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「中華麺 (小) ¥700+ワンタン ¥100」@笹塚 大勝軒の写真土曜日 曇天 10:55 先待ち4名 後待ち 6名 後客多数

〝ニューオープン 探検記〟

本日は永福町系大勝軒の流れを汲む笹塚の新店への初訪問を決めた。

RDBの新店情報では少し前から知ってはいたのだが、あまり得意ジャンルではない系譜に属する新店だったので優先順位を下げていたのだ。しかし定期的に笹塚を訪れている私には、無性に食べたくなるチャーシューが、この街には存在するのだ。ここまで書けば勘の良い方なら、もうすでにピンときているだろう。

そう、この地には〝蒸し道〟を極めんとする者ならば、誰しもが一度は訪れた事のある「天空のアジト マルシンスパ」があるのだ。その中でも絶品と呼び声の高い〝笹塚チャーシュー〟を求めて昨夜から笹塚に乗り込んでいたのだ。皆さんにお伝えしたいサウナレビューは次回の楽しみにして (楽しんでいるのは本人だけだが) 今日は〝笹塚チャーシュー〟だけにスポットを当ててみたい。

何と言ってもサウナ上がりの醍醐味は食事処で呑む生ビールであるが、そこに美味いツマミがあればビールが進むというものだ。ここの名物でもあるチャーシューは、豚バラ肉を一本づつ丁寧に糸巻きして、見事な円形に整えた見た目の美しさも特徴的だ。サイズも一皿あたり1ポンドもあるが、230gのハーフサイズも用意されている。ハーフならば 650円だが中ジョッキの生ビールが付いて 980円のお得なセットメニューもある。ちなみに、ごはんと味噌汁と香の物が付いた定食は 850円で楽しめるので、お酒を飲まない方にもオススメだ。

しかし残念なのは生ビールのジョッキが小さい事で、中ジョッキを名乗っているが私にすれば小ジョッキ、いやグラスである。さもすれば、お猪口にも見えないでもないくらいだ。なので毎回、生ビールセットに大ジョッキのビールを更にセットしてオーダーするのが私流だ。それでも大ジョッキとは言っても昔の中ジョッキなので、ふた口で呑んでしまう。思わず生ビールレビューに脱線してしまいそうになったが、本題のチャーシューに話を戻すとする。

見た目の美しさは、丸みだけでなく厚切りにも要因がある。厚みがありながらも下品にならない絶妙な厚切りが、食べ手の心を捉えて離さない。そのチャーシューの厚みは、トマトスライスや板わさの絶妙な切り幅に極めて近い。これ以上でもこれ以下でもない、最良の厚さで切り揃えられている。そんな切り口を見ると、わざと脂身を芯に巻き込んだような仕掛けが見える。それによって内部まで、しっとりとジューシーに仕上がっているのだろう。秘伝のタレでじっくりと煮込まれたバラ肉は、柔らかさがあるが肉を噛みしめていると感じられる力強さもある。これぞまさに〝柔と剛〟が共存した歯応えなのだ。この食感は唯一無二の存在だが、敢えて例えるならば焼肉の特上ハラミの解ける感覚と似ている。高級焼肉店だと 3000円は超える特上ハラミの食べ応えを、たった 650円で遥かに超える笹塚チャーシューは恐るべき肉料理だ。味付けに関しては、私などではとても表現できない深みがあるので、ぜひ皆さんにも食べてもらいたい。ラーメン屋を含めた豚バラ焼豚の中では、間違いなくトップランクのチャーシューだと私は思っている。昨晩も練り辛子を付けて味わったり付属するメンマと食べ合わせてみたりと、色んな角度からチャーシューを満喫して眠りに就いた。

翌朝も快調に目覚めると、こちらへの初訪問を目指してサウナを後にした。笹塚駅の北口にあるサウナから南口に抜けて、賑やかな街並みを進んで行く。その観音通り商店街も終わりに差し掛かる頃に、店先に出来た行列を見つけた。定刻ギリギリの5分前の現着だったので先客人に遅れをとってしまったが、一巡目は確保できたはずだ。しかし、この行列が無ければ通り過ぎてしまったかもしれない状況だった。店頭には一切の目印が無く看板すらも出ていないので、一番手だったら分からなかっただろうと行列に感謝した。

ありがたくも五番手をキープして、電信柱の脇で狭い道路沿いを気にしながら待機となった。私の整列後は並びは次々と増え、オープンを迎える頃には通行人が二度見するほどの行列に延びていた。秋祭りの子供神輿の掛け声や、太鼓囃子の音色に耳を傾けていると、定刻通りにオープンとなった。

店主さんの案内で、真っ白な布地に筆文字で屋号の書かれた暖簾をくぐって店内に入った。ほぼ一文字のL字カウンターだけの店内は、決して広くはないので券売機は置かれていない。入口正面に掛けられた木札のメニューの中から本日のお題を品定めするが、小盛りも用意されているのが有難い。その分ワンタンを追加しようと決めて、店主さんの動向を窺いながら待った。

カウンターの7席が埋まると、おひとりで切り盛りしている店主さんがお冷のグラスを配るタイミングで注文を取る。特にオーダーをメモする訳でもないので、何度も聞かれる事は覚悟しておいた方が良さそうだ。7名分のオーダーを取り終えると最初のロットの調理が始まったが、すぐに注文を一から聞き直していた。まだまだオープンしたばかりの上にワンオペなので、大らかな気持ちで調理工程を眺める事にした。

