レビューやランキングで探す、日本全国ラーメン情報
祝日 曇天 11:05 先客なし 後客3名〝諸国麺遊記 沖縄編〟※ 台北から那覇経由で帰国する際は、入国審査が厳しいので注意が必要です。9月初旬に予約していた台湾遠征と、10月に計画していた沖縄遠征が相次いだ台風上陸で、どちらも中止を余儀なくされてしまった。そこで今回は無茶を承知で二つの日程を合わせたプランを練り直したのだった。しかし那覇空港の入国審査で、ヤクの運び屋ようなフライトスケジュールを怪しく思われたようで、別室での聞き取り調査と手荷物再検査が行われた。審査官にラーメンとサウナめぐりをしているだけと本当の事を言ってみても、まるで信じてもらえる様子がない。なので仕方なく過去のラーメンとサウナめぐりの写真を見せると、ようやく信じてもらえたようだ。すると、審査官のお気に入りの地元サウナとソーキそばを教えてもらった。密輸入を未然に防ぐための大事な仕事なので仕方なく、随分と時間は取られたが現地の有力情報を仕入れる事ができたので良しとした。今回の台北では「蔦」と「一燈」という、日本国内でも超人気店の海外店めぐりをした。夕方の出国を前に、まだ暑さの残る台北でかいた汗を流そうと老舗サウナに寄り道したのだ。昨夜の「金年華三温暖」に続いて台北サウナめぐり第二弾として訪れたのは「亜太三温暖」で、日本で言えばルミネのような商業施設の最上階にあるサウナ施設だ。こちらの更衣ロッカーもゴージャスで異国情緒があり、裸になるだけで気分が上がる。まずは身体を洗って最初に向かったのがサウナで、ここも広い室内が印象的だ。床には絨毯が敷き詰められていて、そこで座禅を組んでる人もいる。入口の扉の下には小窓があり、外気が入り込んでくるので下段の温度は低めである。しかし上段のサウナストーン近くは高温を維持して、しっかりと汗をかく事ができた。噂には聞いていた水温7℃の水風呂に入ってみたが、30秒もすると記憶が遠のき命の危険すら感じた。昨晩の10℃の水風呂を遥かに下回る水風呂には手も足も出なかった。2セット目に入った薬草蒸し風呂は視界ゼロの蒸気で満たされ、高湿度ながら温度も高い。その後に向かった〝冷療室〟という小部屋も真価を発揮していた。さほど冷たく感じない室内のベンチに座ると、背後から程よい冷気が吹いてくる。火照った身体を背中から包み込むような風で一気に、ととのいの向こう側へと誘われた。露天風呂や外気浴のない施設でも、新たな〝ととのう〟を知る事ができた。この施設の最大の目玉は、もう一つの水風呂だろう。もはや水風呂と言うよりはプールほどの大きさで、それは 25mプールも凌ぐ広さである。水温は高いが、いくつもの滝や打たせ水があり、至る所で水しぶきが上がっている。日本の古いサウナでもよく見かけるライオンの口から水が出ているのだが、その内の一つから出てくる水の量が半端ないのに驚いてしまった。その水の勢いは、新歓コンパで調子に乗りすぎた大学生の末路を思わせる。基本的な施設は日本と変わりないが、明確に異なるのが休憩所の装いだ。そこに足を踏み入れた瞬間は、銀座の高級クラブにでも来たような錯覚を受ける。ゴージャスなソファが並んだ景色は、自分が大金持ちにでもなった気分だ。注文した缶ビールがぬるいが、初めから氷入りのグラスが付いてくるので冷たいビールを楽しむ事ができた。本日のツマミは軽めに水餃子と思ったが、15個も入っていのにも驚いた〝サ活〟だった。滞在時間24時間弱という名残り惜しさを感じながら台湾桃園空港を飛び立った。那覇空港までは羽田からだと3時間ほどかかるフライトも、台北からだと1時間で着いた。