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平日 晴天 10:50 先待ち1名 後待ちなし 後客1名〝ニューオープン パトロール〟またもや興味深い屋号の店を新店情報の中に見つけてしまった。そんなこちらは今月の初めにオープンしたようで、極端に情報は少ないが先入観なく味わえると思い初訪問を決めた。所在地は大塚ではあるが、別の所用に合わせて前日から宿をとって向かう事にした。その所用というのは10年以上も前によく訪れていた台湾料理店を久しぶりに訪ねる事である。なぜ久々の訪問となったかと言うと、そちらの台湾出身の名物女将が故郷の高雄に帰った事や、自身の引越しなどで足が遠のいてしまっていたのだ。その名物女将とは午前3時に店を閉めた後に、近所のスナックでカラオケを熱唱するほどの仲だったのだ。その後は後継者に店を譲ったという話は聞いてはいたが、足が店に向くことはなかった。そこで昨晩は久しぶりの台湾料理店に行ってみたが、女将のいない店には寂しさばかりを感じてしまう。台湾の屋台料理も干し梅を入れる紹興酒も美味しかったが何かが違うのは、店の雰囲気を作るのは働く人が大きく影響する事を改めて思った。久々を楽しむつもりが昔の思い出に浸ってしまい、結果として悲しい気持ちで店を後にした。その後は大塚の夜の顔を複雑な思いで楽しんでからホテルのベッドに身を沈めた。翌朝は10時にチェックアウトすると駅前でコーヒーを飲んでからこちらへと向かった。11時開店前を狙って早めに移動したので定刻の30分前の現着となったが、並びもないので近隣を散策してみる。入り組んだ繁華街をひと回りして店先に戻ると並びが発生しており、そこに続いて待機を始める。オシャレなガラス張りで清潔感のある明るい店構えは好印象だ。店内の準備の様子を眺めながら待っていると、定刻より3分早くオープンとなった。店内に入ると左手の券売機にて本日のお題を決めるのだが、オープン間もないせいかメニューは絞られていて悩む事はなかった。生姜醤油系とサイドメニューのごはん類だけとなっているので、味玉入りの生姜醤油ラーメンのボタンだけを押した。券売機のさらに左奥のウォーターサーバーでセルフで水を汲んで、順不同でカウンターに腰を下ろして店内を観察する。その前に渇いた喉を潤そうと飲んだ水に臭いがあるのが気になった。今回の改装で水回りも工事したと思うが、新しい配管の臭いが水に移っている。改装直後には多い問題点なので時間が経てば落ち着くとは思うが最初の印象としては残念だった。しかしラーメン以外の衛生面や接客は評価の対象としないので気を取り直して店内観察を続ける。客席のカウンターは木目を活かした温もりのある雰囲気で同調のチャーチチェアがお洒落に映える。卓上の調味料のラベルもオリジナルのデザインがされているので細部にまでこだわりが見える。目の前の調理場に目を向けると、中古の厨房機器などで一切見られない。それはレードル一本にまで徹底されていて、新店オープンへの意気込みを感じられる。その奥の仕込み場に目をやると、スープ炊き用の大型寸胴鍋がいくつも見られる。さらには最先端のスチコンまで鎮座しているので充実した厨房機器のラインナップだ。そんな店内を本日は客数よりも多い四人体制で回している。まだまだ認知度が低いのか、大塚という場所柄なのだろうか客の出足は良くないが名店の予感がヒシヒシと伝わってくる。そんな期待感の高まる中で待っていると、着席して6分で我が杯が到着した。その姿は白磁に花鳥の描かれた薄手の多用丼の中で、決して美しい盛り付けとは言えないがダイナミックな勇姿を見せつけている。それは器の口縁からはみ出した具材が思わせるのかもしれない。オシャレな内装とは違ってワイルドにも映る表情にアンバランスを感じながらレンゲを手にとった。まずは赤銅色のスープをひとくち。