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「特製つけそば」@群青の写真何やらマニア達(十把一絡げに「ラヲタ」とするのはちょっと…)を騒がせている新店「群青」。大阪に行く用があったので、足を伸ばしてみることに。
事前情報によると、この店は少し分かりにくい場所に位置するとのこと。ですから電車(阪急電鉄)を降りるなり、注意深く周りを見渡しながら店に向かいます。北改札口を出て東に向かって歩き、「大阪市立住まいの情報センター」なるものに直結している3番出口から地上へ。そしてこの建物の西側にある南北に伸びた通りを数十メートル下れば、店があるレンガ通りへ到着します。阪急電鉄の利用される方はどうぞ参考にしてください。

注文したのは「特製つけそば」2玉(300g)。1.5玉か3玉までは同額の720円です。720円?!
もちろん安いのは良いことです。費用対効果もまた、ラーメンへの満足度に大きく関わってきますから。
味の一部とさえいえるかもしれません。
しかし相場の価格帯(があるとして)より数百円程度高いぐらいならばそれは忘れて、
一料理として美味いかどうか、美味いならば何がそう感じさせるのかに焦点を絞りたい私には
「安いってことは、原価率を低く抑えるべくあまり良い食材を使っていないとか食材自体が
少ないとかで、あまり美味しくないのかも…」と不安になる額でもあります。
しかしこのつけ麺の場合、後述するようにその不安は杞憂に終わるわけですが。

麺。
自家製の平打ち太麺です。
「素」で食した端的な印象としては、「重い」「旨い」といったところ。
テクスチャーがややドライでしかも平打ち太麺ですから、当然ですが啜る際の滑りは良くありません。
通常より強く啜るか「手(箸)運び&やや啜り」をするかのいずれかが良いでしょう
(どういうわけか「啜る」という行為自体が好きになれない私は、いつも後者)。
しかし麺の太さが意図的に不揃いにされているためか、啜り上げる際に麺が踊るような
振動が唇に伝わってくるのですが、何だか官能的な気持ち良さがあります。
噛み心地は、顎が痛くなるほど硬いわけでもなければ歯が無くても噛み切れそうなほど
柔らかいわけでもない丁度良い塩梅。
テイストはプレーン、というよりも「品の良い」小麦感が口内に広がっていくような旨みを有します。
足りないところを補って余りある素晴らしい麺ですね。

つけ汁。
いわゆる濃厚魚介系です。
動物系は豚骨に豚足、鶏ガラ、モミジで、魚介系は煮干し、魚粉等だそうです。
私が感じるに、このつけ汁のテイストの中心に位置するのは豚骨&豚足、そして煮干し。
麺や 輝 大阪本店のつけ汁を想起させるような、双方が優しく融和したやや甘めの旨みが
「原子核」となっているイメージです。
しかしこのつけ汁は鶏系が特有のまろやかな旨みを持ってして豚系の旨みに厚みを持たせていること、
そして醤油ダレが、醤油そのものとしてのテイストを感じさせないものの、出汁の甘みが立ち過ぎないように
貢献していることが伺える点で、輝のつけ汁とは異なります。
少しバージョンアップさせたような完成度の高さと洗練性を有するといえるでしょう。

そして輝だけではなく、他点の濃厚魚介系のつけ汁との差別化指標となるファクターが2つ。
まず1つ目は、後述する炙りチャーシューからつけ汁に滲み出る「焼き」の香ばしさ&肉そのものの旨み。
これは賛否両論別れるかもしれません。
一つの曲の美しい重奏性の一部及び別世界へワープできるソロパートともとれますし、
不協和音ともなり得ます。
私としては、どうにも評価し難い。
2つ目は、本当に存在するのかどうかはわからない、しかし気配だけは色濃い「Xファクター」です。
煮干しでも魚粉でもない不思議な魚介系のテイストが、スープ全体に行き渡っているような
気がしました。
気付かない、ないし気にならない人にはまったく気にならない程度に。
後で調べてわかったのは、このつけ汁にはカジキマグロが用いられているとのこと。
それ…かなぁ。まあ何ともいえませんが、一つ仮説を立てるとすれば、カジキが煮干しや鰹・鯖節及び魚粉、
動物系出汁、醤油ダレ等のいくつかと混成されて生じるテイストなのではないでしょうか。
本当に微細で、未だに確信が持てないのですが。
とにかくこの2つのファクターは、群青のつけ汁を他店の濃厚魚介系つけ汁と一線を画すものにする一方で、
上記の洗練性からはとは正反対の「粗さ」を加えて個性化されているようにも伺えます。

