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平日 雨天 13:30 先客8名 後客4名二泊三日でディズニーランドを楽しんだ帰り道で、止むを得ずラーメン断ちをせざるを得ない環境下にあった身体が禁断症状を訴え始めた。もちろんパーク内で食べられるラーメンもあったが、夢の国の中でまでラーメンを強要する勇気も権限もなく諦めていたのだ。しかしそんな状況から解放された帰りの京葉線の中で思いついたのは東京駅構内の東京ラーメンストリートとコチラだったのだが、外は朝から大雨が降り続いており移動などを考えると屋内のラーメンストリートが有力候補となった。そこで施設内での未訪店を探してみるが、今の心境にハマる店がない。普段であれば歩いて行ける距離なのだが、本日は大雨なので東京駅からタクシーを利用してコチラに向かおうと決めた。午後1時に東京駅に着くと大きな荷物をコインロッカーに預けてから八重洲口のタクシー乗り場に向かった。するとそこには50名を優に超えるタクシー待ちの行列ができていた。歩けば10分ほどの距離を、何分待つか分からない行列に並んでタクシーを待つのをやめて雨の中を歩いて向かう事にした。目的地までの三分の一ほどは八重洲地下街で濡れずに行けるのだが、中央通りから先は雨を遮るものが何もないオフィス街となる。地面からも跳ね返す雨に打たれながら歩いて行くと、昼時の行列覚悟の店先が見えてきた。水たまりを避けながらもズブ濡れになった足元で店頭にたどり着くと外待ちがなく幸運にもすんなりと入店できた。しかも中待ち席にも行列はなくカウンターには空席があった。過去3度の訪問で行列がなかった事がないので驚いたが、雨のおかげで待たずに食べられそうだ。後列もないので店内に入ると券売機の前で、じっくりと品定めをさせてもらった。基本の醤油、塩、煮干しは実食済みなので限定の「冷やし系」もあったが、雨に打たれた身体は温かさを求めていたのでマイスタンダードの醤油系に味玉入りを発券した。すんなりとカウンターに腰を下ろして店内を見渡すが、どうしても麺打ち台に目がいってしまう。今回は麺打ち作業を横から眺められる特別リングサイドに陣取ったので尚更のこと見てしまう。いつもと変わらぬ少ロットでの麺打ちを見ながら待っていると、着席して10分ほどで我が杯が到着した。その姿は白磁の切立丼の中で素朴な表情を浮かべている。何ひとつとして飾り気や気取ったところのない姿が東京のど真ん中にいる事を忘れさせてくれる。そんな景色に癒されながら箸を手にした。まずは枯茶色のスープをひとくち。霞みがかったスープには厚く香味油が張られてあり、スープの熱さを保つ役割も兼ねている。そんな油膜を破るようにしてレンゲを落とし込むと、予想通りに熱い湯気が立ち昇った。その湯気の中にすら旨みの要素が詰まっているようだ。魚介の中でも煮干しの香りが先行するスープを口に含んでみると、醤油のキレのある酸味が主張してくる。その背後には鶏ガラ主体と思われる動物系出汁と煮干しが主軸の魚介系出汁がバランスよく旨みの土台を築いている。そこにハッキリとしたメリハリをつけるカエシが利いた安心感のあるスープに仕上げてある。スープに使われる素材の旨みだけを引き出して、雑味や灰汁を全く感じさせない。もちろん不自然な旨味も感じられず味わい深いが穏やかなスープとなっている。卓上の箸立てにはエコ箸も用意されてはいるが、麺質を考えるとどうしても割り箸を手にしてしまう滑らかさがスープの中でも分かる。そんな渾身の手打ち麺を箸で持ち上げてみると、割り箸の角ですら捕らえづらい中太ちぢれ麺だ。不規則な周波数のちぢれ具合が手揉みの証でもある麺を、スープの拡散を気にせずにすすり込んだ。本日の天候による湿度を考慮してか、前回の晴天時よりも15秒ほど早い105秒で麺上げされていた。そのせいかは分からないが、硬めの鋭い口当たりを感じた。やや中心には芯を感じはするが麺肌がとても滑らかなので舌触りは良く、不揃いな麺の個性あふれる食感は健在だった。初動では硬めに思えた食感も熱々のスープでグルテンが溶け始めると次第にスープと馴染んで好みの硬さにアジャストしていた。