メニュー名にもあるように、天に盛られたおろし生姜を崩さぬようにスープの中にレンゲを沈めてすくってみる。さすがに香りの中には生姜を感じるが、醤油の香りも負けてはいない。いざスープを口に含むと、非常にキレのある醤油のエッジが先陣を切ってくる。豚主体の動物系清湯スープのような土台の上に、濃いめのカエシを利かせてあり少量の豚背脂でコクも加えている。老いを感じ始めた私の味覚には強めの塩分ではあるが、全体のバランスを考慮しての配分だと思い先へと進む。まだこの時点では、おろし生姜を溶いてない状態で麺をいただいてみる。なるだけ生姜から離れた部分の麺を箸で持ち上げてみると、切刃の角がハッキリと残った中細ストレート麺だ。その麺と麺の隙間にはたっぷりとスープが吸い上げられている。麺上げまでジャスト60秒の外注麺を一気にすすり上げてみると、見た目通りにスープと麺が織りなす一体感が伝わってきた。それはスープの塩気と麺の甘みのコントラストや、スープの香味油と麺肌のエッジが生み出す独特な口当たりとなって表れている。また程よい加水率とグルテンが適度な歯応えを与えてくれ、麺を噛みつぶす楽しみが続いていく。麺も三口目になる頃には生姜もスープに溶け出し始めると、新たな風味と刺激を重ねてくれる。ここまでは生姜の刺激はあるが、不純物の旨味などは一切感じない素晴らしい仕上がりのスープと麺に思えた。具材のチャーシューは部位違いの二種類で、豚バラと豚肩ロースが惜しげもなく大判で一枚ずつ入っている。どちらも厨房内のスチコン仕込みのロースト型であるが、肉質の違いを見事に引き出してある。赤身の多い豚肩ロースには、しっかりとした食べ応えで肉々しさを表現し、脂身と赤身のバランスが良い豚バラの方は脂身の甘みを活かした柔らか仕上げとなっていた。どちらも豚肉本来の旨みも残しながら、味付けもしっかりとしているので味気なさなど感じない素晴らしいチャーシューだ。その上、切り落としのチャーシューまでスープに沈んでいた。欲を言えば切り立てでの盛り付けはありがたいが、冷たいチャーシューの温度が気になった。本日は使われていなかったが、スープを沸かし直すガス台の横には何かを炙るための焼き台が設置されてあった。炙るまではしなくても、せめてチャーシューを温めてあれば脂身の口当たりが更に良いのではと考えてしまった。その提供温度の冷たさは追加した味玉にも感じられて残念な仕上がりだった。熟成度の低いさっぱりタイプの味玉なので、ハッキリした個性のあるスープの中では箸休め的な存在なのかもしれない。確かに味覚をリセットする役割を果たしてくれたが、好みの味玉とは違っていた。メンマは極太タイプで仕込まれていたが、硬めの食感を軽減するためか短めにカットされていた。なので歯応えとしては硬さもあるが、繊維質が残ったりしない配慮には客に対する思いやりと〝メンマ愛〟を感じた。薬味の白ネギの小口切りは、さり気なく水にさらされているので辛味を極力抑えてある。辛味は主役の生姜に任せて、白ネギは香りと食感の役目だけを担っているようだ。また青みのチンゲンサイも温め直す一仕事が印象を良くする。軽やかに残した食感もアクセントとなってくれた。主役でもあるおろし生姜は、見た目にはくすんだ色合いが安心安全を物語っている。必要以上に発色の良い業務用おろし生姜のように不自然な香りや辛味もなく、自然な生姜の風味と刺激がうれしい。また生姜の縦軸と横軸を熟知したおろし方も繊維を断ち切っていて素晴らしい。生姜と言えば冬場に本領を発揮するものだとばかり思っていたが、食欲を刺激する効果が夏場を迎えても活躍する事を身をもって知った。中盤からも自然な旨みと辛味に刺激されながら麺と具材は完食していた。やはりスープだけを飲むには私には塩気が強くレンゲを置いた。しかしながら新しい生姜系のラーメンとの出会いには感謝しながら店を後にした。次第にオペレーションも落ち着いて券売機にあった他のメニューもラインナップされるのだろうが、それを待たずに人気店となるオーラに満ちているので近々での再訪を心から望んだ一杯でした。
