないとカウンターに座り店内を眺める。
飾り気のないカウンターだけの店内をご夫妻お二人で切り盛りされている。本日の客層はご近所さんらしき親子連れや学生さんと幅広い。確かに駅からも遠いので地元の方に愛されなければやっていけない立地ではあるが着実にファンを増やしているのであろう。
カウンター奥のウォーターサーバーから水を汲んでテレビを見ながら待っていると6分程で我が杯が到着した。口縁の反った切立丼の中の姿で注目すべきは何と言っても三種のレアチャーシューのグラデーションの美しさだろう。エアマックス’95のフットロッカー別注の赤のグラデを彷彿とさせる。
まずは透明感よりも密度の濃そうな霞みがかった枯色のスープをひとくち。ひとくちだけでは個性を感じないスープだが旨みの宝庫なのは伝わってくる。何かが特出している訳ではないので書き手を悩ませる捉えどころのないスープだがとにかく美味しい。スープのベースは卓上のウンチクやお店情報にも全て記してあるので明らかだが鶏ガラ、豚ゲンコツ、魚介と乾物、数種の野菜がベースとくれば想像できるのは昔ながらの醤油清湯スープだ。しかしこのスープは明らかに昔ながらの醤油系とは一線を画す。
それは見た目の薄っすらとした醤油感と同じようにエッジの削ぎ落とされた旨みをカエシが表現する。醤油の新鮮なキレよりも熟成した豊かな旨みが表れている。それ以上の明確な違いはやはり〝無化調〟ならではの自然な旨みの集まりという事だろう。私には十分過ぎるほど旨みが凝縮しているが物足りなさを感じる人もいるだろう。もしこの天然素材のスープを化学調味料で旨味を足せば、より強い旨味が増すことは確かだと思うが、果たしてそれが必要なのだろうか。家庭のお風呂に入浴剤を入れる事はあるが天然温泉に入れる人がいるだろうか。カップ麺のようにお湯で作らなければいけないなら化調の意味も分かるが、大半のラーメン店は時間をかけてスープを取っているにもかかわらず旨味調味料の力を借りている店が多い気がする。せっかくの時間をかけたスープを活かすようで殺している面もあると思う。たったひとくちでこんなに感情が溢れるスープに出会えてうれしくなった。
麺はやや太めの中細ストレート麺で麺上げまで150秒程のしっかりと茹で上げた麺だ。切り刃の角を口当たりで感じない程に丸みを帯びたハリを持つ麺は食べ応えも十分。ワシャワシャと噛みつぶすと湧き出す内麦ならではの甘みはさすがである。かん水の匂いも全く気にならない辺りが昔ながらのラーメンとは別次元。スープや麺の材料は昔ながらでも加える添加物の有無でこれほどに差が出るものかと驚いた。
具材は見た目も鮮やかな三種のレアチャーシュー。セオリー通りに色の淡い物から食べてみるので最初は鶏ムネ肉から。素材を活かした非常に薄味で優しさが狙いなのだろうが獣っぽさも否めない。これはこの後に食べた豚肩ロースと牛モモ肉にも言える事だが薄味なのは構わないがどうしてもレアだと獣臭さが残るのは当然で噛むたびに増長されるのは残念だった。レア感を残した火入れ加減なのはスープに浸す事で解消できたが生っぽい獣臭は下味のスパイスの香りで消していて欲しかった。
薬味は白ねぎが笹切りで添えてある。実はこのネギがスープに香りを付ける役目も果たしていた。鶏油にもネギの香味が移してあるのかもしれないがスープから香る爽やかなネギの香りが全体をスッキリとまとめていた。その後は苦手なテクスチャーの焼豚と一緒に食べる事で大活躍してくれた。青みの三つ葉も鶏ムネチャーシューと名コンビで脇役を果たした。
全ての薬味が焼豚との共演で脇役に徹していたが、海苔だけはソロの舞台でも光り輝いていた。最初に丼の口縁に張り付いていた時から他所の海苔とは違うなと思っていたが、食べようと箸でつまんだ時のしなやかさに驚いた。密度が詰まった黒々とした海苔は口に含んだ瞬間に海風が吹き荒れる。強い風味を残しながらも口溶けは非常に繊細で質の高さを思い知らされた。
気がつけば連食ながら完食完飲していた。ウンチクにあったように「何も出しゃばらないが美味しい」という言葉が本当にしっくりとするラーメンだっただけに焼豚が好みと違っていたのが残念で仕方がない。もしご主人が赤身の旨味たっぷりの赤耳焼豚と完熟味玉を作る時があれば一番に食べてみたいと思う一杯でした。