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「魚介とんこつラーメン ¥800」@麺屋わおんの写真平日 小雨 10:40 待ちなし 後客9名

〝ニューオープン 探検記〟

本日は荻窪の常宿を拠点とした新店めぐりを実施するために、昨晩から荻窪へと乗り込んできた。昨晩は夜の会食の予定もなかったので、夕方には早々とチェックインする事が出来た。

ここの大浴場にはドライサウナがないのが残念なのだが、ミストサウナで高温高湿状態を作り出す方法を思いついた。こちらのミストサウナは常にミストが発生しているタイプではなく、定期的に高温の蒸気が発生する仕組みのスチーム式なのだ。四人しか入れない程の狭い室内にはテレビが設置されているので多くの入浴客は熱さを求めるのではなく、のんびりとテレビ鑑賞を目的として利用している。そんな中で突然に蒸気が噴出されると、狭い室内は湯気で真っ白になりテレビの画面など観られなくなってしまうのだ。そうなるとテレビを観るためにミストサウナ室に入っている客は、そそくさと退室してしまうのである。そこで誰もいなくなったのを確認してから室内の頭上に溜まっている熱気の塊をタオルを振り回して攪拌すると、瞬く間に室内の温度は急上昇して体感温度では 90℃を超える熱気に包まれるのだ。このセルフロウリュで、ドライサウナにも負けないくらいに身体が温まる技を生み出してしまった。しかし蒸気が噴出される時間が予測できない事と、誰もいない事が前提条件なのでタイミングを見計らうのが難しい点が問題だ。しかもクールダウンする水風呂もないのでシャワーの冷水を浴びてみるが、ととのい方が全く違った。

大浴場での風呂のあとの楽しみにしていた、館内のバーでの飲み放題プランが無くなってしまったのは非常に残念だ。きっと私が制限時間のうちに信じられない杯数の生ビールを毎回飲んだのが廃止となった大きな理由ではないかと深く反省している。もはや館内で飲む理由が無くなってしまったので、ホテルを外出して駅前の焼鳥屋にて生ビールを楽しんだ。帰り道はネオン街のキャッチのお兄さんの呼び込みに気持ちが揺れながらも、心を鬼にしてホテルに戻った。

この施設は中央線沿線を訪れる際のアジトだけでなく、縦のラインを結ぶバス路線の豊富さから利用頻度が多くなっているのが現状だ。本日の連食計画に選んだ新店はどちらも中央線が最寄り駅ではないが、バスを利用すれば乗換え要らずの上にニアピンで目的地まで運んでくれる利点がある。そこで翌朝も快調に目覚めると食べ放題のカレーには目もくれず、身支度を整えてRDBの新店情報で得た一軒目を目指して出発した。本日は連食計画なので再びホテルに戻って来る予定でチェックアウトはせずに外出扱いにすると、チェックアウトが15時の利点を最大限に活かした連食計画に我ながら感心した。

ホテルを出ると荻窪駅北口から、西武バス 荻14系統 石神井公園南口行きに乗車すると20分で最寄りの井草通りバス停に着いた。そこからは歩いて1分ほどで、味のあるコチラの手書きの看板が目に入ってきた。11時開店の20分前の現着となったが並びの列はなく小雨も降り始めたので、向かいの大きな駐車場の屋根のある所で張り込みを開始した。

老舗寿司屋や昔からの酒屋が並ぶ地元の方しか訪れそうにない場所の角地に、グレーを基調とした今っぽい外観で装われた店が突然と現れた感が漂っている。そんなオシャレな店構えの店頭には、つけ麺の大きな写真付き看板が置かれている。それを見た時に、独自の見解である「つけ麺推しの店のラーメンは美味しくない」が久しぶりに頭をよぎった。勝手なイメージでは、つけ麺が人気の店のラーメンは魚粉だらけと思っているので苦手意識が先行してしまうのだ。そんな良からぬ想像をしていると店先に一台の軽ワゴンが停車して店内へと運ばれる箱が見えたが、それは大成食品の麺箱のように思われた。

そんな事前情報を入手しながら待っていると定刻の3分前には看板の照明がついたが、立て看板は準備中のまま定刻を過ぎてしまった。仕方なく小雨の中で待っていると、定刻より1分遅れで営業中の看板に裏返されると無事にオープンとなった。

店内に入ると入口右手には大型券売機が設置されているが、現時点ではメンテナンス中となっていて使用されていない。その代わりに券売機の前に受付カウンターが設けてあり、そこでメニューを見ながら注文をするデポジット方式をとってあった。写真付きメニューからも〝つけ麺推し〟が伝わってくるが、ここは敢えて持論を検証する為に基本のラーメンを注文した。

