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「牡丹雪 ¥980」@ユキノマタユキの写真日曜日 晴天 21:30 先客1名 後客なし

〝ニューオープン狙いうち〟

先ほど無事に東北遠征の最後を飾った「杭州飯店」でのラストラーメンを終えると、かなりの待ち時間を経て燕三条駅から 19:08発 上越新幹線 とき 344号にて東京駅に21時ちょうどに帰ってきた。

いつもは旅の締めくくりを東京駅のラーメンストリートと決めているが、本日は新店めぐりをするために田町駅までひと足延ばしてやってきた。帰りの新幹線の車内でRDBの新店情報を漁っていると見慣れない店名のコチラがヒットした。お店情報では先月オープンしたばかりのようで、雪の漢字にこだわったメニューのネーミングセンスにも興味を惹かれた。日曜日も遅くまで営業されている事を確認すると東北遠征の労をねぎらう為に初訪問を決めた。

田町駅の三田口を出て高架陸橋を渡り階段を降りるとすぐに、大きな文字で「雪ノ又雪」と漢字で書かれた白のれんが掛けられた店を見つけた。入口の隣には地下鉄二路線の出入口があり、こちらからなら雨の日でも濡れることなく来店できる至便な立地に佇んでいる。本日は日曜日の遅い時間帯という事で田町駅周辺は人通りも少なく閑散としているが、そんな中でも23時まで営業している事をありがたく思いながら店頭の大きなメニューから品定めする。塩ラーメンに特化した店のようで初見ながらハイエンドメニューで挑もうと決めて店の中へ。

店の左手下座に置かれた券売機からお目当てのお題を発券してカウンターに腰を下ろし店内を物色する。こじんまりとしたカウンターだけの店内を本日はツーオペで回している。駅近なので坪数も小さく、調理場内はコックピットのように所狭しと調理機器が並べられている。そんな中でも特に目を引くのは、持ち手の分厚い大型の圧力寸胴鍋だ。スープ炊きに使われるものだろうが、狭い調理場内で圧倒的な居場所をとっている。しかしオープンして一ヶ月にもならない新店舗の調理器器にしては全てに年季が入っている。居抜き物件なのか中古機器をリユースしたのかは分からないが、清潔感というよりは風格すら感じられる。

そんな大御所感が漂う雰囲気の中で待つこと3分の早さで我が杯が到着した。その姿は逆さ富士の景色を思わせるような洒落たデザイナーズ丼の中で、屋号の雪を感じさせる風景を見せてくれる。白い濃淡のグラデーションが美しく、雪どけから顔を出す芽吹きを思わせる青菜も雪国の大地の息吹を想像させる。

まずは亜麻色のスープをひとくち。それは圧力鍋で炊いたとは思えない程に透明感があり驚いた。大まかな粒子の香味油が油膜となって熱発散を防いでいるので、かなり熱々のスープ温度のようだ。いざ口に含んでみると味覚よりも熱センサーが先に働くので、味の判断が鈍りはするが明らかに塩気が先導している事は把握できた。平日は翌4時まで営業されているとの事で、呑んだ後の〆を想定してか極めて高めの塩分設定となっている。先程まで新幹線の車内でビールを数本空けた私ですら塩気を強く感じてしまった。ウンチクによるとスープの土台には鶏ガラと魚介を合わせてあると書かれていたが、動物系よりも旨みのベースは昆布出汁が強くリードしている。清湯スープではあるがスープに若干のネバリがあるのは昆布由来のムチンによる粘性だろうか。しかしその昆布出汁の甘みでは太刀打ちできない程の塩気が舌の上に残る。これはパワフルな塩系が好きな人には中毒性がたまらないスープだろう。

続いて麺を箸で持ち上げてみると、かなり華奢なストレート細麺が現れた。極駅近なので回転率アップのスピード勝負も意識したのか、麺上げまでジャスト45秒の早茹でタイプを採用されている。細麺を採用しているのはそれだけが理由ではないだろうが、提供時間の早さは時間のない昼時のサラリーマンにはありがたい早さだろう。もちろん塩系スープと細麺の相性は申し分ないが、私には細麺の喉ごしの良さよりも、スープの塩気に負けないような小麦の甘みを感じさせてくれる麺の方が合っているように思えた。

具材のチャーシューは二種類が二枚ずつ。つまりはハイエンドメニューの牡丹雪とはチャーシュー(増し)麺の事のようだ。鶏ムネ肉のレアチャーシューは薄味ではあったが、スープとの共同作業によって味気なさは回避できた。一方の豚肩ロースの低温調理は提供時点で、すでにスープでタンパク質が熱変性していてレア感は楽しめなかった。しかし、それが功を奏したのか独特のチャーシューと化していた。豚肩ロースの赤身の筋繊維が縮むことで波状形になったチャーシューの食感が、とても肉々しい噛みごたえを生んでいた。その上に完熟フルーツにも似た甘みを利かせた広東式叉焼を思わせる下味が素晴らしく、出会った事のないタイプのレアチャーシューに意表をつかれた。

穂先メンマも果実を思わせる味付けで、チャーシュー同様に甘みをもってスープの塩気に立ち向かってくれていた。心強い仲間と思える具材たちだったが、束になって挑んでも勝てるようなスープの塩分ではなかった。

薬味はバラエティに富んだ色彩豊かな顔ぶれだった。それは五色に輝く〝ゴレンジャー〟の如く添えられている。薬味のリーダーを担うネギ類は白レンジャーの白髪ねぎと、彩り役の青みには茹でほうれん草の緑レンジャーが。そこに爽やかさを与えるのは、刻み柚子の黄レンジャー。さらに適時に刺激をプラスする役目は糸唐辛子の赤レンジャーだ。全体的にスープの個性を引き立てるのは、おぼろ昆布の薄緑レンジャー。そんな五人そろってゴレンジャーの活躍をみせてくれるはずだったが、やはり強気なスープの陰に隠れてしまって十分に発揮されてはいなかった。特に青み役の緑レンジャーの茹でほうれん草が業務用品だったのが残念で仕方ない。

最終的にはスープに手を付ける事は出来なかったが、この形状の器だと両手で持ち上げて飲み干す事は不可能に近いので悔しさも残す事なく箸とレンゲを置いた一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

東北帰りの都会拉麺な感じですかね!
こちら「雪ノ又雪」というネーミングは洒落てるというか、朝4時までとは資本系なのですか?
燕三条の平打ちぢれ麺と対象に、45秒の早茹細麺は、時間に追われる都会の寂しさをも感じる一杯なのかも。秋田のネオン街に帰りたくなりそうですね。秋田はいいよ〜美人だよ〜温かいよ〜!

虚無 Becky! | 2019年4月17日 11:41

資本系かは定かではないけど店頭のメニュー写真などは個人店では予算を組めないような豪華で立派なものでした。もしかしたら年季の入った厨房機器も資本系の使い回しなのでしょうかね。しかし都内にいても行くことない三田界隈なので朝4時の恩恵を受ける事はないかと思います。

余談ですが秋田美人よりも先に名古屋ブスからの同伴オファーを受けたので、今週末あたりで栄に錦を飾ってくる予定です。

のらのら | 2019年4月17日 15:53