コメント
風味を一番感じやすい温度って大切です。
大枚叩いて足を運ぶ飲食店では、和洋中問わずスープストックの温度が最適、何度かは知りませんが熱々って事はほぼあり得ない。
なのにラーメン、蕎麦、うどんだと、余りにも熱過ぎて香りも味もわかりませんね、ってお店が少なくない気がします。何ででしょう。
Dr.KOTO | 2018年10月28日 10:45詳しくは分かりませんが屋台の文化が影響しているのではないでしょうか。屋台でぬるいラーメンやかけ蕎麦が出てきたら悲しいですもんね。グランメゾンのレストランや高級料亭ではなく大衆食のラーメンなどには熱さを求めてしまうのかもしれません。
のらのら | 2018年10月28日 13:54
のらのら
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NORTH
川崎のタッツー

Ra麺@答えくん





本日は未食の塩味を求めて整理券システムのないラーメン店では都内でも最難関と思われるこちらを再訪してみる。休日の大行列は想定内なので開店の70分前に現着したが既に行列が。さすがの超人気有名店だ。20人を超えるようなら撤退しようと思っていたが8番手なら1巡目はキープ出来そうなので秋の冷たい風の吹くビルの横で待機を開始。
開店の30分前には行列も20人以上に膨らんでいた。前列の10人までは日本人だが後方の行列はほとんどが外国人観光客の方だった。10年前なら考えられない光景だが日本人として外国の方にも自信を持って薦められる数少ないミシュランガイド掲載店だと私は思う。
風当たりの強い日陰で身体は冷えてしまったが定刻になり開店。早く並んだ甲斐があり一巡目で入店し券売機でお目当てのお題を購入。せっかくなのでと欲張り特製を重ねる。
店内は安定の四人体制で開店直後でも落ち着きがあり各々が持ち場の作業を黙々とこなす。スライサーで焼豚を切る人や坦々麺の挽肉を炒める方、サイドメニューやドリンクを仕上げる人に主役の麺の湯切りをするご主人と見ているだけで時間が過ぎて退屈にならない。
ワンロット2杯のオペで順序よく仕上がってくる。ラーメン用の麺の茹で時間は30秒ほどだが2杯分を茹でるにしても10秒の時間差をつけて麺を釜湯に投入していた。もちろん湯切りの時間を考慮しての時間差だが徹底した職人魂には恐れいった。
着席して25分で 4thロットの我が杯が到着。他ではあまり見かけない深型の高台丼の中の姿は透明度の低いスープからも深みが伝わってくる。やや白濁した姿も複雑さを表現している。
まずは半濁した象牙色のスープをひとくち。最初に訪れたのは干し海老のような甲殻類の香味だ。その一瞬で独特の潮風を思わせる世界観に引き込まれる。その背後には昆布や節系の魚介の旨味も存在している。更にその後ろにはコクとまろやかさを丸鷄や豚ゲンコツのような動物系の出汁が主張している。塩ダレも複雑に思え乾物由来の旨味が携わっている。この時点ではスープが熱いので塩分よりも旨味が先導している。
麺はスープによって使い分けられているようだが醤油系より少し細いかも知れないが、大きな違いは分からなかったストレートの中細麺。醤油系と同様に口当たりと喉ごしを活かした柔らかさが特徴的。食感は好みからはズレる。
具材は特製ゆえの焼豚が部位も調理法も異なる三種類と手が込んでいる。豚肩ロースは低温焼豚で薄切りなので肉質は楽しめないがソミュール液の香辛料が効いてるので生臭くないのが良い。豚バラは巻き型の煮豚で崩れる肉質で柔らかいが肉の旨味は抜けていて脂身の甘さも感じない。豚ロースは広東式叉焼で下味、肉質ともにしっかりして一番好みの焼豚。
ワンタンは粗く叩いた海老と豚ひき肉を合わせた餡が繊細な皮に包まれたものが二つ。とろける皮とプリッとした海老の食感と豚ひき肉のコクが渾然一体となり口中に広がる。焼豚より私はお薦めだと思う。
それにも増して味玉は今回も驚きのおいしさ。見た目以上に黄身まで味が浸透しているのに白身は柔らかい。穏やかな旨味や熟成から「味玉の女王」の称号を与えたい。
極細メンマは繊細な味と食感なので束になってかかって来ないと存在を感じないが、このスープの中ではそれくらいが丁度いいのかも。
薬味は白髪ねぎと青ネギの小口切りと焦がしネギとバリエーション豊か。それぞれの役割があるのだろうが、焦がしネギだけが目立ってしまい他の薬味は存在が薄い。
ここで再び麺に戻ると気付いたことがある。奥深いスープなのに麺との一体感が感じられないのだ。麺を啜るとスープの香りは引き連れて来るのだが旨味や塩気を感じないのだ。しかしスープには塩ダレの塩分を感じるので不思議に思いながら食べ進めて行くと終盤に突然として牡蠣のエキスのような旨みと塩気が現れてきたのだ。
ひとくち目のスープには感じなかった牡蠣のコハク酸のエキスと塩分が悪戯に喉を刺激してくる。時すでに遅しでスープも半分以上飲み干した後だった。ここまで美味しく食べたがスープは少し残してしまった。後味として残ったのは牡蠣のような貝類のエグ味と焦がしネギの軽やかな苦味だった。
過去にも何度か経験がある穏やかに思えたスープが温度の低下で豹変するコハク酸特有の時間差攻撃に今回も見舞われてしまった。
こちらの醤油系では感じなかったコハク酸由来の塩気なので出汁にではなく塩ダレに含まれるものだろうかと自己完結して席を立った。
和食のハマグリの吸い物が熱すぎるものが無いように熱々のスープの中では貝類の持ち味を引き出すことは難しいのだろうと感じた一杯でした。