注文を終えるとカウンターに座り店内観察を始めるが、堰を切ったように続々と客が来店してくる。その客層は夏休みなので地元の家族連れや近所の郵便局の方などと、すでに地元での人気を物語っている。よそ向きな外観とは裏腹に、客層は土地に根付いているのが伝わってきた。そんな地域に密着した客人であふれる店内を、本日は二人体制で回している。客席はテーブル席もある白と木目の色合いを活かしたカフェ風のデザインとなっているが、スタッフさん方の雰囲気から和やかで落ち着いた親しみやすい空気が流れている。そんな店内に流れているBGMがレッドツェッペリンの ♪ 移民の歌だったのがミスマッチで面白く、ブルーザーブロディの登場シーンを思い出した。そこからシンプルな構成の調理場内に目を向けると、シンクの中では小型の寸胴でスープが冷やされている。酸化しやすい動物性油脂を劣化から守る処理だと思われるが、酸化臭のするスープではなさそうなので一安心だ。店主さんの実直な仕事ぶりと奥さまだろうか女性スタッフさんの明るく親切な接客に、とても穏やかな気持ちで待っていると着席して8分ほどしてからようやく調理がスタートした。どうやら茹で麺機の沸騰待ちだったらしく、少し待たされたが中途半端な温度で麺を投入されるよりは賢明な判断である。調理が始まると順調に工程が進んでいき 1st ロットは私のラーメンのみのオペレーションで、着席してから12分かけて我が杯が到着した。

その姿は美濃焼の古代波模様の高台丼の中で、私の知る範囲の豚骨魚介系としては優しそうな表情をしている。見るからに濃度は低そうで、奇をてらった派手な姿ではなく落ち着いている。ただ私にとっては不要なナルトから、得体の知れない成分が溶け出す前にティッシュの包んで隔離した。これで絶景がさらに磨きがかかると、心を鎮めてレンゲを手にした。

まずはスープをひとくち。魚介由来の水泡と大まかな粒子や香味油が浮かんだ液面にレンゲを沈めると、熱い湯気に伴って立ち上ってきた香りは鰹節が主役となっている。店内にもあまり動物系スープの匂いがしてないように、豚骨をメインにしたスープではなさそうだ。それもまた私にはありがたく思いながらスープを口に含んでみると、香りよりも強い鰹の風味が口の中に広がった。どちらかと言えば〝鰹節〟よりも〝節粉〟が主体となっているが、苦手なザラつきが少なく助かった。その背後には動物系のコラーゲンの粘着質を唇に感じるが、臭みがないので豚骨だけでなく鶏ガラも使われているのかもしれない。ここで何となくメニュー名が〝豚骨魚介〟ではなく〝魚介とんこつ〟なのが納得できるスープに思え、とんこつの文字が漢字ではなく平仮名なのもピッタリで店主さんのネーミングセンスの良さに感心した。合わせるカエシは鰹節粉特有の酸味に隠れて高めの塩気が潜んでいるが、麺や具材との相性を考慮しての設定だと思いレンゲを箸に持ち替えた。

麺上げまでジャスト100秒の黄色みを帯びた中細ストレート麺には、少しだけ切刃の角と麺の折り目が残って見える。箸先に伝わってくる重みから加水率は高いと思われ、麺肌の半透明なグルテンを見ても食べずとも食べ応えの良さを想像してしまった。そんな期待をもとに麺を一気にすすり上げると、強いハリを唇に感じながらも極めて滑らかな口当たりで滑り込んできた。他では味わえないような麺質は、大成食品の麺ならば見事に持ち味を引き出した茹で加減に思える。麺の作り手である製麺所と店主さんの思いが完璧に合致しているように思え、この麺に出会えただけでも初訪問した甲斐があった。これでは製麺所ばかりを褒めているようだが、この麺を目利きされて特徴を十分に活かしている店主さんのセンスの良さが素晴らしい。この麺の醍醐味は口当たりだけではなく歯応えの良さも楽しめ、噛めば奥歯を押し返しながらモッチリと潰れる食感の虜になってしまう。そこからは小麦の豊かな風味が生まれてきて、小麦の甘みとスープが重なると新たな世界が広がってくる。すすり心地から喉越しの良さを兼ね備えた麺には心から感動した。

具材のチャーシューは豚肩ロースの煮豚型が大判で一枚入っていて丼の中で見た目の存在感は十分だが、味の方は好みとは違って残念な仕上がりだった。薄味なのは良かったが赤身中心の部位なのでパサついてしまい、豚肉本来の旨みも煮汁の方に持っていかれているように感じた。それでも豚肉の品質が良いので臭みなどは全くないが、少し味気ないチャーシューに思えた。

この時点になって気が付いたのだが、受付で味玉を追加注文したつもりだったが入っていなかった。まさかの注文するのを忘れてしまったようで、自称〝アジタマスキー〟としては大失態を犯してしまった。

極太メンマは適度な食感と無難な味付けで安定感があるが、それがかえって手作り感のない業務用メンマに思えてしまう。

薬味は青ネギの小口切りと白髪ねぎが添えてあり見た目の彩り役も兼任しているが、白髪ねぎの食感は良いとは言えず繊細な仕事には見えなかった。

十字4切の大判の海苔は黒々とした色素が詰まった高品質だと一目で分かる海苔で、スープの中では溶け出さないが口の中に含むと口溶けの良さが印象に残る。また磯の香りも高く、質の良さの上に保存状態にも気を配られているのが伝わってきた。

中盤からは麺がスープを吸って見た目の形状も丸みを帯びてきたが、一切ダレるような事はなく歯応えの良さは増すばかりだ。無我夢中とはまさにこの事で、気が付けば食べ切って丼の中から無くなった麺を探し求めてしまう程だった。しかしスープには若干の旨味の底上げを感じてきたので、舌が疲れる前にレンゲを置いた。

食べ終えて席を立つ時にも、丁寧な挨拶で見送られながら気持ちよく店を後にした。最後まで注文し忘れた味玉が心残りに思いながら、再び荻窪のアジトに戻るためにバス停へと向かった一杯でした。

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