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2022年4月30日の大崎裕史の今日の一杯

東京都新宿区西早稲田

ラーメン(連食【限定】20周年記念ラーメン)

「渡なべ」は2002年4月創業。なので今年20周年。
20年前に「TRY ラーメン大賞」(講談社刊)新人賞を受賞しているのだが、同時期のオープン店として、「砦」(神泉)、「こうかいぼう」(門前仲町)、「大八車」(桜新町:閉店)、「地雷源」(方南町:閉店)などがあり、そんな中で受賞しているのだからスゴい。他に「伽藍堂」(町田:閉店)、「燈の車」(狭山:閉店)も優秀賞を獲っているが、閉店も多く、20年続ける大変さもわかる。

20周年記念ラーメン1300円と通常のラーメン930円を連食することに。
(なお20周年ラーメンは5月1日まで発売中。)
私が行ったときに店主の渡辺樹庵さんがいて、スタッフを含めて一番声が出ている(いらっしゃいませ〜、ありがとうございました〜)ことに感心。

それと周年記念イベントということで「渡なべ」OB達が駆けつけて作っていたことも素晴らしい。
「くろく」「五ノ神」「GOTTSU」「パパパパパイン」
そして私が行った時の麺あげは「きつね」(芦花公園)の女将さん。お店では旦那さんが担当なので、今や貴重な麺あげでラッキー。

お店が20年続いた理由は「今だにワクワクして楽しんでラーメンを作っているから」と言っていたそうな。素晴らしい。

噂で「濃いめ」と聞いていたので通常→限定の順だと思ったら、店主が限定→通常で食べてみてください、とニヤニヤしながら。その時はその意味を理解せずに言われるがままに食べてみた。

限定メニューのコンセプトは「もっと美味しい渡なべ」。
見た目は通常メニューとまあまあ似ているが、スープの色が濃いめ。それとチャーシューが変わっている。
まずスープを飲んでみると、うわぁ〜味濃いめ。ただしょっぱいわけではない。出汁濃いめ、と言った方がいいか。
材料をたっぷり使っている感じ。1300円だけある(笑)。おそらく多くの店主は『原価をかけてもっとおいしいラーメン』を作ることができるのだと思うが、どうしても『ラーメン価格の壁』みたいなものがあり、メニュー化しないのだろう。たまに出してもらえると嬉しい。

そして通常メニュー。「もう随分デフォを食べてないですよね?」と言われて、確かに限定は頻繁に食べに来ているけど基本メニューは10年くらい食べてないかも。と頭の中では思っていたが食べてみたら舌が覚えていた。あとで確認したら4年半前に食べていた。(それでも久しぶりだが)

当時流行っていたいわゆる濃厚動物+魚介系ではあるが、他とは違った個性を持っている。ブラッシュアップはしているだろうけど、おそらく大きくは変えていない。それでも今食べて遜色なくおいしいと思えるのだからスゴい。これを20年前から出していたのだから・・・。

そして、限定→通常の順で食べてみて欲しい。という理由がわかった。あの『材料を多めに使った限定』の後に食べても、まだ負けていない存在感。つまり今の通常メニューに相当な自信を持っていないと言えないこと。今の時代、飲食で20年続けるのは大変なことだが、まだまだ「渡なべ」は存在し続けるのだと思う。

通過点だと思うが、「20周年おめでとうございます!」。

大崎裕史
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。