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「中華そば(550円)」@中河の写真岩手に来ています。

今回短い時間しか取れませんでしたが、岩手に今なお残る、しかし50年前までは当たり前に食べていたご飯が食べたくて岩手にやってきました。

一般人参加型のレストランウェブサイトは、地元の人が地元のお店、料理を紹介するので、旅行をするときには大いに助かります。しかし最近、特に地方のお店の紹介を見ていると、どこに行っても同じ物が食べられ、ここまではいいんですが。お店が目指すところ、レビューする人がいい、と思う料理がほとんど東京のお店を手本にしているようで、面白くありません。

イタリアン、フレンチ、江戸前寿司、なんて、どうして都会と比較するんだろう、と思う地方発信の”上から目線のレビュアー”もいたりして、なかなか伝統料理を育てようとするレビュアーが出てきません。江戸前寿司の論法を地方のすし屋に当てはめてレビューする、そんなレビューが横行しています。

そんな中、苦労して見つけた岩手遠野にある1軒のお店。うまい、まずい、ではない地方の食文化を守って、他の地方の人、地元の若い人に知ってもらいたい、と情熱を燃やす一人の職人かたぎの店主のことを雑誌で知りました。その方の料理を食べてみたい。何も特別な料理ではないんです。伝統料理と呼ばないかもしれない、ごく、普通の地元の料理。地元で採れた食材を昔のままの調理で出すお店。そこに行きたい。

お店に電話しました。元気のいい声が返ってきました。予約をお願いしました。人里から少し離れている場所にあるようです。

盛岡駅に着いて車を借ります。便利です。そして、最初に向かった先はここ中河です。伝統という呼び方はしないかもしれませんが、この地で伝統的に食べているラーメンが食べられます。地元の人気店です。

お店の駐車場に着いたら、開店10分前でした。駐車場がどこか分かりませんでしたが、お店の前に止めて入り口を見たらインストラクションがありました。道を挟んだトイメンにある大きな駐車場の一角がそうです。10分前に着いて、前から4番目。人気店です。定刻にのれんが出されて、ぞろぞろ入ります。8人いました。てんでばらばらに座ってます。カウンターの奥のほうに座りました。お店を回すのは、女性ふたり。

一人の方が、コップにお水を入れ、コップの上に割り箸を乗せて、お客さんに配ります。あれえ、先頭の人、ただお水を受け取るだけ?オーダーは?あわててメニューが貼ってないか、きょろきょろ。ありました。厨房との仕切り壁の上のほうに、短冊が1枚。中華そば550円。それじゃあ、オーダーのやりようがありません。

厨房にいるもう一人の女性が麺を茹で始めます。お客は全員無言。中年夫婦が1組、老人が一人。この一人は、あたし。のこりは、全員若者。中華そばが2杯完成して、配膳されます。なるほど。オーダー不要なんですね。お店に入ったら、座る。それがオーダーなんですね。中華そば、しかありません。チャーシューメン、なし。大盛り、なし。トッピング、っるせい。び~る、あふぉかあ。

さあ、2ロット目に配膳されました。水を配った順番です。入店のとき、見てるんですね。それでなきゃあ、分かんないでしょ。

おいおい、いいぞ。これは、伝統と呼んでいいんでないかい。この澄んだスープと中細のちぢれ麺。もも肉チャーシューが2枚。めんまが4本、刻み葱、のり。もうこれ以上クリアには出来ません、というくらい摩周湖ほども透明度の高いスープ。

どんぶりを持ち上げて、スープをすすります。あちち。ひゃっほ~。うま~い。うまいなあ、おかあちゃん。ベースは鶏でしょうね。香味野菜と魚介と鶏がらだと感じました。カエシが甘くて、チャーシューだれを使っているかもしれません。どんぶりを置いてちょこっと葱をいただきます。もう完璧です。こんな落ち着いた気持ちになるラーメン。ここまで来ないと食べられないのかよ、この普通のオーディナリィが。

麺がまたまたうまいんよ。低加水の細麺のちぢれ。食感が実にいい。口一杯入れて、もんぐもんぐ食べると、少年の頃食べた珍珍亭の40円のラーメンを思い出します。ラーメンって、麺を食べる食事なんだ、とか思います。麺がうまくないと、始まんないよな。そう思います。これは、最初から当たりの旅になりそう。と言っても、ラーメンは2杯だけ?

チャーシューは、噛み応えを残しながら柔らかな小品と言った感じ。めんまは薄味のこりこりで、じつに品がいい。これは、これでひとつの完成品ですね。トッピングで汚したくない。大盛りにする必要ないでしょ。中河の1杯を旅の最初に持ってきて、よかった。どんなイタリアンよりフレンチより江戸前寿司より料亭料理より、うまいぞ。帰りに時間があればもう一回来たい。

550円を払い、静かにお店を出ました。

http://photozou.jp/photo/photo_only/298466/41701040?size=800

投稿(更新) | コメント (8) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

どもです!

いやぁ~恐れ入りましたw
そのフットワークの軽さに!

当方も丁度一年前に同エリアを訪れ
地元の方に、こちらをお薦めいただいたのですが
チャンスがなく、違うお店のラーメンと冷麺を食べましたw

こういった淡麗系で染みる一杯はいいですねぇ~

YMK | 2010年6月28日 13:01

まいど~
いや~こういうお店は味があって良いですね、注文を取る必要すらないとは恐れ入りますww
中華そば一品で営業を続けられる事からも実力は窺い知れますね。
鶏出汁らしい綺麗な澄んだスープ、麺も非常に美味しそうです。
こいつを食べるだけで遠出をした疲れなんてどこかに飛んでしまいそうですね。

GJ | 2010年6月28日 14:08

どうもです

んま~潔いメニュー構成で。
もう何十年と変わらない作り方なんでしょうね~
う~んラーメンではなくまさしく中華そばなんでしょうね~

UNIA。 | 2010年6月28日 15:07

KMです。
盛岡に行かれたのですね。
kazeさんの投稿でしりました。

こういうラーメンをわざわざ食べに行くのがいいのですね。
当然うまいのでしょうが、旨いかどうかより違うものを
求めているようです。

前半のお話、よく分かります。
食は文化なのですね。
ラーメン一杯一杯は、ご主人の生まれ変わりでもあるようです。
人間活動の結果の点では文化そのものようです。

RDBでも、その食文化や文化についてお話したいのですが、
そうではないことを求めるものが、主流らしいので、
敢えて議論してません。
ひっそりと一人でも頑張りますが。

KM | 2010年6月28日 19:29

YMK さん

近所にはなかなかないラーメン。
地方に行った時にこういう麺と出会うと
うれしくなっちゃいます。
淡麗系ですか。なるほどね。

行列 | 2010年6月30日 00:08

juventus - W杯に夢中 さん

オーダーも入れずにずっと待っているのも。
最初、ちょっと変な感じだったです。
このラーメン1本で行列を作らせるんですから、
たいしたものです。やっぱり、うまい。

行列 | 2010年6月30日 00:11

UNIA。さん

どうもです。
この完成系、初めての分野です。
これだけのスープ、経験ないです。

行列 | 2010年6月30日 00:13

KM さん

岩手に行ってまいりました。レストランを見直す旅です。
地方の食文化です。RDBでも機会をとらえてその観点で
レビューしたい意欲があります。
もうすこし滞在時間があれば、津軽、新潟とは違った
進化をとげた岩手の麺にもっと愛情を注げたのですが。

ときどき地方の空気を吸ってくると、リフレッシュします。

行列 | 2010年6月30日 00:22