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「二郎とは何なのだろう?」

長年の念願であった(?)本日の聖地巡礼にあたり、二郎について考えていたら、ふとこんな事を思い出しました。


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以前に、東池大勝軒インスパイア系のお店を経営している方と話す機会があり、「今度、二郎系のお店を新しく出す事にしました。」との事。東池大勝軒インスパイア系の繊細で緻密なスープ調整で仕上げるラーメンとは系統が違うと思われる二郎系について彼はこう話しました。

 「最初は、“何だこれは?”と思った。でも、おいしいと思ったんですよ〜。」

どうやらプロの味覚もってしても予想外の計算できない味だったらしく、彼は衝撃を受けたようです。また、新しいお店を出すにあたり、今のお店で使用している麺とは別に新しい麺を開発するとの事。今のお店の麺は東池袋大勝軒系伝統のもちもち感のある麺なのですが、麺の素材である小麦粉も今使用している小麦粉とは全く別の品を用意して、新しいスープに合わせて麺を創り上げていくそうです。
一見、大味に作られているように見える二郎のラーメンは、意外にも緻密に計算された精密機械の様に仕上げられる繊細な一品である事を認識させられた瞬間でした。
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さて、話題は戻りまして(^^;、聖地巡礼です。
三田駅を降りてダッシュで慶応大学前を通りすぎると、12時45分に到着した時には既に30人近くの待ち人の山山山です。行列はお店の入り口から続いてビルの角を折り返し、ビルの裏側にあるお店の勝手口まで到達していましたが、ひるまず行列に接続しました。開けっ放しの勝手口からはスープのいい香りが漂い、仕事に励む総帥の御姿が店内に見えます。初めて見る聖地は想像よりも小さく、昔ながらのラーメン屋の外観です。
1時30分に正面入り口に到達して食券販売機で小ぶたを選択、出てきたプラスチックのプレートを手にして待っていると、店員さんから声が掛かり、黄色いプレートを見せてアイコンタクト完了。店内の席が空いた所で入場し、コの字型のカウンター席の中から総帥の作業場の真正面になる超VIP席(?)を選択して着席しました。

初めて見る生総帥。
総帥の姿は京成大久保二郎の店内に飾られていた写真でしかお目に掛かった事が無く、仕事に励んでいる総帥の姿を目の前にしてチョット感激。社訓が背中に書かれた黄色のTシャツを身にまとう総帥は一見柔和な印象ですが、白いバンテージが何枚も巻かれた総帥の右手の指からは、二郎の歴史を創り上げてきた“ゴッドハンド”のオーラが漂い、歴戦の勇者を彷彿とさせます。

麺の茹で上げは、網目の入った「デポ」に麺の塊を投入して茹でる方法では無く、「平ざる」を使用して麺を湯の中で自由に泳がせて茹で上げる方法です。平ざるを使用する方法は、デポ使用よりも麺を茹でる手間がかかる手法で繊細な技術を要しますが、デポ使用時よりも麺が上質に仕上がるので、茹で湯の中を気持ち良さそうに泳いでいる麺の姿に、麺のコシの良さや麺表面のツルツル感の良さを期待してしまいます。
途中、総帥は薄茶色の飲み物が入ったコップを手に取り、一気に飲み干して一呼吸すると、再び仕事に集中、もしかして昼からビール?と思いきや、テーブルの上にはウーロン茶のペットボトルが置かれていて一安心。やがて、自分の席の目の前で総帥のゴッドハンドによってチャーシューが切り刻まれ、総帥の「ニンニクいれますか」?の声が掛かったものの、午後の会議を控えていたのでニンニク無しを選択、野菜・カネシ・アブラもすべてデフォで依頼、総帥自らの手渡しで「小ぶた」を受け取っていよいよ賞味開始です。


まずは、スープから。
薄茶色のスープは以前に食した二郎・京成大久保の時と同じ印象で、粘度・濃厚度は抑え目です。スープの印象をあえて表現すれば
 「家系よりも豚骨濃度を抑え、野菜の甘みとグルの旨みをベースに、カネシを隠し味に調整した豚系スープ。」
という感じです。スープだけを単体で飲むと、豚の旨みや野菜の甘みを瞬間的に感じる事はできても「じわっと広がる深み」を感じる事はできません。でも、これは、総帥が計算ずくでやっている事。天地返しをした後に、総帥が創り上げてきた「芸術品」の真価が発揮されます。

