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「中華そば ¥600」@柴崎亭 梅丘店の写真平日 晴天 20:10 先客16名 後客10名

〝朗報を知り初訪問〟

私事ではあるが赤坂、乃木坂での所用が多く小田急線直通 千代田線で乗り換えなしで行ける梅ヶ丘での出店の吉報には心から喜んだ。以前は柴崎亭といえば、つつじヶ丘へのアクセスが赤坂からでは良いとは言えないが、どうしても食べたくなって京王線を乗り継いで幾度も向かったものだ。その苦労からしたら今回の二号店のオープンはアクセス向上の面でも非常にありがたい場所だ。

お店情報を見るとメニュー構成は若干違うようだが基本のメニューは同じに思える。メニューは同じでも場所が変われば水も変わるので新たな発見があるかも知れず楽しみに初訪問を決めた。

本日は乃木坂での所用の後に一目散で駅に向かい禁断の夜ラーのために千代田線に乗り込んだ。各停しか止まらない駅に難はあるが25分での現着ならば全く苦にならない。普段はあまり利用機会のない千代田線の各停ならではの空いた車内で揺られながら、気が付けば梅ヶ丘駅に着いていた。そこからはナビに頼らずとも分かりやすい駅近らしいが、白く灯った看板に「中華そば」とだけ書かれた目印が目に入った。

近づいてみるとローマ字で「SIBASAKITEI」と窓ガラスに書かれているのを確認してコチラが店だとようやく分かった。ガラス張り外観はつつじヶ丘と共通しているが、店舗のコンセプトが全く異なっているので戸惑ってしまった。店内はほぼ満席のようだが空席が少しだけあるのを見て、券売機の前に立った。

券売機の上部にはひときわ大きな四種類のボタンがオススメとして注意を引くが、初訪問なので基本の基本に徹してみる。本題を発見するとホールスタッフに案内されたカウンターに座り店内を見回す。

変則的なコの字カウンターが長く延びているので客席は多く設けてある。その背後には中待ち席も随分と準備されている。調理場に目をやるとスープ炊きの仕込みから最終調理までを一貫して行うレイアウトとなっている。本店では見かける事がない大型の寸胴鍋がガス台の上に鎮座している。おそらく60cmの最大級のアルミ製寸胴鍋だ。となればセントラルキッチンでの仕込みではなく、各店舗でのスープ炊きなら違いが出て当然だろう。店舗仕込みの方が個性が生まれて食べ比べの楽しみも増えるので大賛成だ。そんな店内を本日は三人体制で回す。かなりの客席なのに上手く回っているのは考えられた導線と効率の良いオペレーションが成せる業だろう。

そんな事に感心していると着席して5分で我が杯が到着した。その姿にも配膳効率を上げる工夫がしてあった。本店ではスープに合わせた多彩な器(知る限りでは十種類)での提供が特徴でもあったが、こちらは見る限りでは三種類のラーメン鉢での提供のようだ。それに加えて陶器の受け皿を用いる事でホームスタッフの配膳時の手の熱さを軽減している。これならばアルバイトスタッフでも熱々のラーメンが配膳する事が出来る。大箱でも少人数で営業できる工夫が随所に見られる。その受け皿の上に乗った白磁の切立丼からは、器を愛でる楽しみはなくなったが、器の中の様子は本店と変わらず美しい。もはや代名詞とも言える整然と揃えられた麺線は息を呑む美しさだ。

まずはスープをひとくち。お決まりの熱々加減はレンゲを介しても伝わってくる。熱々スープに浮かんだ香味油までもが熱いので、上あごの薄皮はめくれる事を覚悟しなければ飲んではいけないスープだ。そんな狂気的とも言える熱々ファンにはたまらないスープから立ち昇る湯気には魚介の風味が伴っている。特に節系の切り立った香りが食欲をくすぐる。火傷をしないように注意しながら口に含むと熱さの中でもしっかりと旨みを感じさせてくれる。その出汁にコクを与えるのがたっぷりとした香味油だが、見た目の油膜量よりもサッパリとしている。ここまでは本店との区別がつかないスープだったが、カエシの塩分濃度は明らかに違って感じた。少し塩気が強いといった感じではなく、随分と塩っぱいくらいに醤油ダレが利いていた。それは生醤油からの強さだったのかも知れないが、夜に飲み干すと翌朝の顔のむくみが心配になるような塩気だった。この時点でスープを飲み干す事は諦めた。

続いて惚れ惚れするような美しいラインの麺を箸で持ち上げてみる。茹で釜に投入してから40秒あたりから平ザルにて丁寧かつ速やかに麺上げされた中細ストレート麺は、瞬時にスープの色素に染まって淡い醤油色が移っている。その証拠にとなりで塩煮干しそばを食べている方の麺肌は真っ白でスープの色素の影響を感じない。さらには麺上げ途中の麺を見れば一目瞭然である。それだけ低加水で水分を吸収しやすい麺質の証しだろう。最初は箸先からも密度の軽やかさが伝わってくるが、一秒毎に麺肌の隙間にスープが入り込んでいくのが分かる。そんな麺を啜ると共に上がってくるスープの旨みと塩気はベストバランス。スープだけでは塩気が強く思ったが、麺との相性は素晴らしかった。言い換えれば、もしかしたら本日分のスープには旨みが少し足りなかったのかもしれない。その分、塩気が優位に立ってしまったのかとも思える。その反面、麺の小麦の甘さを強く感じたのも事実だ。

具材の豚肩ロースのレアチャーシューは判が小さかったせいか二枚付けだった。デフォでは大判チャーシューが一枚と思うが、その配慮にも頭が下がる。今回は二枚付けの特権を活かしてレア状態のチャーシューと、スープで加熱されたチャーシューの味比べを楽しめた。もちろん先にレアチャーシューを味わってみる。電動スライサーを使用した、かなりの薄切りなので提供直後から熱変化が始まっている。まだロゼ色が残るチャーシューだが妙な生感覚ではなく、適正温度を守られた低温調理が生み出す肉質が表現されている。見た目のレア感とは異なるしっかりとした歯応えが心地よい。下味のソミュール液の浸透も素晴らしく本店同様にお手本のようなレアチャーシューだ。そんなレアチャーシューを贅沢にもスープに浸してから食べてみると、より引き締まった赤身の食感が肉々しくて野性味を強く感じさせる。正直言って二枚付けの方が楽しむ幅が増えてうれしかった。

しかし極太メンマには今回も手仕事感がなく安定した業務用既製品にしか思えなく残念。ここならではのメンマを食べてみたいものだ。

薬味の葱は九条ねぎかも知れないが、その特徴は感じられなかった。繊細というよりは粗々しい口当たりと香りが出ていて高級ねぎには思えない。

最終的にはスープは飲み干せなかったが麺と具材は完食していた。麺の量も少し多く感じたが麺上げ作業のブレかも知れないので定かではない。

今回の二号店出店の知らせはうれしいが、手放しで喜べるとはいかなかった。しかしアクセス向上で幾度となくお世話になる事は間違いないので、今後も別スープの塩分濃度も計ってみたいと思った一杯でした。

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