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平日 晴天 10:30 待ちなし 後客4名〝小江戸川越 二泊三日ラーメンめぐり〟昨夜も二夜連続の川越の夜のネオン街を満喫したあと、本日の巡業の事を優先してホテルに戻った。大浴場のサウナで汗を流したが、さすがの一日四食には体重も増えていた。やはり夜ラーの身体への吸収は顕著に表れるようだ。本日も体調よろしく午前8時の目覚ましと共に起きた。朝風呂に入り、ゆっくりと本日の計画を立てる。そこで第一候補に挙がってきたのがコチラだった。RDBによると埼玉県川越市の総合ランキング第4位と評判もよく皆さんの写真からも好印象が伝わってくるので本日の一食目として初訪問を決めた。しかしRDBのお店情報のアクセスの欄に嫌な説明を見つけてしまった。「車、バイクがないとキツイでしょう」という言葉だった。最寄駅も明記されてないのでマップにてルート検索してみると、現在地の川越駅前から車で15分の距離なのに電車とバスだと1時間以上もかかるルートしか見つからない。それは徒歩ルートと変わらないくらいに遠回りになるのだ。これでは同じ川越市内に前泊した意味も分からなくなってしまうので、今回も昨晩と同じくタクシーで向かう事にした。11時開店前の現着を目指して10時のチェックアウトに合わせて駅前でタクシーを拾った。3千円近くはかかったが20分足らずで店の大きな駐車場まで着いた。駐車場内には車が数台停まっているが、従業員の車だろうか外待ちベンチには行列もなく、開店30分前の先頭にて待機をはじめる。郊外店らしいロケーションに佇む大きな店構えが地方巡業に来たことをより強く印象付ける。遠くからでも目立つ大きな立て看板も、らしさをアピールしている。店頭には最近テレビニュースで特集されたという食材入荷時のみの限定メニューの告知がある。その横にあるメニュー写真から本日のお題を検討するが、マイスタンダードである醤油系が筆頭を飾っているので迷うことなくそちらに決めた。平日という事もあってか開店10分前になっても行列は延びず、わずか私一人だけの並びのままに定刻になり白のれんが掛けられオープン。入ってすぐの券売機で決めておいたお題と味玉を追加発券してカウンターに腰を下ろし店内を見回す。郊外店らしい外観に伴ったテーブル席や座敷席も多くある、かなりの大箱を本日は四人体制で回している。カウンター越しには完全に独立した調理場が見える。大型を含め様々な大きさの寸胴鍋が見られるのは、スープの種類の多さを物語っている。店内には至る所にスープの素材の比内地鶏や特製麺のウンチクが貼られてある。そんな拘りに目を通していると、着席して5分で我が杯が到着した。その姿は白磁のオリジナル屋号入高台丼の中でシンプルで美しい造形美を見せる。茶系のワントーンで抑えられたシックな色合いが上品さを醸し出す。ちょっと失礼だが、田んぼの中のラーメンには見えない洗練された美がそこにはある。今回の川越めぐりで初めてのひとめぼれをした容姿だ。人間も性格が顔つきに出るように、ラーメンの見た目も味に出るので期待が高まる。まずは地鶏ならではの黄金色の鶏油のドットが液面に散りばめられた赤銅色のスープをひとくち。鶏油の厚みからガツンとした地鶏特有の野性味が主導するかと思ったら、さほどでも無かった。それが程よくクセのない鶏出汁となっている。全量比内地鶏ではなく鶏ガラなどを合わせる事で地鶏のコクや深みは引き出しながら、鶏ガラや乾物類の穏やかな旨みをプラスしている。よって地鶏一辺倒のスープにならず、幅も奥行きも兼ね備えた鶏主体のスープになっている。