〝ニューオープン パトロール〟
またもや興味深い屋号の店を新店情報の中に見つけてしまった。そんなこちらは今月の初めにオープンしたようで、極端に情報は少ないが先入観なく味わえると思い初訪問を決めた。
所在地は大塚ではあるが、別の所用に合わせて前日から宿をとって向かう事にした。その所用というのは10年以上も前によく訪れていた台湾料理店を久しぶりに訪ねる事である。なぜ久々の訪問となったかと言うと、そちらの台湾出身の名物女将が故郷の高雄に帰った事や、自身の引越しなどで足が遠のいてしまっていたのだ。その名物女将とは午前3時に店を閉めた後に、近所のスナックでカラオケを熱唱するほどの仲だったのだ。その後は後継者に店を譲ったという話は聞いてはいたが、足が店に向くことはなかった。
そこで昨晩は久しぶりの台湾料理店に行ってみたが、女将のいない店には寂しさばかりを感じてしまう。台湾の屋台料理も干し梅を入れる紹興酒も美味しかったが何かが違うのは、店の雰囲気を作るのは働く人が大きく影響する事を改めて思った。久々を楽しむつもりが昔の思い出に浸ってしまい、結果として悲しい気持ちで店を後にした。その後は大塚の夜の顔を複雑な思いで楽しんでからホテルのベッドに身を沈めた。
翌朝は10時にチェックアウトすると駅前でコーヒーを飲んでからこちらへと向かった。11時開店前を狙って早めに移動したので定刻の30分前の現着となったが、並びもないので近隣を散策してみる。入り組んだ繁華街をひと回りして店先に戻ると並びが発生しており、そこに続いて待機を始める。オシャレなガラス張りで清潔感のある明るい店構えは好印象だ。
店内の準備の様子を眺めながら待っていると、定刻より3分早くオープンとなった。店内に入ると左手の券売機にて本日のお題を決めるのだが、オープン間もないせいかメニューは絞られていて悩む事はなかった。生姜醤油系とサイドメニューのごはん類だけとなっているので、味玉入りの生姜醤油ラーメンのボタンだけを押した。
券売機のさらに左奥のウォーターサーバーでセルフで水を汲んで、順不同でカウンターに腰を下ろして店内を観察する。その前に渇いた喉を潤そうと飲んだ水に臭いがあるのが気になった。今回の改装で水回りも工事したと思うが、新しい配管の臭いが水に移っている。改装直後には多い問題点なので時間が経てば落ち着くとは思うが最初の印象としては残念だった。しかしラーメン以外の衛生面や接客は評価の対象としないので気を取り直して店内観察を続ける。
客席のカウンターは木目を活かした温もりのある雰囲気で同調のチャーチチェアがお洒落に映える。卓上の調味料のラベルもオリジナルのデザインがされているので細部にまでこだわりが見える。目の前の調理場に目を向けると、中古の厨房機器などで一切見られない。それはレードル一本にまで徹底されていて、新店オープンへの意気込みを感じられる。その奥の仕込み場に目をやると、スープ炊き用の大型寸胴鍋がいくつも見られる。さらには最先端のスチコンまで鎮座しているので充実した厨房機器のラインナップだ。そんな店内を本日は客数よりも多い四人体制で回している。まだまだ認知度が低いのか、大塚という場所柄なのだろうか客の出足は良くないが名店の予感がヒシヒシと伝わってくる。そんな期待感の高まる中で待っていると、着席して6分で我が杯が到着した。
その姿は白磁に花鳥の描かれた薄手の多用丼の中で、決して美しい盛り付けとは言えないがダイナミックな勇姿を見せつけている。それは器の口縁からはみ出した具材が思わせるのかもしれない。オシャレな内装とは違ってワイルドにも映る表情にアンバランスを感じながらレンゲを手にとった。
