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「(松) 特級中華そば ¥950」@自家製麺 くろ松の写真日曜日 晴天 13:55 中待ち9名 外待ち7名 後待ち12名

〝上州高崎 一泊二日ラーメンめぐり〟

先ほど午前中の「ラーメンキッチン いいづか」での高崎めぐり一食目を終えると、何とかギリギリで運行本数の少ない帰りのバスに間に合って高崎駅まで戻ってきた。

何を隠そう今回の高崎遠征では、もうひとつの目的があったのだ。それは以前から開催しているRDBのスパコンとの対決のためでもあったのだ。そこで今回の高崎めぐりの二軒目として選んだのがコチラなのだ。

そこで今回は〝第32回 RDBの超高性能スーパーコンピューターが算出したオススメ店は本当に私に合うのか!〟を連動して開催する。

このイベントは、RDB PC版のオススメに挙がる六店舗から対戦相手を選び、その店のイチオシではなく、自分の好きそうなメニューを食べて採点し超高性能スパコンとの勝敗を決めるものである。決してお店との勝負ではないのは理解していただきたい。

採点基準は90点以上付いたなら私のKO負け、80点以上ならば判定負け、70点台なら引き分けとし60点台なら判定勝ち、59点以下の点数ならば私のKO勝ちとする。

過去31戦の対戦相手は「風雲児 」「麵屋一燈 」「煮干しつけ麺宮元 」「竹末東京プレミアム 」「さんじ 」「麺処 晴」「燦燦斗」「神田 勝本」「中華そば屋 伊藤」「麺処 ほん田」「煮干中華ソバ イチカワ」「麺屋 和利道 warito」「らーめん 芝浜」「らーめん かねかつ」「狼煙〜NOROSHI〜」「ラーメン大至」「中華ソバ 伊吹」「麺処 朧月」「Bonito Noodle RAIK」「中華蕎麦 とみ田」「陽はまたのぼる」「神田とりそば なな蓮」「ソバダイニング クアトロ」「旬麺しろ八」「MENSHO」「麺小屋 てち」「らーめん 鉢ノ葦葉本店」「らぁ麺 飛鶏」「中華そば 勝本」「◯心厨房」「家系総本山 吉村家」と名だたる有名店や人気店が並ぶが、通算対戦成績は31戦14勝8敗8分7KO 1没収試合と現在は私の勝ちがリードしている。

現時点では地方遠征の影響で都内のラーメン店が一軒もオススメ店に挙がっていない。そこで関東近郊まで足を伸ばすために高崎遠征を計画したのが第一の理由なのだ。

正午ちょうどに戻ってきた高崎駅のカフェで時間の経過と消化具合を見計らったところで対決場所のコチラへと向かった。今度は西口から、まちなかぐるりん0都心循環線に乗車して最寄りのスズラン前バス停まで5分で着いた。そこからは高崎城跡を左手に見ながら公園内を歩いて行くと10分足らずで黒塀に白のれんの揺れる店先が見えてきた。店先には屋号の由来なのだろうか大きな黒松の盆栽が出迎えてくれた。休日の昼すぎなので想定していた行列は意外にも少なく思いながら最後尾に続いた。店頭のメニュー看板から本日のお題を決めて対決の時を待った。

徐々に前へと進み店内の様子が見えるポジションにまで来ると、店内待ちの多さに驚かされた。やはり人気店だけに中外を含めると総勢15名以上の行列があったようだ。ようやく外待ち20分を経て中待ちへと昇格すると、涼しげな風鈴の音色の下の中待ちベンチにて店内観察を開始する。

コンクリートの打ちっ放しと木目調のカウンターを融合させた、オシャレで清潔感のある内装が目を惹く。レジカウンターの上には神棚も祀られてあり、ラーメン店でよく見かける「あきらめねぇよ‼︎」と書かれた東北復興支援タオルも飾られている。そんな店内を本日は四人体制で回されているが、どうやら奥様は身重のようでお腹の感じからは臨月くらいに思われるがホールを主に仕切っておられる。中待ち途中に奥様にオーダーを聞かれたので、ハイエンドのメニューをお薦めの白醤油でお願いした。そんな体調でも見事に行列をさばいて誘導する姿を心配ながらに見ていると、計45分の並び時間でカウンターに昇格した。それもご主人の目の前の特別リングサイド席に案内された。

そこからの景色は圧巻で調理場の奥には品川麺機の製麺機が設置されており、実際に麺切りの最中であった。ロール状に巻かれた麺帯が切刃を通って切り出しされると、麺線となってまとめ上げられている。出来るだけ切り立ての麺を使われているという事なので、これは自家製麺への期待は高まるばかりだ。茹で麺機も大型の二連式を見ると修行先の目黒「かづ屋」の系譜を思わせる。勿論テボは使用せず平ザルで麺上げ作業を行われていた。さらには業務用真空包装機や低温調理器も揃っていた。充実した厨房設備やご主人の平ザルさばきに見とれていると、着席して5分も待たずに我が杯が到着した。

