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平日 小雨 14:20 先客1名 後客なし〝リカバリーショット 傑作選〟本日は私の明らかな下調べ不足による失態を演じてしまった。RDBの新店情報を京成立石で見つけ意気揚々と乗り込んできたが、まさかの夜の部だけの営業時間だった。確かに後で確認してみると、しっかりと18時からのオープンと掲載されていた。仕方なく新店めぐりは諦めて小雨の降る中でRDBマップを開いていると、まずまず近い場所に知っている名前の未訪問店を見つけた。ラーメン雑誌やネットでも人気店だけに、早じまいを覚悟して初訪問を決意した。フラれた店の近くのバス停から京成タウンバス 新小51系統で、10分で最寄りの堀切二丁目バス停に着いた。そこからは住宅街を抜けてラッキー通りという名の通りを進んで行くが、フラれたばかりのアンラッキーな自分が通ってもいいものなのだろうか疑問に思いながら歩いて行く。すると通りが大きくなった角地に、日本家屋様式の立派な外観の店先を見つけた。日本古来の瓦屋根の軒先が大きく張り出した軒下には、自動ドアという現代風のミスマッチが印象に残る。そんな思いのままに屋号の書かれた白い暖簾をくぐって店内に入った。店に入ると行列人気店と思っていた店内には、先客が一人だけと肩透かしをくらった。しかも券売機はおろかスタッフさんの姿すら見えないので、ひとまずは空いているカウンターに腰を下ろして様子を伺ってみる。その間に壁に貼られたメニューから本日のお題を決めて待っていると、奥の調理場から男性スタッフさんが、お冷やを持って注文を取りに来た。メニューからは味噌系推しと思われたが、マイスタンダードの醤油系と味玉を告げてから店内観察を開始する。カウンターの目の前には目線を遮る壁が設置されているので、調理場内の様子は全く見られない残念な店構えとなっている。その壁によって何人が働いているのかも分からないといった、閉鎖的な空間が寂しさを生む。二階への階段も見られるが人の気配はなく、一階部分はカウンターだけの客席となっている。磨き上げられた白木のカウンターが高級感を生み、その上に置かれたランチョンマットが愛らしさを与えてくれる。お冷にも、てびねりのグラスが使われていたりと随所に拘りが見られる。調理場内からは中華鍋が五徳に当たる金属音が聞こえてくるのと、お二人で調理されていると思える声が聞こえ漏れてくる。そんな味噌推しを確信させる音を聞きながら待っていると、着席してから10分かかって我が杯が到着した。その姿は白磁に金色で屋号の書かれた高台丼の中で、醤油ラーメンらしからぬ景色を見せている。それを見れば味噌系を主軸にした店だというのが実際に感じられる風景となっている。私の中の王道醤油とは異なる姿ではあるが、盛り付けも丁寧で具材のレイアウトにもセンスを感じる。また新たな醤油ラーメンとの出会いが待っている事を願いながらレンゲを手にした。まずは陰りのある弁柄色のスープをひとくち。表層には粒子を見せない香味油が浮かんでいるので、ラードを使った香味油だろうか。まったりと見える液面にレンゲを沈めると、分厚い油膜が大きく波打った。その隙間から上がってきた湯気の中には、香りだけでも甘味が立っている事が分かった。岩手の醤油を使われているとウンチクには書かれてあるのでキリッとした醤油味を想像したが、香りだけで違うと気づいた。スープが注がれたレンゲの中にも大量の香味油が含まれているので、息を吹きかけて油膜を飛ばしてから味わってみる。すると強烈な熱さが唇を襲ってくるが、スープとサウナは熱いに限るタイプなのでファーストアタックは最高だった。あまりの熱さに味覚を感じとれなかったので、二口目は少し冷ましてからスープを口に含んでみた。すると過剰にすら感じる甘味が先陣を切ってやって来た。油分のコクもあるがスープ自体に不自然な甘味を感じるので、かなりの旨味を底上げをされてるようだ。私の期待した醤油感はなく、不自然な旨味がリードする残念なスープだった。ひとくち目でスープを飲む事は諦めて、レンゲを箸に持ち替えた。割り箸にも高級感のある黒竹の炭化箸を使われてあり、店内の設えにも見事にマッチしている。そんな高級箸で麺を持ち上げると、黄色みと透明感を持ち合わせた中太麺が現れた。箸先には加水率の高さを思わせる重みを感じ、ちぢれが不均一に見られる麺質が特徴的な自家製麺だ。しっかりと切刃のエッジが麺肌に刻まれた力強さを感じながら一気にすすり上げると、シャープさの中にもプリッとした心地良い弾力が唇に伝わってきた。エッジが織りなす鋭角な麺肌によって、鋭い口当たりで滑り込んできたかと思うと、ふくよかな舌触りも同居している。そんな麺を噛みつぶせば、モッチリ と咀嚼を跳ね返す弾力がある。