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昨今の二郎BOOMも落ち着き、聖地三田を離れること一年。
本店ロットマスターとしての重責から解放された私は、亜流店などの物見遊山の日々を送っていたのだが、最近ある噂を耳にした。

ラーメン二郎総帥、二郎氏のご子息の三郎氏が三田本店で修行中だというではないか!
しかし、三郎さんが店に来てからというもの、未熟なためか麺は細く、スープは薄くなり、水は出し忘れる有様だという。
水の出し忘れは前からなのでいいとして、これは由々しき事態。

他の常連組は何をやってるんだ!?
周知のとおり、店を育てるのは常連の仕事。

ご子息の三郎さんは、まだ小さい頃によく遊んであげたことはないが、総帥とは話したこともない!
しかし、ラーメン二郎は私の親も同然。その宗家の息子ということは私のブラザーでもあるということだ!

ここはひとつ、かつてのロットマスターとして老体に鞭を打ち、お忍びで伺い、厳正なるロットジャッジのもと、もしギルティと判断された場合は、少々荒っぽいが、総帥に対して無言で苦言を呈することも辞さない!

かくして、三田本店に10:30頃到着。敢えてファーストロットを避けたのは、三郎さんに隠し豚で懐柔されたファーストの連中(遠方からの遠征組が多い。ロットを重んじる熱烈なジロリアン)から手厚い歓迎を受ける可能性があったからだ。
かつての同門に手荒な真似は避けたいところ。

しかし、この時間でも伏兵が潜んでいる恐れがあったので、オーダーは念のために小の麺少なめ。バトルを仕掛けられて、のんびり食べられるほど大人ではない。

一礼の後に、すかさず三郎さんを探す。いた!

ホウ・・・なかなかいい面構えだ。

総帥の面影を色濃く残した精悍なマスクの成年は、どことなく三谷幸喜にも似ている。
わき目も振らず仕事に精を出すその様には好感が持てる。

どうやら、噂はまったくのデマで、私の心配は杞憂に終わったようだ。
いや、まだ安心は出来ない。肝心の味のほうはどうなのだ!?

ムウ・・・

確かに麺は細くなったようだ。
太さでいえば大勝軒のそれと近い。

スープはどうだ?
薄い・・・カネシの切れもない。

豚は!?
パサい。脂身もテュルンテュルンではない。煮込み不足なのだ。これでは十分な出汁の出ようはずもない。

ライトな二郎と呼ぶことも出来るが、喜多方ラーメンと表現したほうが近いかもしれない。

ギルティ・・・

無言で総帥にそれを伝えようと思ったその刹那、ひとつの考えが頭をよぎった。

まさか!夏・・・バージョン!?

二郎の分家の中には、冬と夏でスープを変える店があると聞く。
そう、これは猛暑の中行列する私たちに美味しく食べてもらうための、二代目のはからいなのだ。いや、それどころか、最近の濃い味ブームとやらに対するアンチテーゼなのかもしれない。

恐れ入った。くだらぬ邪推で、二代目を疑った自分を恥じると共に、老舗の伝統に胡坐をかくことなく、新しい味を探求するそのイノベーティブなスピリットに感服した。

ごちそうさん。いい修行をなさっているね。

丼を高台に戻し、一礼の後、言葉を発さず、背中でそう言い残したところで、いつものブレであることに気がついた。

投稿(更新) | コメント (4) | このお店へのレビュー: 4件

コメント

楽しくレビューを読ませていただきました。

のんまみん | 2010年9月8日 08:33

夏の最後を締めくくるCOOLな作品を今回も楽しませていただきました。もりたぽさんの二郎ネタは鉄板ですね。

KARMA | 2010年9月11日 12:35

通り掛かりのものですが、コメントに「愛」を感じました。

ELT | 2010年9月17日 17:36

>のんまみん様
ありがとうございま~す!(^0^)/~

>mancanchangehisstars様
最高の賛辞をありがとうございます!これからも、もっと×2頑張りMUSCLE p(^-^)q

>ELT様
愛ですね(*^-^*) 愛といえば、総帥とディズニーランドに行った夢を思い出しました(*^o^*)

ロットエンジェルもりたぽ | 2010年10月7日 15:37