その姿は朱赤色の雷紋柄切立丼の中で、息を呑むような美しい景色で出迎えてくれた。これが美味しくないわけがないと、初対面で思えるほどの衝撃だった。いわゆる特製なので具材が多くて隠れてはいるが。実に美しく整えられた麺が一糸乱れぬ姿でスープの中で流れて見える。本日の二食目ではあったが、早く味わいたいと居ても立っても居られずにレンゲを手にした。

まずは金朱雀色のスープをひとくち。鶏油の粒子と言うよりは、大きなかたまりとなって液面に浮かんでいるのが特徴的だ。スープの色調よりも明らかに濃い油膜が液面の半分以上を覆い隠している。ある程度のオイリー感を想像しながらレンゲをスープに沈めてみると、蜘蛛の子を散らすように鶏油が分裂したのには驚いた。スープをすくったレンゲからは何とも言えない美味そうな香りが立ち昇ってくる。たまらずにスープを口に含んでみると、油膜の厚みからは想像できないくらいのサラリとした口当たりだがコクは十分に感じる。下地の淡い色合いのスープには鰹節と煮干しを主体とした魚介の風味が潜んでおり、鶏油のコクを重ねて深みと広がりを加えている。一切の雑味を感じないのはフレンチの〝コンソメ ド ヴォライユ〟の技法を用いて、一点の曇りもない透明感のあるスープを作り上げているのだろう。またカエシの白醤油がスープに汚れを付けずに味わいの輪郭だけを形成しているので、塩っぱくもなくボヤける事もなくベストの塩梅で寄り添っている。修行先とは違ったワンランク上の静寂さを誇る清湯スープには驚きと感動を与えてもらった。

大興奮のままに麺上げまで60秒ほどの自家製麺を箸で持ち上げてみる。全粒粉のフスマが淡く残った浅黒な麺肌と、切刃のエッジがシャープに浮き出た麺質が他ではお目にかかれないオリジナリティを感じさせてくれる。箸先からもラーメンでは感じたことのない手応えがあり、ロングパスタのようなハリとコシの強さが伝わってくる。やや透明感もある中細ストレート麺を躊躇なくすすり上げると、今まで感じたことのない鋭い口当たりが襲ってきた。しかしそのキレのあるすすり心地が素晴らしく、たまらず直ぐに二口目をすすっていた。想像以上にハリがありグルテンの弾力をダイレクトに感じられる歯応えと歯切れの良さも完璧ながら、喉越しまでも軽快とくれば申し分ない仕上がりの自家製麺だ。製麺室には複数の粉袋が見られたのでオリジナルの小麦粉の配合で打たれた麺なのだろう。このすすり心地の良さは他では味わえないと言うことは、麺の切り立てにも理由があるのかもしれないと思った。

具材のチャーシューは鶏肉と豚肉で仕込まれた二種類の低温調理タイプ。低温調理と言っても生っぽさばかりを主張するようなレアチャーシューとは別次元の仕上がりを見せる。先に淡白そうな鶏ムネ肉の方から食べてみると、かなりの肉厚にスライスされたゆえの噛み応えもある。目の前の鍋には低温調理器が 61℃に設定されていたので、真空処理された鶏ムネチャーシューの仕込み中だと思われる。基準温度よりも 1℃だけ高めなのがこだわりなのだろうか、しっかりと熱は通っていながらもしっとりとした舌触りも再現されている。もちろん下味のソミュール液の浸透もよく味もボヤけていない。

一方の豚肩ロースの低温調理チャーシューは、過去のレアチャーシューの中でも群を抜いた逸品だった。チャーシューも切り立てにこだわり、盛り付け直前に電動スライサーで切り分けられていた。その事が生み出す切り口の滑らかさは、まるでシルクのように繊細で潤いを帯びていた。こちらも味付けも抜群で赤身本来の旨みを残しながらハッキリとした味付けも施してあった。しかし驚いたのは切り口のみずみずしさで、こんなにジューシーな低温調理チャーシューを食べた事がないと言ってもよい仕上がりだった。広東式叉焼派の私が初めて唸ったレアチャーシューだ。

それだけで終わらずにメンマは今までで一番と言い切れる特別なメンマだった。極太タイプの完全乾燥メンマを一から下処理されて作られたメンマにも感動してしまった。柔らかいだけでなく、麻竹の繊維質を感じさせてくれる軽やかな舌触りは残してある。また発酵食品特有の発酵臭も取り除き過ぎないように残してある。そんな丁寧な下処理の上に、キリッとした味付けを加えて味わいも食感もキレよくアクセントになっている。これまた細メンマ派の私が唸るような極太メンマに高崎で出会ってしまった。

