なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 

「塩玉そば ¥850」@塩そば 桑ばらの写真平日 薄曇り 11:20 先客5名 後客2名

朝イチから出掛けた保谷駅にある店がまさかの臨時休業でフラれて池袋まで帰ってきた次第である。しかもそのフラれた店は二ヶ月足らずで二度目の臨休に当たった縁のない店なのだ。

気持ちを切り替えて帰り道の途中駅にある課題店を訪ねようとしたが練馬駅で乗り換えた電車が急行で池袋までダイレクトに運ばれてしまった。不慣れな池袋で店探しをするも気になっている店はどちらも本日定休日と更なる不運に見舞われる。

天候もぐずつき始め時間も昼時を迎えようとしている池袋での捜索を打ち切ろうとした所、聞き覚えのあるこちらが浮上した。それは大のスワローズファンから聞いたラーメン屋の名前だった。塩そば専門店という事で塩耐性の弱い私は敢えて目をつぶっていた店なのだ。偶然とは言え何かのご縁と初訪問を決意した。

土地勘のない池袋の中でも足を踏み入れた事のない区画に入ってきた。ラーメン店も多いが多国籍な飲食店や路地に佇むスナックやバーにアニメ専門店と商いのルツボのような町並みに飲み込まれそうになる。その中を進むと屋台小屋のような雰囲気のあるこちらが急に現れた。

オープン後だが店内には空席があり、店先の券売機で味玉付きの塩そばを購入しカウンターに座る。店内は二人体制で右奥の調理場で黙々とラーメンを作る男性と接客を担当する女性で仕事が二分化されている。女性スタッフに食券を手渡し更に店内を眺めるとスワローズ関連のグッズや記念品と選手のサインが目立つ。

その中に気になる文言が書かれた貼り紙を見つけた。「当店スープはしょっぱいです」と始まる塩耐性の弱い私にとって宣戦布告とも取れる衝撃の内容だった。せめて麺だけでも食べられる塩分なら我慢しようと覚悟を決めた。

それから程なく我が杯が到着した。白磁の高台丼の中の姿はエルドラドの如く黄金に光り輝く壮麗な景色のようだ。液面の油膜が光を乱反射し眩いばかりの美しい姿だ。

まずは粒子の細やかな香味油を浮かべた黄蘗色のスープをひとくち。正直言って宣戦布告通りをにしょっぱさが台頭する。一気に塩分が口内を支配すると思いきや不思議と塩分が二歩も三歩も後退する。アタックだけは確かに強いが昆布の旨味が塩味を旨みに変え、鶏ガラ出汁が塩味をコクに変えている。さらには生姜の香りがサッパリとしたキレを生む。いけ好かない第一印象だが直ぐに意気投合できた今までに出会った事のないスープだ。

麺は黄色みのあるストレート細麺で低加水ならではのワサワサした歯応えから生まれる小麦の甘みがスープの塩気と重なり合う。甘味と塩味のシンプル過ぎる組み合わせだが食べ飽きる事なく箸が進む。

具材の大ぶりな豚バラ焼豚は片面が炙るというよりはしっかりと焼き目を付けてある。焼き目によりカリッとした食感と香ばしさが一枚の焼豚の中でアクセントを付ける。その事が脂身の甘みと食感を際立たせ赤身の肉感を引き出している。私自身の中の豚バラ焼豚としてはトップランクに値する名品。

追加の味玉は味付けも熟成度合も申し分ないが漬けだれの浸みた白身も円熟した黄身も全体が冷え切っていて旨味を十分に感じられず残念だ。メンマも残念ながら発酵臭は無くなり味付けも希薄で食感だけが持ち味となるべきだが歯応えも頼りない弱さだった。

薬味的なネギ類はなく、添え物として海苔と干し貝柱をほぐしたものが乗っている。どちらも磯の香りを演出する役目だろうが発揮しきれていなかった。この主役のスープの中では仕方ないだろう。

しょっぱいと宣告されたスープだが軽快に終盤まで食べ進めた。確かに口内に塩気は感じるが喉を灼くような刺激は全く感じない。それは非天然由来の旨味成分を使用していない事や貝類由来の出汁を過剰に使ってない事の他にも注目すべき点がある。それはスープの決め手となる塩には精製塩などは一切使わずに天然の岩塩や海水塩で仕上げてある事の重要性だ。ある程度の塩分なら旨味に変える力が天然素材にはあると感じた。

このスープの経験をもとに塩耐性が少し付いた気がする。これで課題店だった文京区にある二号店への初訪問へと拍車のかかる一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

まだコメントがありません。