到着後に予定してい〝ラ活〟のために、慌ただしい機内食をパスして胃袋にスペースを空けておいた。先ほど説明した入国審査を経て那覇空港から、ゆいレールでRDB沖縄県総合ランキング第1位に君臨している店がある古島駅に向かったのだ。たどり着いた駅前の商業施設の二階にある店に、閉店間際の20時半に間に合った。早仕舞いもされてなく、まだ外待ちの列も続いていた。急いで最後尾に着けて、店先に貼られたメニューを見て愕然とした。まさかの「つけ麺専門店」だったのだ。都内でも、つけ麺には手を出していないが「旅の恥は何とか」が頭をよぎり、初つけ麺レビューが沖縄となる事も考えた。しかしポリシーを貫いて沖縄初日のラーメンを諦めたのだった。せっかく機内食を抜いてまで来たのに、待っていたのは死刑宣告だった。自暴自棄になった私は、昨晩の台北でのネオン街を我慢した鬱憤ばらしを那覇の夜にぶつける事にした。ひとまずは予約しておいたサウナ付きのリゾートホテルで汗を流して、ホテルの最上階にあるバーでオリオンの樽生ビールで下地を整えた。そのあと向かったのが、那覇最大の歓楽街である松山だった。タクシーのドライバーさんによると、飲み屋のキャッチが集まっているエリアがあると聞いたので連れて行ってもらった。タクシーを降りると代わる代わる声をかけてくるキャッチの中から、オリオン樽生ビールが飲めるキャバクラを選んだ。ここで言っておくが、キャバクラに来たのは下心ではなく、あくまでも沖縄のサウナとラーメンの現地リサーチのためである。実際にはキャバクラの女の子からラーメン情報を得ようと思っていたのだが、最初に着いてくれた子は横須賀生まれで、いわゆるリゾキャバ嬢だった。しかし8年も沖縄に住んでいて、サウナやラーメンも好きらしいので話を聞いてみた。沖縄の女性は裸はおろか水着になるのも恥ずかしがる若い子が多いらしく、大衆浴場に行くのはお年寄りばかりと言っていた。そんな女の子と横須賀のラーメンの話題で盛り上がってしまい、気が付けば場内指名をしてシャンパンを2本も入れてしまった。本当は沖縄なまりの女の子との会話を楽しみたかったのだが、ラーメンの話題となると我を忘れてしまっていた。色っぽい話をひとつもする事なく時間だけが過ぎていき、その分お会計の金額も増えていった。その代償と言ってはなんだが、しっかりとラーメン情報も聞き出してホテルに戻った。翌朝はキャバ嬢から仕入れた情報を元に、朝メシがてらに那覇で人気店のこちらへ向かった。偶然にもRDBランキングで第2位となっていたので、大いに期待して地元の路線パスに乗り込んだ。那覇バスの車内で、キャバ嬢が言っていた言葉が気になっていた。それは「ソーキそばとラーメンは違う食べ物」と言っていた事だ。彼女によれば日本蕎麦とラーメンが別物であるように、ソーキそばとラーメンも違うと言うのだ。私自身は単なるラーメンめぐりで訪れたつもりの沖縄だったが、ソーキそばにも地域によって違いがある事を初めて知った。これから向かう店は、南大東島がルーツの大東そばだと聞いた。その他にも八重山そば、宮古そばとあるらしいが、その違いは分からないままに最寄りの松尾一丁目バス停に15分ほどで着いた。そこからパラダイス通りというナイスネーミングな通りを少し歩くと、黄色い幟旗が風に揺れる店先を見つけた。開店時間の11時を少し過ぎてしまったが、ガラス窓越しに見える店内には客人はおらず、本日の一番客として店内に入った。券売機はないようなので、ひとまずはセルフでお冷を持ってきて、カウンターに腰を下ろした。そこで店内に貼られたメニューを見て、基本と思われる表題の中盛りを店員さんに告げてから店内観察をはじめた。カウンターの他にもテーブル席や座敷もある店内を、本日は二人体制で回している。