ここまではパーフェクトな展開だったが、自身の勝手な〝味玉論〟とは逆のタイプの味玉であった事は残念だった。それはスープに寄せた味付けなのだろうが、熟成度のない半熟たまごに少しだけ純米大吟醸酒の香りを付けただけの味玉は好みから外れていた。

特製扱いなのでワンタンも二個入っていたが、鶏ひき肉の餡に大葉をアクセントで和風らしく仕上げてあった。肉餡の大きな日式ワンタンで食べ応えはあるが、ワンタン皮が厚手であったりと喉越しを楽しむタイプのワンタンではなかった点も私には少し残念だった。特にワンタン皮を寄せた部分が重たくなり食感を悪くしていた。

青みも本来は散々とアンチカイワレ派を貫いてきたので茹で青菜を使われていない事は残念だったが、こちらのカイワレにはこだわりが見られたので単なる手抜き食材ではないと知った。それは盛り付け寸前に必要分だけを包丁で切り分けて使われていた点だ。これには切り口の鮮度の良さばかりでなく、ご主人の心意気を感じてしまった。出来るだけの切り立てにこだわった仕事ぶりには、アンチカイワレ派の私でも納得せざるを得ない青みであった。また薬味の青ネギを短冊状に切っているのは理由があるようで小口切りにすると終始スープに混ざってくるので不必要に感じる時もあるが、この切り方ならば必要な時にだけ口にすれば青ネギの香りを加えられるので邪魔にならずに脇役となってくれる。私はこの切り方には大賛成だ。

気が付けば、いわゆる〝秒〟での完食完飲となっていた。二食目であった事を全く感じさせない軽やかさのままに器の底が見えていた。味玉とワンタンだけは好みと違ったが余裕で大台を突破するラーメンであった。

これではスパコンのオススメに対しても圧倒的に完敗だと感じ、スパコン対決での初めての90点オーバーとなり私のKO負けたなってしまった。しかし今までも、この負けを望んで対戦してきただけにうれしさもひとしおである。

これにて通算対戦成績は32戦14勝9敗8分7KO勝ち1KO負け1没収試合となり、まだまだスパコンに勝ち越しているが初KO負けとなった。

無残なまでに大敗を喫したのに何故だか気分良く今夜の高崎での寝床さがしをすると、大好きなサウナと大浴場を完備したホテルを近くに見つけ予約した。夜の計画を立てる為に、まずはひとっ風呂浴びようとホテルへと歩いて向かう事になった一杯でした。

投稿 | コメント (6) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

こんにちは。
おー、初のKO負けおめでとうございます笑
美味しい不味いの判断しか出来ない私にとって、とても参考になるレビューでした。
今後どちらにいらっしゃるのか楽しみにしながら高崎の旅を引き続き拝読させていだきますね。

不死身のてっちん♂ | 2019年7月6日 09:26

いえいえ勝手気ままな事を書いてるだけで主観でしかありませんので。てっちんさんのように美味しい不味いを述べるのはレビューでは大事な事だと私は思います。もはやラーメンレビューではないような文面を読んでいただき恐縮です。もう少しだけ続く高崎編にお付き合い下さいな。

のらのら | 2019年7月6日 10:30

高崎2件目はやはりこちらでしたか!それにしても美しい麺顔と写真のクオリティに驚愕です!
写真だけみても旨さは一目瞭然ですね。製麺機や調理器までチェックされるとは本職以上ですね。
スパコンとの戦いは知りませんが、満足されてよかったですよ!
群馬まで遠征したらサウナじゃなくて「源泉掛流温泉」も楽しんでくださいね!

昭和のBecky! | 2019年7月6日 11:17

本当に美味しいラーメンでしたね。たまたま座った席から厨房内が見渡せたのでラッキーでしたよ。あんな風景を見ているとモノづくりの素晴らしさを実感できますね。次回は食事なしで泊まれる温泉宿があれば探して行ってみたいです。

のらのら | 2019年7月6日 13:15

はじめまして!
くろ松さん…絶対に行くと思ってました^^
間違いのないお店ですよね。
そろそろ食べたくなってきました^^;

ぴろリポ | 2019年7月7日 11:22

初めまして。ぴろさんの近々のレビュー拝読させていただきました。紫陽花さんも素晴らしかったですよね。好みの趣向と言いますか、どことなく勝手な親近感を持ってしまいました。これからもよろしくお願いします。

のらのら | 2019年7月7日 12:41