現時点ではトッピングはワンタンだけなので、麺の量とワンタンの有無の組み合わせしかない。麺量の違いで器の大きさが異なるようで、オーダーを確認しながらワンロット3杯で仕上げていく。カウンター7席あるので 2nd ロットは4杯かと思ったが、あくまで3杯しか作らない。時間のある食べ手にとっては、こだわりを持った丁寧且つ慎重な調理は非常にありがたい。時間はかかるが誠実さ溢れる調理作業を感心して眺めていると、着席して20分で我が杯が到着した。

その姿は永福町大勝軒系列ではお馴染みの白磁の玉淵丼の中で、数少ない系列店と比べると穏やかな表情に見えた。それは麺を少なくしたのが一因ではあるが、それだけではない落ち着いた景色に映った。茶系のグラデーションが〝らしさ〟を思わせ、第一印象としては過去のものよりは良く感じた。店主さんの真面目な仕事ぶりが、そう思わせたのだろうが、目の前のラーメンの味と好みだけを評価の対象としているので、心を落ち着かせてレンゲを手にした。

まずは宗伝唐茶色のスープをひとくち。半濁しながらも透明感も併せ持ったスープの液面には、繊細な粒子のカメリアラードが薄っすらと油膜を張っている。スープを温め直すのではなく、常にスープを炊きながら小鍋を使ってダイレクトに器に注ぐ、系譜ならではのスープ張りがここでも見られる。この工程を見る度に、時間差によるスープの仕上がりが違うのではと心配になってしまうのは私だけだろうか。しかしこれが伝統芸となって、今も受け継がれている技なのだろう。たっぷりと湛えられたスープにレンゲを沈めると、穏やかな煮干し香が熱気と共に立ち昇ってきた。動物系よりも魚介系の香りが優先するスープを口に含んでみると、系譜店でよく感じる不穏な甘みが思ったよりも舌を襲ってこない。かなりスープの温度が高いので、先客方が汗だくで丼に向かっているのが理解できた。香りは煮干しが主導しているが、豚由来のコラーゲンは強く口内に張り巡らされる。不自然な甘さが少ない分、合わせるカエシの塩分も高すぎないのは好印象だ。

続いて麺上げまでジャスト270秒の長風呂を浴びた麺を持ち上げてみると、のぼせてしまったように柔らかな中太ちぢれ麺が現れた。エコ箸では捕らえづらいツルツルと滑る麺肌には、透明感と緩やかなウェーブが見られる。調理場内には大勝軒専用の緑色のロジが積まれてあるので、こちらの麺も草村商店の20番だろうか。箸先からですら弱々しさを感じる麺を一気にすすり上げると、見た目と同じく軟弱な口当たりで入って来た。軟弱とは言ってはみたものの、これが永福町系大勝軒らしさなのだと楽しむ方向に切り替えた。ハリやコシの強さはないが喉越しは抜群なので、食べ応えよりも食べ心地を楽しんだ。

具材のチャーシューは、ご主人おひとりで全てを担っているにも関わらず、盛り付け直前の切り立てにこだわっていた。しかも部位の異なる二種類の煮豚を仕込み、豚ロースと豚バラで味わいや食感の違いを表していた。どちらも薄切りではあるが、赤身主体の豚ロースはサッパリと仕上げてあり、脂身を含んだバラ肉は甘みと旨みが引き出されていた。しかし昨晩の笹塚チャーシューを思い出してしまったのが本音だ。

追加したワンタンも、注文を受けてから包み始めるツーオーダー方式なのには驚いた。割り箸の箸頭を使って肉餡をワンタン皮に入れ、皮をクルクルと巻いていく作り方だ。肉餡は小豆大ほどに小さいので皮を楽しむタイプのワンタンだが、舌触りや喉越しの悪い物が幾つもあった。それは小さいが故に茹で時間は短くて済むが、ワンタン皮の重なった部分には熱が入りきっておらず茹で不足となっていた。そこがどうしても粉っぽくなってしまい、食感の悪さを生んで残念だった。

メンマは柔らかな舌触りながら引き締まった歯応えの部分があったりと、様々な食感の変化を与えてくれる。これまた味付けも永福町大勝軒の流れを汲んだ独特の味わいを再現されているが、やや穏やかな薄味仕立てに思えた。

薬味の白ネギはスープによって自然加熱されていて、優しい歯ざわりと甘みで全体をサポートしている。

中盤からは大人しく思えたスープに苦手な旨味が少しずつ重なってきて、ボディブローのように舌に効いてきた。唾液を誘うような酸味に味覚崩壊が始まってしまい、スープに手を付ける事は出来なかった。麺は小盛りを選んで正解だったようで、ちょうど良い満腹感で箸を置いた。

一巡目が入店してから30分で私は席を立ったが、最後の七番手の客はまだラーメンを待っていた。ワンオペでの丁寧な仕事ぶりや、作り立て切り立てにこだわっているので回転は遅いのは仕方ないかと思える。

店を出ると、ちょうどのタイミングで祭りの子供神輿が通ったが、訳も分からず振り回されている子供たちに癒された一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

レンゲを手にしてからを読ませていただくが、ボリューム少なっ!
近所の東池袋系の麺箱は黄色で東池大勝軒のロゴがはいってます。
「神輿に振り回されている子供に癒された一杯」ぽかぁ〜ん!

虚無 Becky! | 2019年9月22日 14:44

ラーメンレビューも麺の量に合わせてボリュームダウンしましたwこども神輿は、ご褒美のお菓子をもらった途端にママパパの元に逃げ出す子供たちが可愛すぎて癒されたのです。

のらのら | 2019年9月22日 22:08