壁には多くの有名人のサイン色紙が飾られてあり、人気の高さを物語っている。すぐに調理もスタートしており、着席して4分と早い時間で我が杯が到着した。その姿は沖縄らしい読谷山焼 (やちむん) の切立丼の中で、これまた沖縄らしい表情を見せてくれた。その姿を見た瞬間に店内の雰囲気と相まって、いま自分が沖縄にいる事を再認識する。そんな都会では味わえない独特の空気が流れる店内で、本場のソーキそばに期待を込めてレンゲを手にした。まずは利休白茶色のスープをひとくち。この南国の地でも液面からは湯気が立ち昇っているので、かなり高温のスープと思われる。その純白の湯気に伴って鰹出汁の香りが、そよ風のように鼻先をくすぐった。食文化の違いでレンゲは置かれてないので丼を両手で持ち上げてスープを口に含むと、鶏ガラや豚骨由来と思われる動物性コラーゲンが上唇と下唇を癒着させる。濃度は少ないがコラーゲンの含有量の多さを、まずは唇が感じとった。香りは鰹出汁で旨みは動物系出汁が担っている組み合わせとなっているが、苦手な旨味成分が後押ししてくる。しかし旅先なので書き記す事はやめておこう。続いては、独特のスタイルで準備されていた麺を楽しむ事にした。その独特さとは、下茹でした麺を注文が入ってから温め直してから盛り付ける工程だ。私が入店した時は、ちょうど麺の下茹での真っ最中だった。180秒で下茹でされた麺をバットに広げると、おもむろにカウンターの棚の上に置いた。すぐさま、扇風機の風を利用して茹で上がった麺を冷ましていた。聞くところによれば、これがソーキそばの基本スタイルのようだが、今では生麺を最初から茹でて提供する店もあるらしい。しかし昔ながらのスタイルは、この方法らしい。(キャバ嬢談)180秒の下茹でを経て、さらに120秒かけて温め直された麺をスープの中から拾い上げてみた。その箸先には、トータル 300秒の茹で時間にも耐えた太麺が現れた。私のイメージではソーキそばはストレート麺だと思っていたが、よじれのような波を打った太麺が意外だった。これが王道の大東スタイルらしい (キャバ嬢談) およそ26センチと長めに切り出しされた麺を一気にすすり上げると、強情そうな見た目とは異なる滑らかな口当たりで滑り込んできた。思いもよらないツルツルとした麺肌が心地良さをアピールすると、もっちりとした食感で応えてくれる。この弾力のある噛み応えが、カンスイではなく大東そばならではの灰汁の作用なのだろうかと感心してしまった。次に、ソーキそばが生まれた理由でもある具材に着目してみる。それこそがソーキであり、豚のあばら肉が由来らしい。一般的な薄切りのチャーシューとは異なり、骨付きカルビ数本分を塊り肉のまま煮込んだ具材だ。少し甘めに味付けされたソーキは、指で骨が抜けるくらいに柔らかく仕込まれている。それなのに赤身由来の肉々しい食べ応えを有する部分も残ってあったりと、食感の変化が楽しめる。あばら肉の他にも軟骨ソーキも入っていたが、三枚肉にはない独特の歯応えを生んでいた。もう一つの具材には定番らしい練り物のかまぼこが添えたあったが、残念ながら出生不明の具材に箸を付ける事はなかった。薬味の青ネギに鮮度の良さは感じられないが、粗々しい歯触りと強い香りが印象に残った。中盤以降も麺の弾力が増してくるようで、ラーメンにはない食べ応えを楽しみ続けた。やはり内地で食べるソーキそばとは、ひと味もふた味も違って感じた。それには、この穏やかな時の流れが調味料となっているような気がした一杯でした。
まさかの…沖縄~(゚д゚)! こう来るとは思っても見なかったです^^; 残るは福島…あそこかな~?レポ、楽しみにしてます!
