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かねてより宿題店だった『銀座 八五』へ行ってきました。元旧京都全日空ホテルの総料理長を務めた経歴を持ち、フランス料理の世界でその腕を振るってきた松村康史シェフが手掛けるラーメン店です。水道橋にある『中華そば 勝本』そして神田にある『神田 勝本』に続く3店舗目として2018年12月、東銀座の地にオープンし1年が経とうとしています。味はもちろんのことホスピタリティの高い接客とサービスも含めてまたたく間に行列のできる人気店に。さらに食べログのラーメン百名店やミシュランガイド2019のビブグルマンに選出されるなど、現在では押しも押されぬ都内屈指の名店となっています。到着したのは日曜日の12時頃。行列は想定していたものの、すでに店頭の路地には30人超の並びができていました。曇天模様の下、陽が入らず気温の低いままの路地で寒さに震えながら待つこと1時間と少し。ようやく店内へ通されました。(ちなみに食券制で購入のタイミングは店員さんの案内を待つスタイルです)その間に午前の部の提供杯数終了により、行列の最後尾に接続しようとして並べず帰っていくお客さんがチラホラと。店内には白木のカウンター席が6席。高級日本料理店のような落ち着いた和の雰囲気に包まれています。日本料理屋と思い何も知らずに暖簾をくぐったら、ここがラーメン店と知り驚くに違いありません。カウンターにはすでに紙の敷物と箸、レンゲがセッティング済。さらに席につくとエプロンと高級ほうじ茶のサービスを案内され、早くもホスピタリティ全開です。カウンター越しすぐ前の厨房には松村康史シェフと助手の店員さんがそれぞれに役割分担をしながら手際良くラーメンを作っています。スープ用の寸胴は2つあり、それぞれに温度計がセットされていることから温度に気を配っているようです。そのスープを一杯ごとに雪平鍋に移すのですが、純銅製のものを使用するなど調理器具へのこだわりもうかがえます。程なくして「お待たせしました、中華そばです」の声とともに「中華そば(850円)」が着丼。透明感のあるスープ表面には鶏油が浮かび、そのスープ越しに綺麗に麺線を整えられた麺が沈んでいます。そしてチャーシュー、メンマ、ネギなどが決められた配置で美しく盛り付けられています。その凛とした高級感漂うビジュアルは中華そばというより高級な和食の汁物のよう。まずスープをひと口。その瞬間心の中で「ほぉ〜」と声が漏れます。見た目は淡麗系でありながらその味わいは複雜かつ濃密。そして馥郁たる香りが鼻腔へ抜けていきます。驚くべきことにこの中華そばにはラーメンにおいて必須とも言うべき"タレ"を使っておらず、調味はゲランドの塩だけなのだとか。それがにわかには信じられないほどに穏やかで奥行きのある旨味と深いコクが感じられます。テイストとしては塩なのですが、醤油のようでもあり、また中華のカテゴリーでありながら和のようでもあり洋のようでもある、味やジャンルを超越した摩訶不思議なラーメンです。情報によればスープには鴨、名古屋コーチン、生ハムなどをメインに昆布や干し椎茸、イタヤガイ、ローストキノコそして出汁としては珍しいドライトマトを使用しているのだそう。とは言え、高級食材や旨味の強い食材をただ闇雲にたくさん使用したというだけではここまで複雑で濃密な味わいは生まれません。やはりそれぞれの食材の特性を把握し手間と時間をかけ、松村シェフの料理人として積み重ねてきた知識と経験をもとに緻密な計算の上で組み立てられたスープであることは間違いなさそうです。そのスープを口にする度に旨味の奔流が押し寄せ、舌を包み込み、しばらくの間旨味の余韻が残り続けます。そんなスープに合わせる麺は浅草開化楼による特注の細麺。パツンとした歯応えが心地良く、また麺肌に若干のザラつきもあるのでスープを程よく持ち上げてくれます。ただ麺量が約120gと少なめなので男性なら大盛かライスは必須かもしれません。そして忘れてはいけないのが具のとろけるような豚バラチャーシューに振りかけられたペッパーキャビア。これは辛味と風味が強い野生種の黒胡椒で、これが小粋な味変スパイスになっていたりします。1時間ちょっと並び、完食までに要した時間はおよそ10分〜15分ほど。けれどもその短い時間の中には一杯の中華そばに詰まった美味しさとその先にある感動があり、そして「待った甲斐があった」と満足感を与えてくれます。そして今回「ラーメンは麺とスープからなる自由な麺料理」であることを改めて気付かされた一杯でもありました。
