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今まで何店舗か暖簾分けした弟子達の店に行ったが、池袋が生活行動圏でない為、いつかは行こうと思いつつ、今の今迄この本店には行った事が無かった。二月に店をたたまれると言う話を聞くに及び、元祖の味を知らぬままでは居れまいと思い立ち、ついに出向く。
古いアパート「角ふじ荘」の一階部分にある店は恐ろしく古い佇まいであり、以前散々ほっつき歩いた上海の裏町に来たような気分にさせられる。十二時少し前に到着したのだが、既に二十人ばかりの行列が出来ている。店が狭いので入り口でお冷のグラスを手渡されるのが面白い。まるでグラスが入店チケットのようだ。
店の雰囲気と言い、出されたもりそばと言い、上品さは欠片も無い。「ざっかけない」と言う言葉はこの店の為にあるようなものだろう。はっきり言って、スープ作りに出来合いの鶏がらスープも使っているようであるし、何を使っても美味くなりゃいい、と言うスタンスらしい。
もりそばのつけ汁は甘っぽい味が強い。メンマも甘く、茹で玉子の黄身まで甘い。この甘い玉子は他の大勝軒ではお目にかかった事が無い。私は結構好感を持ったが、甘い味が苦手な人には辛いかも知れない。チャーシューは四角く切ってあり、しっかりした歯応えがあって、味の濃いつけ汁に負けない存在感であるが、脂身は無いのでしつこさは感じない。因みに私の丼には端の部分が入っていたので少々得をした気分になったものである。
ここの麺を食してみて気付いたのだが、大勝軒系列の麺に「コシ」や「歯応え」を求めるのは間違いであった、と言う事である。ざっかけない食べ物にはざっかけない食べ物の楽しみ方があると言うものだろう。正直、麺自体は別に良いとは思わなかったが、味覚の琴線に触れる何かがあるのである。上手く表現出来ないが、高度なざっかけなさの調和とでも表現して置こう。
最後にスープ割りを頼もうと思ったが、丁度スープの注ぎ足しが始まってしまい、いただけなかったのが心残りである。こうなると是非とも頂きたいので、閉店までにもう一度行って見ようと思う。まだ客がいるのにスープの仕込み直しを始めてしまう辺り、「ざっかけないなぁー」と思いつつ勘定を済ませる。
先程から「ざっかけない」を連発して来たが、変にオリジナルぶって小手先の工夫をする弟子達の店が、このざっかけなさの前には小賢しいものにさえ思えてしまうのである。

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