まずは赤銅色のスープをひとくち。メニュー名にもあるように、天に盛られたおろし生姜を崩さぬようにスープの中にレンゲを沈めてすくってみる。さすがに香りの中には生姜を感じるが、醤油の香りも負けてはいない。いざスープを口に含むと、非常にキレのある醤油のエッジが先陣を切ってくる。豚主体の動物系清湯スープのような土台の上に、濃いめのカエシを利かせてあり少量の豚背脂でコクも加えている。老いを感じ始めた私の味覚には強めの塩分ではあるが、全体のバランスを考慮しての配分だと思い先へと進む。
まだこの時点では、おろし生姜を溶いてない状態で麺をいただいてみる。なるだけ生姜から離れた部分の麺を箸で持ち上げてみると、切刃の角がハッキリと残った中細ストレート麺だ。その麺と麺の隙間にはたっぷりとスープが吸い上げられている。麺上げまでジャスト60秒の外注麺を一気にすすり上げてみると、見た目通りにスープと麺が織りなす一体感が伝わってきた。それはスープの塩気と麺の甘みのコントラストや、スープの香味油と麺肌のエッジが生み出す独特な口当たりとなって表れている。また程よい加水率とグルテンが適度な歯応えを与えてくれ、麺を噛みつぶす楽しみが続いていく。麺も三口目になる頃には生姜もスープに溶け出し始めると、新たな風味と刺激を重ねてくれる。ここまでは生姜の刺激はあるが、不純物の旨味などは一切感じない素晴らしい仕上がりのスープと麺に思えた。
具材のチャーシューは部位違いの二種類で、豚バラと豚肩ロースが惜しげもなく大判で一枚ずつ入っている。どちらも厨房内のスチコン仕込みのロースト型であるが、肉質の違いを見事に引き出してある。赤身の多い豚肩ロースには、しっかりとした食べ応えで肉々しさを表現し、脂身と赤身のバランスが良い豚バラの方は脂身の甘みを活かした柔らか仕上げとなっていた。どちらも豚肉本来の旨みも残しながら、味付けもしっかりとしているので味気なさなど感じない素晴らしいチャーシューだ。その上、切り落としのチャーシューまでスープに沈んでいた。欲を言えば切り立てでの盛り付けはありがたいが、冷たいチャーシューの温度が気になった。本日は使われていなかったが、スープを沸かし直すガス台の横には何かを炙るための焼き台が設置されてあった。炙るまではしなくても、せめてチャーシューを温めてあれば脂身の口当たりが更に良いのではと考えてしまった。
その提供温度の冷たさは追加した味玉にも感じられて残念な仕上がりだった。熟成度の低いさっぱりタイプの味玉なので、ハッキリした個性のあるスープの中では箸休め的な存在なのかもしれない。確かに味覚をリセットする役割を果たしてくれたが、好みの味玉とは違っていた。
メンマは極太タイプで仕込まれていたが、硬めの食感を軽減するためか短めにカットされていた。なので歯応えとしては硬さもあるが、繊維質が残ったりしない配慮には客に対する思いやりと〝メンマ愛〟を感じた。
薬味の白ネギの小口切りは、さり気なく水にさらされているので辛味を極力抑えてある。辛味は主役の生姜に任せて、白ネギは香りと食感の役目だけを担っているようだ。また青みのチンゲンサイも温め直す一仕事が印象を良くする。軽やかに残した食感もアクセントとなってくれた。
主役でもあるおろし生姜は、見た目にはくすんだ色合いが安心安全を物語っている。必要以上に発色の良い業務用おろし生姜のように不自然な香りや辛味もなく、自然な生姜の風味と刺激がうれしい。また生姜の縦軸と横軸を熟知したおろし方も繊維を断ち切っていて素晴らしい。
生姜と言えば冬場に本領を発揮するものだとばかり思っていたが、食欲を刺激する効果が夏場を迎えても活躍する事を身をもって知った。中盤からも自然な旨みと辛味に刺激されながら麺と具材は完食していた。やはりスープだけを飲むには私には塩気が強くレンゲを置いた。
しかしながら新しい生姜系のラーメンとの出会いには感謝しながら店を後にした。次第にオペレーションも落ち着いて券売機にあった他のメニューもラインナップされるのだろうが、それを待たずに人気店となるオーラに満ちているので近々での再訪を心から望んだ一杯でした。