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平日 晴天 18:30 先客5名 後客4名〝新春豪華特別企画〟として「オランダ発 パリ経由 サンフランシスコ着」という贅沢な連食旅を満喫中なのだが午前中にオランダを出発して、いよいよ最終目的地のサンフランシスコに向かうために経由地点のパリを後にした。シャンソンは流れていない春日部駅から、こちらサンフランシスコの最寄りの新宿駅に着いたのは夕方過ぎだ。正月明けのセールなどで若い女性がごった返すファッションビルを上がって行くと、そこはもうサンフランシスコのはずだが8階まであるはずのビルが7階までしかない。新宿ミロードに入ったつもりがそこは手前のルミネだったのだ。若い女性客しかいないフロアを脇目も振らず降りて行くが、どう見ても変態おじさんにしか見えない。娘へのプレゼントを買いに来た父親を装ってすまし顔をしているが内心は尋常じゃない。正月早々こんな辱めを受けるとは思ってもみなかった。この時は最終目的地のサンフランシスコを諦めて途中で引き帰そうかと思ったほどだ。なんとかルミネ地獄を抜け出しミロードに辿り着いたが、そこには更に定年層の女子学生で溢れていた。きっとビルの中で最年長だろうなと思いながら7階のレストランフロアを目指す。エスカレーターを上がった先に目的地のサンフランシスコが見えた。行列は無いが明らかにおじさんには場違いなインテリアの店内には誰一人として男性客がいない。ほぼ満席の女性だらけの店内に入って行く心の強さはあいにく持ち合わせていなかった。一度ひるんだ気持ちを立て直すには時間が必要と下のフロアのカフェで心を落ち着かせる。しかしここも95%が女性客だが免疫を高めるにはもってこいの場所なので一時間ほど身を投じてみた。するとショップ店員さんの黄色い声にも耳が慣れてきた。人間の適応能力とは恐ろしいものだ。全ての羞恥心を新宿の雑踏の中に捨てて再びサンフランシスコ入りを決意した。再度7階に戻ると運良く店内が空いていた。しかもカップル客の姿があり男性客は私一人ではない。時間を置いて本当に良かった。すかさず券売機の前で品選びするが午前中の塩ラーメンと連食の煮干し系の後なので身体が求めるのは醤油系だ。しかしこちらの推しは鶏白湯のようだが心が動かない。券売機の下へと目をやると醤油ラーメンのボタンがあるが黒毛和牛が基本でも入っていて値段も1950円と破格だ。しかしどうしても醤油系が食べたいのと今回の新春豪華旅行の最後を飾るにはふさわしいメニューかと思い覚悟を決めてお題を発券し、いざカウンターへと。表から見る以上にオシャレに造り込まれた内装は大理石風のカウンターと沈み込むバースツールが印象的。明るく開放感のある店内を四人体制で回している。これが現代のサンフランシスコならば私の思い描いている感じとは随分と違っている。私の中のサンフランシスコは星条旗柄で短めのホットパンツを履いた金髪美人がブーツ型のローラースケートで街中を走り回っている景色なのだ。随分と古ぼけた景色が頭に浮かんでいると着席後10分程で我が杯が到着した。その姿は受け皿に乗った白磁の小ぶりな切立丼の中が全く見えない。それは丼の口縁を覆い隠すほどのローストビーフのせいだ。(通称ロービー)食べる前から原価率が気になる程に圧巻なロービーに気を取られているとスープで加熱されてしまいそうなので先にロービーを器の淵に避難させる。すると透明感のあるスープが現れた。まずは澄み切った枇杷茶色のスープをひとくち。真っ先に脳にたどり着いたのは鰹節の利いた和風だしの旨み。予想もしてない旨みに戸惑っていると後から豚や鶏にはない牛テールスープのような深みある旨さも追いかけてくる。山陰地方の一部を除いては、あまり日本人には牛肉で取った出汁の文化がないので韓国風や洋風に思いがちなスープに鰹出汁を合わせることで我々にも飲みやすい和風スープに仕上がっている。麺は女性客を想定したキヌアを練りこんだとある自家製の平打ち麺は味の上ではキヌアは感じない。外国からの逆輸入のせいもあるのだろうか麺は少し短めで女性にも食べやすくなっているが昭和オトコには啜り応えのない麺の長さだ。