その懐の広いスープに合わせるカエシは今回の川越めぐりで幾度と出会った〝はつかり醤油〟である。この醤油を冠に掲げるだけあって、醤油の香味は高めに設定してあるが決して塩気は強く感じない。むしろ熟成したまろやかさをも感じるカエシだ。はつかり醤油の天然のアミノ酸を活かすために、もちろん非天然由来のアミノ酸などは一切感じない。酒を呑んだ翌日の身体の細胞ひとつひとつに染み渡るような旨みに、本日の一食目にして間違いなかった事を自身の身体で再確認した。麺上げまでジャスト70秒の中細ストレート麺は、これまた今回の川越めぐりで何度も目にした麺箱の〝丸富製麺〟の特注麺らしい。箸で持ち上げると加水率の低さが箸先に伝わる麺質から判断できる。しな垂れるような女性らしさはないが、強情っぱりにも見えない中性的な特注麺を啜って口に運ぶと、切刃のエッジを唇に感じる。その先には麺肌に浮かんだ細やかな小麦の粒子がザラつきとまでは言わないまでも、滑らかとは表現しがたい麺質が舌触りを刺激する。それからの咀嚼に対しては低加水麺でも十分なモッチリした歯応えを生んでいる。麺肌には適度な弾力があり、中心部はポソッととした特徴的な歯切れが楽しい噛みごたえを繰り返し与えてくれる。これには箸のスピードが速まるばかりだ。良質なスープに良質な麺への満足度が高いままに具材のチャーシューを食べてみる。先に鶏ムネ肉のレアチャーシューを見て切り口の形状の美しさに驚いた。低温調理では肉質の柔らかさが持ち味とされるため、手入れの悪い包丁だと切り方の角が立たないものだ。マグロの刺身の例えが分かりやすいが、どんなに高級なマグロの刺身でも盛り付けられた身の角が立ってないと断面もザラつくのと同じ事だ。こちらの鶏ムネチャーシューの切り口の角がピンと立っているのを見た時に舌触りの良さを確信した。実際に口にしても裏切る事なく繊細な舌触りで迎えてくれた。下味は弱めだが肉質の良さでカバーしている。一方の豚肩ロース焼豚は大判でしっかりと加熱されてこそ生まれる赤身の旨みが詰まっている。繊細な鶏ムネ肉と、赤身の肉々しい食感の対比が計算されていて感動ものだ。追加の味玉は唯一と言ってもいい程の残念な仕上がり。私だけにとってだが、提供温度の冷たさが気になった。開店直後の第1ロットなので味玉などの具材も常温に戻る時間がなかったのだとは思うが、温め直された味玉が好みなので冷たさが残る味玉からは旨みや〝味玉愛〟を感じられなかった。メンマは板メンマで大量に添えてあり食感でのアクセントを何度となく付けてくれた。薄味で特別な存在感こそないが、名脇役としてスープや麺とナイスコンビを見せてくれた。薬味の青ネギにも仕事がされていた。さらしネギは過剰なネギの風味を嫌う和食の薬味としては確立しているが、ラーメンの薬味としては切っぱなしの青ネギが多く使われている。個人的にはこの穏やかなスープには繊細な香りと食感のさらしネギが適してると思うので、薬味の存在価値を上げている。黒々とした海苔も香り高くて口溶けも素晴らしい質の高さが出ていた。上質な海苔を選んで仕入れている上に保存状態にも配慮されている証だろう。今回の川越めぐりでは今のところ最も好みに近く、採点も自己基準で美味しいと思った85点をオーバーした。もしチャンスがあれば再訪したいと思える店に出会った。大満足で見せを後にするのだが、今回も帰りの手段を考えてなかった事に気が付いて、しばし絶望の崖っぷちで途方にくれる事になった一杯でした。
