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平日 晴天 10:25 先待ち1名 後待ち15名以上〝今年の店は今年のうちに〟という事で、年内中に今年オープンした店の中で未訪問店を出来るだけ廻ってみようと思い立ち計画を実行中なのだ。そこで本日は年明け用の買い物のために訪れた銀座界隈での新店を検索していると12月8日にオープンしたばかりのこちらがヒットした。下調べをしてみると神田の人気店の3号店とあるがそちらのラーメンは好みのタイプではなかった印象が強く同系の仕様だと残念だがRDBのお店情報に〝無化調〟のアナウンスがある。これは是非にと思い初訪問を決めた。買い物は後回しにして11時開店前の現着を目指す。歌舞伎座の脇を進むと徐々に銀座の高級感が薄れてくる落ち着いた場所に新しい外観のこちらを見つけた。さすがに開店40分も前で誰もいないのでビルの日陰での待機は老いた身体には堪えるので店先が見える近くの公園から張り込みを開始する。公園に着くと直ぐに一人の並びが出来たので慌てて戻り二番手をキープする。さすがに寒風吹きすさぶビルの谷間は体温を奪う。しかしこの苦行も熱々のラーメンの為ならと耐え応える。そんな思いを分かつ同志の列は増え続け開店10分前には道路を挟んだ行列は15名以上にもなっていた。そんな苦行を見かねてか定刻より5分も早く開店となった。店内に入り券売機の前に立つが迷う事のない中華そばだけの絞り込まれたラインナップだ。この後も歳末の駆け込み連食の予定なので特製は避けたが味玉は外せなかった。わずか六席のカウンター席の真っ白なカバーの掛けられた椅子に座り高級感のある店内を眺める。まず驚くのはオープン間もないのもあるだろうが六席の客席に対して五人体制での営業だ。決して広くない店内をほぼマンツーマンでの切り盛りの人件費はかなりだろう。そのため接客の心配りは細かな所にまで行き渡っている。その上に什器や消耗品にまで高級感がある。厚手のおしぼりや吉野杉の帯付き利休箸は高級寿司屋でも使っていない店もあるほどの一級品だ。調理場に目をやると中古品や型落ちの厨房機器などは全くなく全てがピカピカの新品なのは3号店を銀座に出店出来るだけの資金力の高さを感じて仕方ない。個人店ではこうはいかないだろう。さらに調理道具にまで高級感を演出する仕掛けがしてある。ロースト用の電気式のサラマンダーは最新型が設置されている。スープを沸かし直す小鍋にまで気が配られていて非常に手入れが大変な銅製の高級雪平鍋をラーメン店で見たのは初めてだ。そんな緊張感のある空気の中で背筋を正して待っていると 1stロットで我が杯が到着した。ワンロット2杯の丁寧なオペレーションも待ち時間を除けば食べ手にとってはこの上なく有難い。その姿は屋号の入った口縁の広い白磁の反高台丼の中でキラキラと眩く輝いている。地鶏特有の黄金の鶏油が店内の光を乱反射してそう見えるのだ。まずは琥珀色のスープをひとくち。熱くはないスープの中で慣れない香りが口の中を占領するのは貝の出汁独特の風味だ。塩系の主流になりつつある貝出汁を加える店が増えてはいるが、いずれもベースの出汁の影に隠れて旨みや香りを補うような使い方が多い。しかしこのスープは先陣を切って貝が現れてきた。感じた事のないファーストアタックに驚いたが後続にはしっかりと丸鷄ベースのコクや旨みも控えている。深みはあるのだろうがラーメンのスープとしては個性的というか強いクセを感じてしまう。旨味を重ねるために使われているローストキノコや生ハム、ドライトマトなどの西洋のスープの旨味を引き立てる食材が和の要素を逸脱させているように思い馴染みづらいスープになっている。麺はストレートの細麺で麺上げまで70秒ほど。