しかしモッチリとした歯応えは柔らかなテクスチャーが苦手な外国人にも受け入れられる麺だと思う。私もこれくらいシッカリした麺の方が食べ応えがあって好きだ。いよいよスープから避難させておいたロービーをいただいてみる。ロゼ色よりもブラッドオレンジに近いリブロースの中のリブ芯の部分だけを食べると舌の体温だけで牛脂が解けて消えていった。本来は差しの入った和牛は苦手なのだがA 5ランクの黒毛和牛のリブ芯ともなると口溶けは見事である。それ以外の部分には筋や脂身が多いのでスープで加熱してから食べてみる事にした。細切りメンマは麺に寄り添うような柔らかさとコリッとした食感を持ち合わせたメンマで脇役としての役目を十分に果たしている。ここで再びロービーに戻るがスープで加熱されても肉質の柔らかさは変わらないが、やはり筋の部分の歯切れの悪さが出てきた。噛み切れないほどではないが麺の食感を妨げるのは残念。薬味は青ねぎが短冊切りほどの長さで添えてあり、その上には焦がしネギが散りばめられている。ロービーの上には柚子皮がソルベのように盛られ、その脇には魚粉がある。全てに意味があるとは思ったが、特に風味を感じたのは柚子皮のソルベだ。その役目は噛み切れないロービーに対して咀嚼の度に爽やかな清涼感を与えてくれる。その他の薬味も陰ながら存在していると思うが目立った活躍は感じなかった。何とかロービーを食べ終え麺に戻ろうと丼の中を見たら、最初のスープの景色は一転していた。さっきまでの澄み切ったスープは見る影もなく濁っていた。それは半生状態のロービーが加熱された事により灰汁がスープに溶け出したのが原因だろう。それはまるでしゃぶしゃぶの出汁に溶け出した灰汁のようにグレーに染まっていた。そんな濁ったスープからは初見の鰹出汁の風味は感じられず最終的には残念なスープになってしまった。せっかくのローストビーフだったが肉質に含まれたドリップの量が清らかなスープには仇となってしまった。本日のフライト全てを直行便の正規料金とすると40万円を超える運賃も今回のツアーでは1600円程で済んだ。それを思えば納得できる内容だったかもしれないと思う一杯でした。
〝新春豪華特別企画〟として
「オランダ発 パリ経由 サンフランシスコ着」
という贅沢な連食旅を満喫中なのだが午前中にオランダを出発して、いよいよ最終目的地のサンフランシスコに向かうために経由地点のパリを後にした。シャンソンは流れていない春日部駅から、こちらサンフランシスコの最寄りの新宿駅に着いたのは夕方過ぎだ。
正月明けのセールなどで若い女性がごった返すファッションビルを上がって行くと、そこはもうサンフランシスコのはずだが8階まであるはずのビルが7階までしかない。新宿ミロードに入ったつもりがそこは手前のルミネだったのだ。若い女性客しかいないフロアを脇目も振らず降りて行くが、どう見ても変態おじさんにしか見えない。娘へのプレゼントを買いに来た父親を装ってすまし顔をしているが内心は尋常じゃない。正月早々こんな辱めを受けるとは思ってもみなかった。この時は最終目的地のサンフランシスコを諦めて途中で引き帰そうかと思ったほどだ。
なんとかルミネ地獄を抜け出しミロードに辿り着いたが、そこには更に定年層の女子学生で溢れていた。きっとビルの中で最年長だろうなと思いながら7階のレストランフロアを目指す。エスカレーターを上がった先に目的地のサンフランシスコが見えた。行列は無いが明らかにおじさんには場違いなインテリアの店内には誰一人として男性客がいない。ほぼ満席の女性だらけの店内に入って行く心の強さはあいにく持ち合わせていなかった。
一度ひるんだ気持ちを立て直すには時間が必要と下のフロアのカフェで心を落ち着かせる。しかしここも95%が女性客だが免疫を高めるにはもってこいの場所なので一時間ほど身を投じてみた。するとショップ店員さんの黄色い声にも耳が慣れてきた。人間の適応能力とは恐ろしいものだ。