むしろ本日の茹で加減の方が私には正解とも思えてきた。しかし、いつもと変わらぬ喉越しの良さを生み出している、手打ち麺に仕込まれた黄色いオイル分の重要性を今回も思い知った。具材のチャーシューは部位違いで二種類。先に豚モモ肉の低温調理を食べてみると、低温ながらも時間をかけて仕込まれているのでレア感をアピールするチャーシューではない。それが赤身の肉質の特徴を引き出した歯応えを生んでいる。また味付けも肉の旨みに負けないように調理されているのでボケる事なく旨みを足している。一方の豚バラチャーシューは煮豚型で柔らかさと脂身の甘みを強調した仕上がりとなっていて、相互のチャーシューのバランスや組み合わせが素晴らしい。次回はチャーシュー麺にしなければと思える逸品だった。打立て手打ち麺ばかりか注目されがちだが、こちらの系譜ならではの金絲メンマも必食の価値がある具材なのだ。通常の細メンマと違い生産量が極めて少ない金絲メンマを惜しげもなく使われているのは、納入業者との長きに渡る信頼関係の賜物と思われる。そんな入手困難なメンマをオリジナリティあふれる味付けで仕込まれている。それはコショウを利かせた大胆にも思える味付けだが、小気味良い歯応えとともにアクセントになっている。追加の味玉は特筆する点がないのが特徴だろうか。下茹での半熟加減も適正で、漬けダレの浸透や熟成も適度である。しっかりと温め直された一仕事には大きな味玉愛を感じられる点は素晴らしい。薬味の白ネギにも〝さらしねぎ〟の一手間がかけられており、不必要な辛みを抜いてあった。それによって生まれた軽やかな白ネギの香りだけが薬味の役割を果たしている。中盤あたりで麺のコンディションもピークを迎えると、より一層すするスピードが加速した。手打ちと手揉みが生み出した様々な食感が飽きることなく食べ進めさせてくれた。麺が底をつきそうになってから、中盛りにしなかった事を後悔してもすでに遅かった。大満足で気がつけば、丼の底が見えて完食完飲となった。丸2日間のラーメン断ちのせいではなく胃袋だけでなく心も満たされて席を立ってが、大雨の中を歩いて来た甲斐が大いにあったと思える一杯でした。
二泊三日でディズニーランドを楽しんだ帰り道で、止むを得ずラーメン断ちをせざるを得ない環境下にあった身体が禁断症状を訴え始めた。もちろんパーク内で食べられるラーメンもあったが、夢の国の中でまでラーメンを強要する勇気も権限もなく諦めていたのだ。
しかしそんな状況から解放された帰りの京葉線の中で思いついたのは東京駅構内の東京ラーメンストリートとコチラだったのだが、外は朝から大雨が降り続いており移動などを考えると屋内のラーメンストリートが有力候補となった。そこで施設内での未訪店を探してみるが、今の心境にハマる店がない。普段であれば歩いて行ける距離なのだが、本日は大雨なので東京駅からタクシーを利用してコチラに向かおうと決めた。
午後1時に東京駅に着くと大きな荷物をコインロッカーに預けてから八重洲口のタクシー乗り場に向かった。するとそこには50名を優に超えるタクシー待ちの行列ができていた。歩けば10分ほどの距離を、何分待つか分からない行列に並んでタクシーを待つのをやめて雨の中を歩いて向かう事にした。目的地までの三分の一ほどは八重洲地下街で濡れずに行けるのだが、中央通りから先は雨を遮るものが何もないオフィス街となる。地面からも跳ね返す雨に打たれながら歩いて行くと、昼時の行列覚悟の店先が見えてきた。
水たまりを避けながらもズブ濡れになった足元で店頭にたどり着くと外待ちがなく幸運にもすんなりと入店できた。しかも中待ち席にも行列はなくカウンターには空席があった。過去3度の訪問で行列がなかった事がないので驚いたが、雨のおかげで待たずに食べられそうだ。
後列もないので店内に入ると券売機の前で、じっくりと品定めをさせてもらった。基本の醤油、塩、煮干しは実食済みなので限定の「冷やし系」もあったが、雨に打たれた身体は温かさを求めていたのでマイスタンダードの醤油系に味玉入りを発券した。すんなりとカウンターに腰を下ろして店内を見渡すが、どうしても麺打ち台に目がいってしまう。今回は麺打ち作業を横から眺められる特別リングサイドに陣取ったので尚更のこと見てしまう。いつもと変わらぬ少ロットでの麺打ちを見ながら待っていると、着席して10分ほどで我が杯が到着した。