続いて、平ざるで茹で上げられた麺、野菜、チャーシューです。
自分の二郎の麺に対するイメージであった「粗いゴワゴワ感」を一掃する期待通りの上質な仕上がりで、ツルツル感と食感も良く噛み応えも抜群です。聳え立つ山盛りの野菜はもやしとキャベツが半々位でシャキシャキ感も良好です。チャーシューは味付けを抑えたソリッドな仕上がりで、個人的にはちばからのような「タレにドップリ漬かったチャーシュー」が好きなので、これは好みの分かれる所です。

いよいよ、野菜・チャーシュー・麺を一気にほおばります。
ムシャムシャガツガツとアゴが外れる勢いで噛み締めると、それぞれの旨みが口の中に溶け出し化学反応を起こすがの如くスパークし、新しい旨みが新種創生されて一気爆発〜とっても美味しい〜〜!。スープだけ飲むと大人しい印象でしかないのに、すべての具材を同時に噛み締めた瞬間にそれぞれの具材の旨みが化学反応を起こして新しい旨みに生まれ変わり、美味さがピークパワーに達して炸裂するように設計された総帥の一品。噛み締め続ける時に美味さが最大限に発揮される、まさに緻密に計算されて仕上げられた「芸術品」です。大粒の汗が額を流れてきますが、なりふり構わずスープがスーツに飛び散る事も気にせず、美味さを最大限に味わいたい一心で箸を止めずにひたすらドドォ〜っとガッつき続け、5分足らずでフィニッシュです。


二郎は、車に例えるとF1のフェラーリ。
普通の乗用車用エンジンが低回転・トルク重視のパワーレンジセッティングで市街地での低速運転志向の「万人向け」であるのに対し、F1のエンジンは高回転・高出力でピークパワーを発揮するセッティングで、高度な運転技術を要求されるF1ドライバーによってのみ初めて100%の性能を発揮できる「使い手側を選ぶエンジン」。決して万人向けではありませんが、強烈なポテンシャルと個性を秘めて人を魅了する“芸術品”フェラーリが放つ官能的なエキゾーストノートの如く、二郎は食べる側の食本能をダイレクトにグイグイと刺激するのです。これはまさに「人を惑わせる魔性の食べ物」。フェラーリと同様「芸術品」の領域である二郎をこの世に創出した総帥の偉大さに改めて感嘆させられます。

それにしても、総帥は凄い人だと思います。
大勝軒の巨匠・山岸御大は偉大であったけれど、後続の弟子や大勝軒インスパイア系のお店が提供する完成度の高いハイレベルな一杯に超えられた部分もあったし、既にラーメン界から身を引いてしまった中、総帥は数多くの弟子を世に送り出し、二郎インスパイア系を増殖させている今においてもなお「誰の挑戦でも受ける!」と言い放ったアントニオ猪木の如く第一線で戦い続けている現役のファイター。
「アイ アム レジェンド」はウィル・スミス主演の虚構世界の映画ですが、現実世界の中で現役継続中の「生きる伝説」はごく僅か。ミュージックシーンに大きな影響を与え続ける偉大なミュージシャン“スローハンド”エリック・クラプトンと同様、“ゴッドハンド”総帥はまさにラーメン界に今も影響を与え続ける「生きる伝説」と言えるのではないでしょうか。


総帥の放つオーラの前に、今日は写真を撮る勇気は出ませんでした。
本日の満足度は92%。今日は「生きる伝説」の渾身の一杯に純粋に酔いました。
自分にとって二郎とは、「ラーメンの既成概念を覆した歴史的な一杯」です。

投稿(更新) | コメント (4) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

こんばんわ

聖地巡礼乙でした。しかもかなりの満足のようで何よりです。
二郎は食べれば食べるほど。。。すげえ食い物ですね♪

うこんさま | 2007年12月26日 20:08

あけましておめでとうございます〜と申します。
コメント頂戴しありがとうございますw
二郎・・・
面白いですよね〜各店を巡ってみるとますます魅力的に思えてくるのがまた不思議です(笑)
ここ数年三田にはお邪魔できていないのですが、総帥のお元気な様子をレビューで拝見し
嬉しく思っておりますww
今後ともよろしくお願いいたします。

| 2008年1月1日 09:53

あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。

二郎デヴューおめでとうございます。
それにしてもシュワッチさんはメジャー級の店を攻めますねぇ〜ww

ジン1971 | 2008年1月1日 18:00

あけましておめでとうございます
本年も宜しくお願いしますぃ〜!

コメント遅くなりました(汗)すいません
さて、凄いレビューですね〜!
>「アイ アム レジェンド」
コレは良い例えですね〜!正に生き残った伝説の人かも知れません
私も此方のラーメンを1回食べましたが
感動しましたよ〜
やはり二郎といえば「ニンニク」なので
次回は是非 ニンニク入りで試してください〜
会議の無い時に。。。。。

Liberty | 2008年1月5日 16:50