最終日の9杯目はまたさらに遠いこちらでしたか! この場所は川越市よりも、新河岸や上福岡、南古谷の方が近い場所です。 川越はこちらの千葉店主が主に鶏文化を広めた方で、川越に多く鶏白湯の店があるのはこちらの影響が大きかったかもです。 醤油はもちろん初雁醤油を使ってるので、醤油抜きの塩そばの方がより旨さが強調されているような気がします。煮卵は残念でしたね。店によって価値観の違いはありますよね。
そうなんですね。では次回は鶏白湯を必食メニューにリストアップしておきます。川越って良い街ですね、車があれば。
〝小江戸川越 二泊三日ラーメンめぐり〟
昨夜も二夜連続の川越の夜のネオン街を満喫したあと、本日の巡業の事を優先してホテルに戻った。大浴場のサウナで汗を流したが、さすがの一日四食には体重も増えていた。やはり夜ラーの身体への吸収は顕著に表れるようだ。
本日も体調よろしく午前8時の目覚ましと共に起きた。朝風呂に入り、ゆっくりと本日の計画を立てる。そこで第一候補に挙がってきたのがコチラだった。RDBによると埼玉県川越市の総合ランキング第4位と評判もよく皆さんの写真からも好印象が伝わってくるので本日の一食目として初訪問を決めた。
しかしRDBのお店情報のアクセスの欄に嫌な説明を見つけてしまった。「車、バイクがないとキツイでしょう」という言葉だった。最寄駅も明記されてないのでマップにてルート検索してみると、現在地の川越駅前から車で15分の距離なのに電車とバスだと1時間以上もかかるルートしか見つからない。それは徒歩ルートと変わらないくらいに遠回りになるのだ。これでは同じ川越市内に前泊した意味も分からなくなってしまうので、今回も昨晩と同じくタクシーで向かう事にした。
11時開店前の現着を目指して10時のチェックアウトに合わせて駅前でタクシーを拾った。3千円近くはかかったが20分足らずで店の大きな駐車場まで着いた。駐車場内には車が数台停まっているが、従業員の車だろうか外待ちベンチには行列もなく、開店30分前の先頭にて待機をはじめる。
郊外店らしいロケーションに佇む大きな店構えが地方巡業に来たことをより強く印象付ける。遠くからでも目立つ大きな立て看板も、らしさをアピールしている。店頭には最近テレビニュースで特集されたという食材入荷時のみの限定メニューの告知がある。その横にあるメニュー写真から本日のお題を検討するが、マイスタンダードである醤油系が筆頭を飾っているので迷うことなくそちらに決めた。
平日という事もあってか開店10分前になっても行列は延びず、わずか私一人だけの並びのままに定刻になり白のれんが掛けられオープン。入ってすぐの券売機で決めておいたお題と味玉を追加発券してカウンターに腰を下ろし店内を見回す。郊外店らしい外観に伴ったテーブル席や座敷席も多くある、かなりの大箱を本日は四人体制で回している。カウンター越しには完全に独立した調理場が見える。大型を含め様々な大きさの寸胴鍋が見られるのは、スープの種類の多さを物語っている。店内には至る所にスープの素材の比内地鶏や特製麺のウンチクが貼られてある。そんな拘りに目を通していると、着席して5分で我が杯が到着した。
その姿は白磁のオリジナル屋号入高台丼の中でシンプルで美しい造形美を見せる。茶系のワントーンで抑えられたシックな色合いが上品さを醸し出す。ちょっと失礼だが、田んぼの中のラーメンには見えない洗練された美がそこにはある。今回の川越めぐりで初めてのひとめぼれをした容姿だ。人間も性格が顔つきに出るように、ラーメンの見た目も味に出るので期待が高まる。