好みとは違うが柔らかな口当たりでハリやコシは感じないが軽やかで食べやすい麺だと思う。柔らかく溶け出したグルテンがスープを持ち上げるので一体感も生まれている。ただ食感に力強さがなく物足りなさを感じてしまう。そうめんにもコシを求めてしまう私には残念なタイプの細麺だった。具材はローストされた豚バラ焼豚の形の良い部分が盛り付けてある。柔らかすぎず赤身と脂身の質感の違いを残してありクドくもなくサッパリし過ぎてもいないジャストな焼豚だ。味付けは薄味だが補うように刺激の強いペッパーキャビアが振ってありアクセントとなっていた。追加した味玉はほんのりと色づいてはいるが味は塩味しか感じない。特に熟成しているわけでも無いので味玉としては寂しい。食べやすいが物足りない。メンマは太めだが解ける繊維を楽しめる食感は素晴らしかった。味付けも程よく主張しないが口溶けの良さは一級品だと思う。そんなメンマの食感が頼りない麺の助けをしてくれた。薬味はシンプルに青ネギのみだが香りが高い鮮度の良いネギはスープのクセを和らげシャキッとした歯触りが麺の食感にメリハリを付けていた。最後までスープには馴染みにくさがありスープは残したが不自然な旨味は感じずにレンゲを置いた。食べ終えて店を出ると寒空の下の行列は更に続いていた。その行列の中には外国人観光客の姿は一人もいないが、半年後には逆に日本人の姿を見つける方が難しくなっている気がした。食べている最中には思わなかったが帰り道に銀座を歩く外国人観光客を見てそう思った。スープの温度や洋風の旨味、麺の柔らかさや具材の食べやすさ。その上シンプルでオーダーしやすいメニューと客単価が跳ね上がる高額限定メニューのダブル構成。何よりも銀座という立地と外国人が喜ぶ高級感のある和食の雰囲気と佇まいはメディアをキッカケに人気が爆発するのは間違いないと思った。そんな観光地化する前に行けた事を心から良かったと思う一杯でした。
〝今年の店は今年のうちに〟
という事で、年内中に今年オープンした店の中で未訪問店を出来るだけ廻ってみようと思い立ち計画を実行中なのだ。
そこで本日は年明け用の買い物のために訪れた銀座界隈での新店を検索していると12月8日にオープンしたばかりのこちらがヒットした。下調べをしてみると神田の人気店の3号店とあるがそちらのラーメンは好みのタイプではなかった印象が強く同系の仕様だと残念だがRDBのお店情報に〝無化調〟のアナウンスがある。これは是非にと思い初訪問を決めた。
買い物は後回しにして11時開店前の現着を目指す。歌舞伎座の脇を進むと徐々に銀座の高級感が薄れてくる落ち着いた場所に新しい外観のこちらを見つけた。さすがに開店40分も前で誰もいないのでビルの日陰での待機は老いた身体には堪えるので店先が見える近くの公園から張り込みを開始する。
公園に着くと直ぐに一人の並びが出来たので慌てて戻り二番手をキープする。さすがに寒風吹きすさぶビルの谷間は体温を奪う。しかしこの苦行も熱々のラーメンの為ならと耐え応える。そんな思いを分かつ同志の列は増え続け開店10分前には道路を挟んだ行列は15名以上にもなっていた。
そんな苦行を見かねてか定刻より5分も早く開店となった。店内に入り券売機の前に立つが迷う事のない中華そばだけの絞り込まれたラインナップだ。この後も歳末の駆け込み連食の予定なので特製は避けたが味玉は外せなかった。
わずか六席のカウンター席の真っ白なカバーの掛けられた椅子に座り高級感のある店内を眺める。まず驚くのはオープン間もないのもあるだろうが六席の客席に対して五人体制での営業だ。決して広くない店内をほぼマンツーマンでの切り盛りの人件費はかなりだろう。そのため接客の心配りは細かな所にまで行き渡っている。その上に什器や消耗品にまで高級感がある。厚手のおしぼりや吉野杉の帯付き利休箸は高級寿司屋でも使っていない店もあるほどの一級品だ。