ぴろさん、こんにちは。いよいよ残すところ福島だけになりました!私の中では福島のラーメンは期待が大きすぎるので、心を落ち着かせてから行ってみたいと思いますw 一週間くらいかけて温泉めぐりでもしながら行けると良いですね。
〝諸国麺遊記 沖縄編〟
※ 台北から那覇経由で帰国する際は、入国審査が厳しいので注意が必要です。
9月初旬に予約していた台湾遠征と、10月に計画していた沖縄遠征が相次いだ台風上陸で、どちらも中止を余儀なくされてしまった。そこで今回は無茶を承知で二つの日程を合わせたプランを練り直したのだった。しかし那覇空港の入国審査で、ヤクの運び屋ようなフライトスケジュールを怪しく思われたようで、別室での聞き取り調査と手荷物再検査が行われた。
審査官にラーメンとサウナめぐりをしているだけと本当の事を言ってみても、まるで信じてもらえる様子がない。なので仕方なく過去のラーメンとサウナめぐりの写真を見せると、ようやく信じてもらえたようだ。すると、審査官のお気に入りの地元サウナとソーキそばを教えてもらった。密輸入を未然に防ぐための大事な仕事なので仕方なく、随分と時間は取られたが現地の有力情報を仕入れる事ができたので良しとした。
今回の台北では「蔦」と「一燈」という、日本国内でも超人気店の海外店めぐりをした。夕方の出国を前に、まだ暑さの残る台北でかいた汗を流そうと老舗サウナに寄り道したのだ。
昨夜の「金年華三温暖」に続いて台北サウナめぐり第二弾として訪れたのは「亜太三温暖」で、日本で言えばルミネのような商業施設の最上階にあるサウナ施設だ。こちらの更衣ロッカーもゴージャスで異国情緒があり、裸になるだけで気分が上がる。まずは身体を洗って最初に向かったのがサウナで、ここも広い室内が印象的だ。床には絨毯が敷き詰められていて、そこで座禅を組んでる人もいる。入口の扉の下には小窓があり、外気が入り込んでくるので下段の温度は低めである。しかし上段のサウナストーン近くは高温を維持して、しっかりと汗をかく事ができた。
噂には聞いていた水温7℃の水風呂に入ってみたが、30秒もすると記憶が遠のき命の危険すら感じた。昨晩の10℃の水風呂を遥かに下回る水風呂には手も足も出なかった。2セット目に入った薬草蒸し風呂は視界ゼロの蒸気で満たされ、高湿度ながら温度も高い。その後に向かった〝冷療室〟という小部屋も真価を発揮していた。さほど冷たく感じない室内のベンチに座ると、背後から程よい冷気が吹いてくる。火照った身体を背中から包み込むような風で一気に、ととのいの向こう側へと誘われた。露天風呂や外気浴のない施設でも、新たな〝ととのう〟を知る事ができた。
この施設の最大の目玉は、もう一つの水風呂だろう。もはや水風呂と言うよりはプールほどの大きさで、それは 25mプールも凌ぐ広さである。水温は高いが、いくつもの滝や打たせ水があり、至る所で水しぶきが上がっている。日本の古いサウナでもよく見かけるライオンの口から水が出ているのだが、その内の一つから出てくる水の量が半端ないのに驚いてしまった。その水の勢いは、新歓コンパで調子に乗りすぎた大学生の末路を思わせる。
基本的な施設は日本と変わりないが、明確に異なるのが休憩所の装いだ。そこに足を踏み入れた瞬間は、銀座の高級クラブにでも来たような錯覚を受ける。ゴージャスなソファが並んだ景色は、自分が大金持ちにでもなった気分だ。注文した缶ビールがぬるいが、初めから氷入りのグラスが付いてくるので冷たいビールを楽しむ事ができた。本日のツマミは軽めに水餃子と思ったが、15個も入っていのにも驚いた〝サ活〟だった。