まずは地鶏ならではの黄金色の鶏油のドットが液面に散りばめられた赤銅色のスープをひとくち。鶏油の厚みからガツンとした地鶏特有の野性味が主導するかと思ったら、さほどでも無かった。それが程よくクセのない鶏出汁となっている。全量比内地鶏ではなく鶏ガラなどを合わせる事で地鶏のコクや深みは引き出しながら、鶏ガラや乾物類の穏やかな旨みをプラスしている。よって地鶏一辺倒のスープにならず、幅も奥行きも兼ね備えた鶏主体のスープになっている。その懐の広いスープに合わせるカエシは今回の川越めぐりで幾度と出会った〝はつかり醤油〟である。この醤油を冠に掲げるだけあって、醤油の香味は高めに設定してあるが決して塩気は強く感じない。むしろ熟成したまろやかさをも感じるカエシだ。はつかり醤油の天然のアミノ酸を活かすために、もちろん非天然由来のアミノ酸などは一切感じない。酒を呑んだ翌日の身体の細胞ひとつひとつに染み渡るような旨みに、本日の一食目にして間違いなかった事を自身の身体で再確認した。
麺上げまでジャスト70秒の中細ストレート麺は、これまた今回の川越めぐりで何度も目にした麺箱の〝丸富製麺〟の特注麺らしい。箸で持ち上げると加水率の低さが箸先に伝わる麺質から判断できる。しな垂れるような女性らしさはないが、強情っぱりにも見えない中性的な特注麺を啜って口に運ぶと、切刃のエッジを唇に感じる。その先には麺肌に浮かんだ細やかな小麦の粒子がザラつきとまでは言わないまでも、滑らかとは表現しがたい麺質が舌触りを刺激する。それからの咀嚼に対しては低加水麺でも十分なモッチリした歯応えを生んでいる。麺肌には適度な弾力があり、中心部はポソッととした特徴的な歯切れが楽しい噛みごたえを繰り返し与えてくれる。これには箸のスピードが速まるばかりだ。
良質なスープに良質な麺への満足度が高いままに具材のチャーシューを食べてみる。先に鶏ムネ肉のレアチャーシューを見て切り口の形状の美しさに驚いた。低温調理では肉質の柔らかさが持ち味とされるため、手入れの悪い包丁だと切り方の角が立たないものだ。マグロの刺身の例えが分かりやすいが、どんなに高級なマグロの刺身でも盛り付けられた身の角が立ってないと断面もザラつくのと同じ事だ。こちらの鶏ムネチャーシューの切り口の角がピンと立っているのを見た時に舌触りの良さを確信した。実際に口にしても裏切る事なく繊細な舌触りで迎えてくれた。下味は弱めだが肉質の良さでカバーしている。一方の豚肩ロース焼豚は大判でしっかりと加熱されてこそ生まれる赤身の旨みが詰まっている。繊細な鶏ムネ肉と、赤身の肉々しい食感の対比が計算されていて感動ものだ。
追加の味玉は唯一と言ってもいい程の残念な仕上がり。私だけにとってだが、提供温度の冷たさが気になった。開店直後の第1ロットなので味玉などの具材も常温に戻る時間がなかったのだとは思うが、温め直された味玉が好みなので冷たさが残る味玉からは旨みや〝味玉愛〟を感じられなかった。
メンマは板メンマで大量に添えてあり食感でのアクセントを何度となく付けてくれた。薄味で特別な存在感こそないが、名脇役としてスープや麺とナイスコンビを見せてくれた。
薬味の青ネギにも仕事がされていた。さらしネギは過剰なネギの風味を嫌う和食の薬味としては確立しているが、ラーメンの薬味としては切っぱなしの青ネギが多く使われている。個人的にはこの穏やかなスープには繊細な香りと食感のさらしネギが適してると思うので、薬味の存在価値を上げている。
黒々とした海苔も香り高くて口溶けも素晴らしい質の高さが出ていた。上質な海苔を選んで仕入れている上に保存状態にも配慮されている証だろう。
今回の川越めぐりでは今のところ最も好みに近く、採点も自己基準で美味しいと思った85点をオーバーした。もしチャンスがあれば再訪したいと思える店に出会った。大満足で見せを後にするのだが、今回も帰りの手段を考えてなかった事に気が付いて、しばし絶望の崖っぷちで途方にくれる事になった一杯でした。