これだけ「騒がしい」つけ汁も珍しいですし、ただ美味いだけではなく興味・関心が
強く引かれるというものです。

麺をつけ汁に浸して食す。
美味い。
麺とつけ汁の両方のテイストが、互いに阻害し合うことなくその個性をいかんなく発揮しています。
麺の旨みもつけ汁の複雑味も口内で自在に流れるよう。
しかし部分部分の水準の高さ故に要求水準を上げ、敢えて苦言を呈するとすれば、
つけ麺の主役であるはずの麺の旨みは増幅されなかったことが挙げられます。
もちろんつけ汁を纏わせる分だけ「素」で食す際の味とは異なりますが、味の印象は変わらない。
旨みを増幅させるための甘味をつけ汁に加味するか、麺そのものをいつまでも「素」で
食べていたくなるタイプのものにするかすれば、向かうところ敵なしの最強のつけ麺になり得るはず。

具。
つけ汁の中に炙りチャーシュー、味玉、メンマ、葱などが入っており、麺の上にはほうれん草と糸唐辛子。
炙りチャーシューは角煮風でサイコロ状大のものが5~6個入っており、とんぴととりの光龍益のチャーシューを
想起させるようなパサついた食感ですが、この濃いつけ汁の中では活きます。
また、ほうれん草が口をサッパリさせる箸休めとしての貢献度が高かったことも付記しておきましょう。

「特製つけそば」。
コストパフォーマンスに「優れすぎた」一品です。
部分部分の完成度の高さゆえに現時点でも優秀なつけ麺であり、さらなる高みを求めたくなる
伸びしろも残している。
素晴らしい。お勧め度は相当に高いですよ。
行列を成すのが日常となる前に、未食の方は是非一度お試し下さい。

投稿(更新) | コメント (2) | このお店へのレビュー: 2件

コメント

 おはようございます。昼飯専門です。
お久しぶりのレビュー、心待ちにしておりました!やはり「深く」掘り下げれたその「味評」・・・。
「成る程・・・」です。

 色々あるのですが、

>これだけ「騒がしい」つけ汁も珍しいですし、ただ美味いだけではなく興味・関心が
強く引かれるというものです。
〜そう!確かに「騒がしい」ですよね!。私は表現しきれませんでしたが、
 自分なりには、何処か「強引」さを感じます・・。
 ただ、多くのお店がその「騒がしい」を「纏めきれていない」感を特に大阪では、
 感じてましたが、なにやら「ネジ伏せた」様な感すら与えられました・・・。

>炙りチャーシューからつけ汁に滲み出る「焼き」の香ばしさ&肉そのものの旨み。
〜も、しかり。結構、このチャーシューからの「香ばしさ」出てました・・・。確かに。
 「騒がしい」つけダレにつかり、又このチャーシューも「騒いでいる」と印象してます。

 しかし、私的に「ありそうで」「ない」この一杯・・・。
「カジキマグロ」?全く私には「新種」の出汁を感じず、驚きですよ。本当。
「マグロ」はどっかで「臭味」あると刷り込まれているのですが、
上手く溶け込んでいる様ですね・・・。今週にでも「そいういった目」で見てみます。

 そうそう、<高倉二条>ホームのTGholicさん、「スープ割り」の「魚介感」、
似てませんでしたか?(←ひつこい) 本当、その部分だけ「似てる!」と思ったんで・・・。


  


昼飯専門 | 2008年11月9日 11:03

昼飯専門さん
コメントと投票をありがとうございます。

>ただ、多くのお店がその「騒がしい」を「纏めきれていない」感を特に大阪では、
 感じてましたが、なにやら「ネジ伏せた」様な感すら与えられました・・・。


確かに。「ネジ伏せる」ファクターが存在するからこそ、あのつけ汁は美味いのでしょう。
そうでなければ、てんでバラバラの味になってしまいますしね。
そしてネジ伏せられてもなお足掻くファクターの存在が、楽しいですよね。

>「カジキマグロ」?全く私には「新種」の出汁を感じず、驚きですよ。本当。
「マグロ」はどっかで「臭味」あると刷り込まれているのですが、
上手く溶け込んでいる様ですね・・・。

私も全然確信は持てず、半信半疑です。
ですからあれがカジキの味ではなく、まったく違うものであってもおかしくないと考えております。
カジキは「節」だとほんのり甘く、むしろクセが弱いそうですね。
まあ用いられているのが、「節」かどうかもわからないですけど。

>「スープ割り」の「魚介感」、
似てませんでしたか?(←ひつこい) 本当、その部分だけ「似てる!」と思ったんで・・・。

ごめんなさ~い。
騒がしいファクターが何なのかを同定すべく、「普通つけ汁をそんなに飲む?!」
と自らツッコミを入れるほどに飲んでしまい、麺を食べ終わる頃にはスープ割をするための
つけ汁が残っていなかったのです。
それにもともとスープ割はあまり頼みませんし、このつけ麺に至ってはボリュームもあったので。

そうだ。すがりのもつそばのスープの味がマイナーチェンジされていました。
簡単にいえば動物感が増し、魚介感と醤油感、酸味が減退しています。
動物感が増したといっても豚骨を濃く煮出したあの特有の味が強まったというよりは、
鶏か豚足かを加えてまろやかさを加味した印象です。
まあ食材については何ともいえませんが、味としてはカドが取れて食べやすくなったとも
ボヤけたともいい得るような。



poly-hetero | 2008年11月9日 19:21