元旧京都全日空ホテルの総料理長を務めた経歴を持ち、フランス料理の世界でその腕を振るってきた松村康史シェフが手掛けるラーメン店です。
水道橋にある『中華そば 勝本』そして神田にある『神田 勝本』に続く3店舗目として2018年12月、東銀座の地にオープンし1年が経とうとしています。
味はもちろんのことホスピタリティの高い接客とサービスも含めてまたたく間に行列のできる人気店に。
さらに食べログのラーメン百名店やミシュランガイド2019のビブグルマンに選出されるなど、現在では押しも押されぬ都内屈指の名店となっています。
到着したのは日曜日の12時頃。
行列は想定していたものの、すでに店頭の路地には30人超の並びができていました。
曇天模様の下、陽が入らず気温の低いままの路地で寒さに震えながら待つこと1時間と少し。
ようやく店内へ通されました。
(ちなみに食券制で購入のタイミングは店員さんの案内を待つスタイルです)
その間に午前の部の提供杯数終了により、行列の最後尾に接続しようとして並べず帰っていくお客さんがチラホラと。
店内には白木のカウンター席が6席。
高級日本料理店のような落ち着いた和の雰囲気に包まれています。
日本料理屋と思い何も知らずに暖簾をくぐったら、ここがラーメン店と知り驚くに違いありません。
カウンターにはすでに紙の敷物と箸、レンゲがセッティング済。
さらに席につくとエプロンと高級ほうじ茶のサービスを案内され、早くもホスピタリティ全開です。
カウンター越しすぐ前の厨房には松村康史シェフと助手の店員さんがそれぞれに役割分担をしながら手際良くラーメンを作っています。
スープ用の寸胴は2つあり、それぞれに温度計がセットされていることから温度に気を配っているようです。
そのスープを一杯ごとに雪平鍋に移すのですが、純銅製のものを使用するなど調理器具へのこだわりもうかがえます。
程なくして
「お待たせしました、中華そばです」
の声とともに「中華そば(850円)」が着丼。
透明感のあるスープ表面には鶏油が浮かび、そのスープ越しに綺麗に麺線を整えられた麺が沈んでいます。
そしてチャーシュー、メンマ、ネギなどが決められた配置で美しく盛り付けられています。
その凛とした高級感漂うビジュアルは中華そばというより高級な和食の汁物のよう。
まずスープをひと口。
その瞬間心の中で「ほぉ〜」と声が漏れます。
見た目は淡麗系でありながらその味わいは複雜かつ濃密。
そして馥郁たる香りが鼻腔へ抜けていきます。
驚くべきことにこの中華そばにはラーメンにおいて必須とも言うべき"タレ"を使っておらず、調味はゲランドの塩だけなのだとか。
それがにわかには信じられないほどに穏やかで奥行きのある旨味と深いコクが感じられます。
テイストとしては塩なのですが、醤油のようでもあり、また中華のカテゴリーでありながら和のようでもあり洋のようでもある、味やジャンルを超越した摩訶不思議なラーメンです。
情報によればスープには鴨、名古屋コーチン、生ハムなどをメインに昆布や干し椎茸、イタヤガイ、ローストキノコそして出汁としては珍しいドライトマトを使用しているのだそう。
とは言え、高級食材や旨味の強い食材をただ闇雲にたくさん使用したというだけではここまで複雑で濃密な味わいは生まれません。
やはりそれぞれの食材の特性を把握し手間と時間をかけ、松村シェフの料理人として積み重ねてきた知識と経験をもとに緻密な計算の上で組み立てられたスープであることは間違いなさそうです。
そのスープを口にする度に旨味の奔流が押し寄せ、舌を包み込み、しばらくの間旨味の余韻が残り続けます。
そんなスープに合わせる麺は浅草開化楼による特注の細麺。
パツンとした歯応えが心地良く、また麺肌に若干のザラつきもあるのでスープを程よく持ち上げてくれます。
ただ麺量が約120gと少なめなので男性なら大盛かライスは必須かもしれません。
そして忘れてはいけないのが具のとろけるような豚バラチャーシューに振りかけられたペッパーキャビア。
これは辛味と風味が強い野生種の黒胡椒で、これが小粋な味変スパイスになっていたりします。
1時間ちょっと並び、完食までに要した時間はおよそ10分〜15分ほど。
けれどもその短い時間の中には一杯の中華そばに詰まった美味しさとその先にある感動があり、そして「待った甲斐があった」と満足感を与えてくれます。
そして今回「ラーメンは麺とスープからなる自由な麺料理」であることを改めて気付かされた一杯でもありました。