ある程度の加圧で咀嚼に応えて嚙み切れると、その断面からは小麦の香りと甘味が湧き出てくる。スープの不自然な甘味が邪魔させしなければ、もっと麺の甘味を楽しめるはずだろう。内麦で打たれた素晴らしい自家製麺だけに、スープの不要な旨味が残念で仕方ない。具材のチャーシューは豚肩ロースの煮豚が盛り付けてあるが、小ぶりながらも厚切りなので食べ応えには満足感がある。薄味仕立てだが豚肉本来の質が良いので、臭みも一切なく脂身の甘みも引き出されていた。醤油感の淡い色白中太メンマも薄味で、発酵食品特有の香りが残っている。味の面ではアピールを控えて、軽やかな食感だけで存在感を発揮している。穏やかな香りと食感が、裏方としての役割を表現していた。追加した味玉は箸が触れただけで、過度な半熟具合が伝わってくる柔らかさだ。白身を破れば黄身が流れ出してくる事が察知できたので、スープに流れ出さないようにレンゲの中で噛んでみた。すると案の定、凝固してない黄身が流れ出てきた。黄身をレンゲが受け止めてくれたのでスープを汚す事は免れたが、下茹での弱さを思ってしまった。ウンチクでは良質の高級卵を使ってらしいので、卵本来の味わいを楽しむ即席タイプなのだろうが〝味玉〟を名乗るには相応しくない仕上がりだった。醤油ラーメンには珍しいモヤシは、ヒゲ根を取り除いた高級モヤシを大量に盛り付けてある。しかし折角の仕事がしてあるモヤシだったが、鮮度が悪く変色してしまっていた。さらには劣化によるアンモニア臭が漂っていたので〝あおり〟不足を感じてしまった。まるで中華鍋で炒める調理工程を、まったく感じられない具材だった。薬味の青ネギにも高級ブランドの九条ねぎが小口切りで添えてあり、切り口のみずみずしさからも鮮度と切り置き時間の短さが見てとれる。その見た目通りに潤いのある舌触りと、心地良い歯触りが素晴らしい。高級ブランドねぎの名を、汚す事ない最高の薬味となっている。それに反して糸唐辛子は見た目の彩りとしての存在感はあるが、やはり味噌ラーメンの名残りを感じてしまう。どうしても醤油系には不要な薬味に思えてしまった。序盤から麺の食べ応えに牽引されて食べ進めてきたが、スープの旨味に舌と喉が疲れを感じてきた所で箸とレンゲを置いてしまった。もし店のイチオシの味噌ラーメンならば、不自然な旨味の底上げがなかったのだろうかと後悔しながら店を後にした。今回のリカバリーショットは私にとってはミスショットとなってしまったが、また近くでフラれた際は味噌ラーメンに挑戦してみたいと思った一杯でした。
〝リカバリーショット 傑作選〟
本日は私の明らかな下調べ不足による失態を演じてしまった。RDBの新店情報を京成立石で見つけ意気揚々と乗り込んできたが、まさかの夜の部だけの営業時間だった。確かに後で確認してみると、しっかりと18時からのオープンと掲載されていた。
仕方なく新店めぐりは諦めて小雨の降る中でRDBマップを開いていると、まずまず近い場所に知っている名前の未訪問店を見つけた。ラーメン雑誌やネットでも人気店だけに、早じまいを覚悟して初訪問を決意した。
フラれた店の近くのバス停から京成タウンバス 新小51系統で、10分で最寄りの堀切二丁目バス停に着いた。そこからは住宅街を抜けてラッキー通りという名の通りを進んで行くが、フラれたばかりのアンラッキーな自分が通ってもいいものなのだろうか疑問に思いながら歩いて行く。すると通りが大きくなった角地に、日本家屋様式の立派な外観の店先を見つけた。日本古来の瓦屋根の軒先が大きく張り出した軒下には、自動ドアという現代風のミスマッチが印象に残る。そんな思いのままに屋号の書かれた白い暖簾をくぐって店内に入った。
店に入ると行列人気店と思っていた店内には、先客が一人だけと肩透かしをくらった。しかも券売機はおろかスタッフさんの姿すら見えないので、ひとまずは空いているカウンターに腰を下ろして様子を伺ってみる。その間に壁に貼られたメニューから本日のお題を決めて待っていると、奥の調理場から男性スタッフさんが、お冷やを持って注文を取りに来た。メニューからは味噌系推しと思われたが、マイスタンダードの醤油系と味玉を告げてから店内観察を開始する。
カウンターの目の前には目線を遮る壁が設置されているので、調理場内の様子は全く見られない残念な店構えとなっている。その壁によって何人が働いているのかも分からないといった、閉鎖的な空間が寂しさを生む。二階への階段も見られるが人の気配はなく、一階部分はカウンターだけの客席となっている。磨き上げられた白木のカウンターが高級感を生み、その上に置かれたランチョンマットが愛らしさを与えてくれる。お冷にも、てびねりのグラスが使われていたりと随所に拘りが見られる。調理場内からは中華鍋が五徳に当たる金属音が聞こえてくるのと、お二人で調理されていると思える声が聞こえ漏れてくる。そんな味噌推しを確信させる音を聞きながら待っていると、着席してから10分かかって我が杯が到着した。
