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今すぐバラエティ番組の取材が来てもおかしくないような、なかなかの迷店。まず店内が前テナントとおぼしきスナックそのまんまである。そしてグレーのソファにずぶりと尻をおろすと、店内の壁は力士の写真で埋め尽くされている。とどめは相撲の歴史を説明するBGMならぬ音声テープだ。まさに「相撲博物館」を自称するだけの徹底ぶりであるが、なら何故ラーメンなのか、そこだけが謎。

でやってきたラーメンは、ちゃんこの味を再現したという素朴な塩ラーメン。ラード類を使っていないと強調しているのは、要するに脂分は鶏ガラのみあり、通常のラーメンに比べてカロリーが半分以下ということらしい。その鶏ガラも厳選されたものだけというのが売り文句で、そのせいかどうかは知らないが、確かに動物分の不足は全く感じない。これでいいし、これで十分。

後は普通に野菜出汁と塩と胡椒、おそらくそれで終わりと思われるような、シンプルで家庭的な味となっている。ただしそこに組み合わされる麺は、太麺といいつつ中太ぐらいの、モチモチした平打ち麺。これはその辺の中華屋の麺とは一線を画した現代風のモノで、おそらくこのラーメンを影で支えているのはこのモダンな麺だろう。ラーメンというのは、余計なものを入れないシンプルなスープに良質な麺があれば、それだけでかなりのレベルに達してしまうものだ。こういう店に来るとそれを再認識させられる。

トッピングはゆで卵とカイワレとつみれ。このつみれがいかにもちゃんこ風だが、単なる演出ではなく、ラーメンのトッピングとしても非常に相性が良い。素直に美味い。これなら適当なチャーシューをのせられるよりは断然いいと思う。

欠点は他の方のレビューにもある通り、予め胡椒がタップリ投入されている事だろう。味としては悪くないのだが、胡椒は客が自分で好きな量だけ入れればいいと思う。こんなに辛くしなくてもじんわりうまいスープなのではと思った。それが検証できなかったのが残念。

おそらくRDB上位の店を渡り歩いてるような人にとっては、この店の味は「ふーん」以外の何ものでもないだろう。「オレならもっとうまいラーメンを作れるぜ」という腕自慢さんもいるかもしれない。しかし、このお店の代わりになるような店を教えてくれと言われたら多くの人は答えに窮するだろう。なぜならこういうシンプルな味こそラーメン屋がもっとも苦手とすることだからである。どうしても塩分濃くしたり油追加したり、魚介出汁や化調をつっこまないと、お客さんが来てくれるかどうか不安でしょうがないらしい。

しかしこんな迷店をどっしりかまえている店主に取って、そんな心配は些細な事なのだろう。会計を済ますと、「ありがとうございました」に続けて「ごっつぁんでした」などと言う。ごっつぁんはこっちだと突っ込みたくなるのを我慢して店を出ようとすると、「これどうぞ」と言って頼みもしないのに相撲の番付表を手渡される。この店でラーメンを食べようとすると、ある程度の相撲啓蒙活動は甘んじて受け入れねばならないようだ。

そういえばすべての客に替え玉いかがですか替え玉いかがですかとしきりに薦めていたが、あれは客を太らせて相撲をやらせる為の作戦であるのに違いない。麺の量は最初から普通に入っているので、うっかり口車に乗るとアマチュア力士への道まっしぐらだ。

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