滞在時間24時間弱という名残り惜しさを感じながら台湾桃園空港を飛び立った。那覇空港までは羽田からだと3時間ほどかかるフライトも、台北からだと1時間で着いた。到着後に予定してい〝ラ活〟のために、慌ただしい機内食をパスして胃袋にスペースを空けておいた。先ほど説明した入国審査を経て那覇空港から、ゆいレールでRDB沖縄県総合ランキング第1位に君臨している店がある古島駅に向かったのだ。たどり着いた駅前の商業施設の二階にある店に、閉店間際の20時半に間に合った。早仕舞いもされてなく、まだ外待ちの列も続いていた。急いで最後尾に着けて、店先に貼られたメニューを見て愕然とした。
まさかの「つけ麺専門店」だったのだ。
都内でも、つけ麺には手を出していないが「旅の恥は何とか」が頭をよぎり、初つけ麺レビューが沖縄となる事も考えた。しかしポリシーを貫いて沖縄初日のラーメンを諦めたのだった。せっかく機内食を抜いてまで来たのに、待っていたのは死刑宣告だった。
自暴自棄になった私は、昨晩の台北でのネオン街を我慢した鬱憤ばらしを那覇の夜にぶつける事にした。ひとまずは予約しておいたサウナ付きのリゾートホテルで汗を流して、ホテルの最上階にあるバーでオリオンの樽生ビールで下地を整えた。そのあと向かったのが、那覇最大の歓楽街である松山だった。タクシーのドライバーさんによると、飲み屋のキャッチが集まっているエリアがあると聞いたので連れて行ってもらった。タクシーを降りると代わる代わる声をかけてくるキャッチの中から、オリオン樽生ビールが飲めるキャバクラを選んだ。
ここで言っておくが、キャバクラに来たのは下心ではなく、あくまでも沖縄のサウナとラーメンの現地リサーチのためである。実際にはキャバクラの女の子からラーメン情報を得ようと思っていたのだが、最初に着いてくれた子は横須賀生まれで、いわゆるリゾキャバ嬢だった。しかし8年も沖縄に住んでいて、サウナやラーメンも好きらしいので話を聞いてみた。
沖縄の女性は裸はおろか水着になるのも恥ずかしがる若い子が多いらしく、大衆浴場に行くのはお年寄りばかりと言っていた。そんな女の子と横須賀のラーメンの話題で盛り上がってしまい、気が付けば場内指名をしてシャンパンを2本も入れてしまった。
本当は沖縄なまりの女の子との会話を楽しみたかったのだが、ラーメンの話題となると我を忘れてしまっていた。色っぽい話をひとつもする事なく時間だけが過ぎていき、その分お会計の金額も増えていった。その代償と言ってはなんだが、しっかりとラーメン情報も聞き出してホテルに戻った。
翌朝はキャバ嬢から仕入れた情報を元に、朝メシがてらに那覇で人気店のこちらへ向かった。偶然にもRDBランキングで第2位となっていたので、大いに期待して地元の路線パスに乗り込んだ。那覇バスの車内で、キャバ嬢が言っていた言葉が気になっていた。それは「ソーキそばとラーメンは違う食べ物」と言っていた事だ。彼女によれば日本蕎麦とラーメンが別物であるように、ソーキそばとラーメンも違うと言うのだ。私自身は単なるラーメンめぐりで訪れたつもりの沖縄だったが、ソーキそばにも地域によって違いがある事を初めて知った。これから向かう店は、南大東島がルーツの大東そばだと聞いた。その他にも八重山そば、宮古そばとあるらしいが、その違いは分からないままに最寄りの松尾一丁目バス停に15分ほどで着いた。そこからパラダイス通りというナイスネーミングな通りを少し歩くと、黄色い幟旗が風に揺れる店先を見つけた。