その姿は白磁に金色で屋号の書かれた高台丼の中で、醤油ラーメンらしからぬ景色を見せている。それを見れば味噌系を主軸にした店だというのが実際に感じられる風景となっている。私の中の王道醤油とは異なる姿ではあるが、盛り付けも丁寧で具材のレイアウトにもセンスを感じる。また新たな醤油ラーメンとの出会いが待っている事を願いながらレンゲを手にした。
まずは陰りのある弁柄色のスープをひとくち。表層には粒子を見せない香味油が浮かんでいるので、ラードを使った香味油だろうか。まったりと見える液面にレンゲを沈めると、分厚い油膜が大きく波打った。その隙間から上がってきた湯気の中には、香りだけでも甘味が立っている事が分かった。岩手の醤油を使われているとウンチクには書かれてあるのでキリッとした醤油味を想像したが、香りだけで違うと気づいた。スープが注がれたレンゲの中にも大量の香味油が含まれているので、息を吹きかけて油膜を飛ばしてから味わってみる。すると強烈な熱さが唇を襲ってくるが、スープとサウナは熱いに限るタイプなのでファーストアタックは最高だった。あまりの熱さに味覚を感じとれなかったので、二口目は少し冷ましてからスープを口に含んでみた。すると過剰にすら感じる甘味が先陣を切ってやって来た。油分のコクもあるがスープ自体に不自然な甘味を感じるので、かなりの旨味を底上げをされてるようだ。私の期待した醤油感はなく、不自然な旨味がリードする残念なスープだった。ひとくち目でスープを飲む事は諦めて、レンゲを箸に持ち替えた。
割り箸にも高級感のある黒竹の炭化箸を使われてあり、店内の設えにも見事にマッチしている。そんな高級箸で麺を持ち上げると、黄色みと透明感を持ち合わせた中太麺が現れた。箸先には加水率の高さを思わせる重みを感じ、ちぢれが不均一に見られる麺質が特徴的な自家製麺だ。しっかりと切刃のエッジが麺肌に刻まれた力強さを感じながら一気にすすり上げると、シャープさの中にもプリッとした心地良い弾力が唇に伝わってきた。エッジが織りなす鋭角な麺肌によって、鋭い口当たりで滑り込んできたかと思うと、ふくよかな舌触りも同居している。そんな麺を噛みつぶせば、モッチリ と咀嚼を跳ね返す弾力がある。ある程度の加圧で咀嚼に応えて嚙み切れると、その断面からは小麦の香りと甘味が湧き出てくる。スープの不自然な甘味が邪魔させしなければ、もっと麺の甘味を楽しめるはずだろう。内麦で打たれた素晴らしい自家製麺だけに、スープの不要な旨味が残念で仕方ない。
具材のチャーシューは豚肩ロースの煮豚が盛り付けてあるが、小ぶりながらも厚切りなので食べ応えには満足感がある。薄味仕立てだが豚肉本来の質が良いので、臭みも一切なく脂身の甘みも引き出されていた。
醤油感の淡い色白中太メンマも薄味で、発酵食品特有の香りが残っている。味の面ではアピールを控えて、軽やかな食感だけで存在感を発揮している。穏やかな香りと食感が、裏方としての役割を表現していた。
追加した味玉は箸が触れただけで、過度な半熟具合が伝わってくる柔らかさだ。白身を破れば黄身が流れ出してくる事が察知できたので、スープに流れ出さないようにレンゲの中で噛んでみた。すると案の定、凝固してない黄身が流れ出てきた。黄身をレンゲが受け止めてくれたのでスープを汚す事は免れたが、下茹での弱さを思ってしまった。ウンチクでは良質の高級卵を使ってらしいので、卵本来の味わいを楽しむ即席タイプなのだろうが〝味玉〟を名乗るには相応しくない仕上がりだった。
醤油ラーメンには珍しいモヤシは、ヒゲ根を取り除いた高級モヤシを大量に盛り付けてある。しかし折角の仕事がしてあるモヤシだったが、鮮度が悪く変色してしまっていた。さらには劣化によるアンモニア臭が漂っていたので〝あおり〟不足を感じてしまった。まるで中華鍋で炒める調理工程を、まったく感じられない具材だった。
薬味の青ネギにも高級ブランドの九条ねぎが小口切りで添えてあり、切り口のみずみずしさからも鮮度と切り置き時間の短さが見てとれる。その見た目通りに潤いのある舌触りと、心地良い歯触りが素晴らしい。高級ブランドねぎの名を、汚す事ない最高の薬味となっている。
それに反して糸唐辛子は見た目の彩りとしての存在感はあるが、やはり味噌ラーメンの名残りを感じてしまう。どうしても醤油系には不要な薬味に思えてしまった。
序盤から麺の食べ応えに牽引されて食べ進めてきたが、スープの旨味に舌と喉が疲れを感じてきた所で箸とレンゲを置いてしまった。
もし店のイチオシの味噌ラーメンならば、不自然な旨味の底上げがなかったのだろうかと後悔しながら店を後にした。今回のリカバリーショットは私にとってはミスショットとなってしまったが、また近くでフラれた際は味噌ラーメンに挑戦してみたいと思った一杯でした。