調理場に目をやると中古品や型落ちの厨房機器などは全くなく全てがピカピカの新品なのは3号店を銀座に出店出来るだけの資金力の高さを感じて仕方ない。個人店ではこうはいかないだろう。さらに調理道具にまで高級感を演出する仕掛けがしてある。ロースト用の電気式のサラマンダーは最新型が設置されている。スープを沸かし直す小鍋にまで気が配られていて非常に手入れが大変な銅製の高級雪平鍋をラーメン店で見たのは初めてだ。
そんな緊張感のある空気の中で背筋を正して待っていると 1stロットで我が杯が到着した。ワンロット2杯の丁寧なオペレーションも待ち時間を除けば食べ手にとってはこの上なく有難い。その姿は屋号の入った口縁の広い白磁の反高台丼の中でキラキラと眩く輝いている。地鶏特有の黄金の鶏油が店内の光を乱反射してそう見えるのだ。
まずは琥珀色のスープをひとくち。熱くはないスープの中で慣れない香りが口の中を占領するのは貝の出汁独特の風味だ。塩系の主流になりつつある貝出汁を加える店が増えてはいるが、いずれもベースの出汁の影に隠れて旨みや香りを補うような使い方が多い。しかしこのスープは先陣を切って貝が現れてきた。感じた事のないファーストアタックに驚いたが後続にはしっかりと丸鷄ベースのコクや旨みも控えている。深みはあるのだろうがラーメンのスープとしては個性的というか強いクセを感じてしまう。旨味を重ねるために使われているローストキノコや生ハム、ドライトマトなどの西洋のスープの旨味を引き立てる食材が和の要素を逸脱させているように思い馴染みづらいスープになっている。
麺はストレートの細麺で麺上げまで70秒ほど。好みとは違うが柔らかな口当たりでハリやコシは感じないが軽やかで食べやすい麺だと思う。柔らかく溶け出したグルテンがスープを持ち上げるので一体感も生まれている。ただ食感に力強さがなく物足りなさを感じてしまう。そうめんにもコシを求めてしまう私には残念なタイプの細麺だった。
具材はローストされた豚バラ焼豚の形の良い部分が盛り付けてある。柔らかすぎず赤身と脂身の質感の違いを残してありクドくもなくサッパリし過ぎてもいないジャストな焼豚だ。味付けは薄味だが補うように刺激の強いペッパーキャビアが振ってありアクセントとなっていた。
追加した味玉はほんのりと色づいてはいるが味は塩味しか感じない。特に熟成しているわけでも無いので味玉としては寂しい。食べやすいが物足りない。
メンマは太めだが解ける繊維を楽しめる食感は素晴らしかった。味付けも程よく主張しないが口溶けの良さは一級品だと思う。そんなメンマの食感が頼りない麺の助けをしてくれた。
薬味はシンプルに青ネギのみだが香りが高い鮮度の良いネギはスープのクセを和らげシャキッとした歯触りが麺の食感にメリハリを付けていた。最後までスープには馴染みにくさがありスープは残したが不自然な旨味は感じずにレンゲを置いた。
食べ終えて店を出ると寒空の下の行列は更に続いていた。その行列の中には外国人観光客の姿は一人もいないが、半年後には逆に日本人の姿を見つける方が難しくなっている気がした。
食べている最中には思わなかったが帰り道に銀座を歩く外国人観光客を見てそう思った。スープの温度や洋風の旨味、麺の柔らかさや具材の食べやすさ。その上シンプルでオーダーしやすいメニューと客単価が跳ね上がる高額限定メニューのダブル構成。何よりも銀座という立地と外国人が喜ぶ高級感のある和食の雰囲気と佇まいはメディアをキッカケに人気が爆発するのは間違いないと思った。
そんな観光地化する前に行けた事を心から良かったと思う一杯でした。