その姿は白磁の切立丼の中で素朴な表情を浮かべている。何ひとつとして飾り気や気取ったところのない姿が東京のど真ん中にいる事を忘れさせてくれる。そんな景色に癒されながら箸を手にした。
まずは枯茶色のスープをひとくち。霞みがかったスープには厚く香味油が張られてあり、スープの熱さを保つ役割も兼ねている。そんな油膜を破るようにしてレンゲを落とし込むと、予想通りに熱い湯気が立ち昇った。その湯気の中にすら旨みの要素が詰まっているようだ。魚介の中でも煮干しの香りが先行するスープを口に含んでみると、醤油のキレのある酸味が主張してくる。その背後には鶏ガラ主体と思われる動物系出汁と煮干しが主軸の魚介系出汁がバランスよく旨みの土台を築いている。そこにハッキリとしたメリハリをつけるカエシが利いた安心感のあるスープに仕上げてある。スープに使われる素材の旨みだけを引き出して、雑味や灰汁を全く感じさせない。もちろん不自然な旨味も感じられず味わい深いが穏やかなスープとなっている。
卓上の箸立てにはエコ箸も用意されてはいるが、麺質を考えるとどうしても割り箸を手にしてしまう滑らかさがスープの中でも分かる。そんな渾身の手打ち麺を箸で持ち上げてみると、割り箸の角ですら捕らえづらい中太ちぢれ麺だ。不規則な周波数のちぢれ具合が手揉みの証でもある麺を、スープの拡散を気にせずにすすり込んだ。本日の天候による湿度を考慮してか、前回の晴天時よりも15秒ほど早い105秒で麺上げされていた。そのせいかは分からないが、硬めの鋭い口当たりを感じた。やや中心には芯を感じはするが麺肌がとても滑らかなので舌触りは良く、不揃いな麺の個性あふれる食感は健在だった。初動では硬めに思えた食感も熱々のスープでグルテンが溶け始めると次第にスープと馴染んで好みの硬さにアジャストしていた。むしろ本日の茹で加減の方が私には正解とも思えてきた。しかし、いつもと変わらぬ喉越しの良さを生み出している、手打ち麺に仕込まれた黄色いオイル分の重要性を今回も思い知った。
具材のチャーシューは部位違いで二種類。先に豚モモ肉の低温調理を食べてみると、低温ながらも時間をかけて仕込まれているのでレア感をアピールするチャーシューではない。それが赤身の肉質の特徴を引き出した歯応えを生んでいる。また味付けも肉の旨みに負けないように調理されているのでボケる事なく旨みを足している。一方の豚バラチャーシューは煮豚型で柔らかさと脂身の甘みを強調した仕上がりとなっていて、相互のチャーシューのバランスや組み合わせが素晴らしい。次回はチャーシュー麺にしなければと思える逸品だった。
打立て手打ち麺ばかりか注目されがちだが、こちらの系譜ならではの金絲メンマも必食の価値がある具材なのだ。通常の細メンマと違い生産量が極めて少ない金絲メンマを惜しげもなく使われているのは、納入業者との長きに渡る信頼関係の賜物と思われる。そんな入手困難なメンマをオリジナリティあふれる味付けで仕込まれている。それはコショウを利かせた大胆にも思える味付けだが、小気味良い歯応えとともにアクセントになっている。
追加の味玉は特筆する点がないのが特徴だろうか。下茹での半熟加減も適正で、漬けダレの浸透や熟成も適度である。しっかりと温め直された一仕事には大きな味玉愛を感じられる点は素晴らしい。
薬味の白ネギにも〝さらしねぎ〟の一手間がかけられており、不必要な辛みを抜いてあった。それによって生まれた軽やかな白ネギの香りだけが薬味の役割を果たしている。
中盤あたりで麺のコンディションもピークを迎えると、より一層すするスピードが加速した。手打ちと手揉みが生み出した様々な食感が飽きることなく食べ進めさせてくれた。麺が底をつきそうになってから、中盛りにしなかった事を後悔してもすでに遅かった。
大満足で気がつけば、丼の底が見えて完食完飲となった。丸2日間のラーメン断ちのせいではなく胃袋だけでなく心も満たされて席を立ってが、大雨の中を歩いて来た甲斐が大いにあったと思える一杯でした。