開店時間の11時を少し過ぎてしまったが、ガラス窓越しに見える店内には客人はおらず、本日の一番客として店内に入った。券売機はないようなので、ひとまずはセルフでお冷を持ってきて、カウンターに腰を下ろした。そこで店内に貼られたメニューを見て、基本と思われる表題の中盛りを店員さんに告げてから店内観察をはじめた。カウンターの他にもテーブル席や座敷もある店内を、本日は二人体制で回している。壁には多くの有名人のサイン色紙が飾られてあり、人気の高さを物語っている。すぐに調理もスタートしており、着席して4分と早い時間で我が杯が到着した。
その姿は沖縄らしい読谷山焼 (やちむん) の切立丼の中で、これまた沖縄らしい表情を見せてくれた。その姿を見た瞬間に店内の雰囲気と相まって、いま自分が沖縄にいる事を再認識する。そんな都会では味わえない独特の空気が流れる店内で、本場のソーキそばに期待を込めてレンゲを手にした。
まずは利休白茶色のスープをひとくち。この南国の地でも液面からは湯気が立ち昇っているので、かなり高温のスープと思われる。その純白の湯気に伴って鰹出汁の香りが、そよ風のように鼻先をくすぐった。食文化の違いでレンゲは置かれてないので丼を両手で持ち上げてスープを口に含むと、鶏ガラや豚骨由来と思われる動物性コラーゲンが上唇と下唇を癒着させる。濃度は少ないがコラーゲンの含有量の多さを、まずは唇が感じとった。香りは鰹出汁で旨みは動物系出汁が担っている組み合わせとなっているが、苦手な旨味成分が後押ししてくる。しかし旅先なので書き記す事はやめておこう。
続いては、独特のスタイルで準備されていた麺を楽しむ事にした。その独特さとは、下茹でした麺を注文が入ってから温め直してから盛り付ける工程だ。私が入店した時は、ちょうど麺の下茹での真っ最中だった。180秒で下茹でされた麺をバットに広げると、おもむろにカウンターの棚の上に置いた。すぐさま、扇風機の風を利用して茹で上がった麺を冷ましていた。聞くところによれば、これがソーキそばの基本スタイルのようだが、今では生麺を最初から茹でて提供する店もあるらしい。しかし昔ながらのスタイルは、この方法らしい。(キャバ嬢談)
180秒の下茹でを経て、さらに120秒かけて温め直された麺をスープの中から拾い上げてみた。その箸先には、トータル 300秒の茹で時間にも耐えた太麺が現れた。私のイメージではソーキそばはストレート麺だと思っていたが、よじれのような波を打った太麺が意外だった。これが王道の大東スタイルらしい (キャバ嬢談) およそ26センチと長めに切り出しされた麺を一気にすすり上げると、強情そうな見た目とは異なる滑らかな口当たりで滑り込んできた。思いもよらないツルツルとした麺肌が心地良さをアピールすると、もっちりとした食感で応えてくれる。この弾力のある噛み応えが、カンスイではなく大東そばならではの灰汁の作用なのだろうかと感心してしまった。
次に、ソーキそばが生まれた理由でもある具材に着目してみる。それこそがソーキであり、豚のあばら肉が由来らしい。一般的な薄切りのチャーシューとは異なり、骨付きカルビ数本分を塊り肉のまま煮込んだ具材だ。少し甘めに味付けされたソーキは、指で骨が抜けるくらいに柔らかく仕込まれている。それなのに赤身由来の肉々しい食べ応えを有する部分も残ってあったりと、食感の変化が楽しめる。あばら肉の他にも軟骨ソーキも入っていたが、三枚肉にはない独特の歯応えを生んでいた。
もう一つの具材には定番らしい練り物のかまぼこが添えたあったが、残念ながら出生不明の具材に箸を付ける事はなかった。
薬味の青ネギに鮮度の良さは感じられないが、粗々しい歯触りと強い香りが印象に残った。
中盤以降も麺の弾力が増してくるようで、ラーメンにはない食べ応えを楽しみ続けた。やはり内地で食べるソーキそばとは、ひと味もふた味も違って感じた。それには、この穏やかな時の流れが調味料となっているような気がした一杯でした。