全ての羞恥心を新宿の雑踏の中に捨てて再びサンフランシスコ入りを決意した。再度7階に戻ると運良く店内が空いていた。しかもカップル客の姿があり男性客は私一人ではない。時間を置いて本当に良かった。すかさず券売機の前で品選びするが午前中の塩ラーメンと連食の煮干し系の後なので身体が求めるのは醤油系だ。しかしこちらの推しは鶏白湯のようだが心が動かない。券売機の下へと目をやると醤油ラーメンのボタンがあるが黒毛和牛が基本でも入っていて値段も1950円と破格だ。しかしどうしても醤油系が食べたいのと今回の新春豪華旅行の最後を飾るにはふさわしいメニューかと思い覚悟を決めてお題を発券し、いざカウンターへと。
表から見る以上にオシャレに造り込まれた内装は大理石風のカウンターと沈み込むバースツールが印象的。明るく開放感のある店内を四人体制で回している。これが現代のサンフランシスコならば私の思い描いている感じとは随分と違っている。私の中のサンフランシスコは星条旗柄で短めのホットパンツを履いた金髪美人がブーツ型のローラースケートで街中を走り回っている景色なのだ。
随分と古ぼけた景色が頭に浮かんでいると着席後10分程で我が杯が到着した。その姿は受け皿に乗った白磁の小ぶりな切立丼の中が全く見えない。それは丼の口縁を覆い隠すほどのローストビーフのせいだ。(通称ロービー)食べる前から原価率が気になる程に圧巻なロービーに気を取られているとスープで加熱されてしまいそうなので先にロービーを器の淵に避難させる。すると透明感のあるスープが現れた。
まずは澄み切った枇杷茶色のスープをひとくち。真っ先に脳にたどり着いたのは鰹節の利いた和風だしの旨み。予想もしてない旨みに戸惑っていると後から豚や鶏にはない牛テールスープのような深みある旨さも追いかけてくる。山陰地方の一部を除いては、あまり日本人には牛肉で取った出汁の文化がないので韓国風や洋風に思いがちなスープに鰹出汁を合わせることで我々にも飲みやすい和風スープに仕上がっている。
麺は女性客を想定したキヌアを練りこんだとある自家製の平打ち麺は味の上ではキヌアは感じない。外国からの逆輸入のせいもあるのだろうか麺は少し短めで女性にも食べやすくなっているが昭和オトコには啜り応えのない麺の長さだ。しかしモッチリとした歯応えは柔らかなテクスチャーが苦手な外国人にも受け入れられる麺だと思う。私もこれくらいシッカリした麺の方が食べ応えがあって好きだ。
いよいよスープから避難させておいたロービーをいただいてみる。ロゼ色よりもブラッドオレンジに近いリブロースの中のリブ芯の部分だけを食べると舌の体温だけで牛脂が解けて消えていった。本来は差しの入った和牛は苦手なのだがA 5ランクの黒毛和牛のリブ芯ともなると口溶けは見事である。それ以外の部分には筋や脂身が多いのでスープで加熱してから食べてみる事にした。
細切りメンマは麺に寄り添うような柔らかさとコリッとした食感を持ち合わせたメンマで脇役としての役目を十分に果たしている。
ここで再びロービーに戻るがスープで加熱されても肉質の柔らかさは変わらないが、やはり筋の部分の歯切れの悪さが出てきた。噛み切れないほどではないが麺の食感を妨げるのは残念。
薬味は青ねぎが短冊切りほどの長さで添えてあり、その上には焦がしネギが散りばめられている。ロービーの上には柚子皮がソルベのように盛られ、その脇には魚粉がある。全てに意味があるとは思ったが、特に風味を感じたのは柚子皮のソルベだ。その役目は噛み切れないロービーに対して咀嚼の度に爽やかな清涼感を与えてくれる。その他の薬味も陰ながら存在していると思うが目立った活躍は感じなかった。
何とかロービーを食べ終え麺に戻ろうと丼の中を見たら、最初のスープの景色は一転していた。さっきまでの澄み切ったスープは見る影もなく濁っていた。それは半生状態のロービーが加熱された事により灰汁がスープに溶け出したのが原因だろう。それはまるでしゃぶしゃぶの出汁に溶け出した灰汁のようにグレーに染まっていた。
そんな濁ったスープからは初見の鰹出汁の風味は感じられず最終的には残念なスープになってしまった。せっかくのローストビーフだったが肉質に含まれたドリップの量が清らかなスープには仇となってしまった。
本日のフライト全てを直行便の正規料金とすると40万円を超える運賃も今回のツアーでは1600円程で済んだ。それを思えば納得できる内容だったかもしれないと思う一杯でした。