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90年代、東京ウォーカーのラーメン特集などには、三鷹の「えぐち」はたいてい載っていた。試しに食べに行ったことはあるが、単なる「フツーの中華そば」という感じで、その味はほとんど印象に残っていない。だが、三鷹にフツーの中華そば屋があったことだけは、なんとなく覚えていた。「えぐち」は残念ながら閉店になったが、その味を受け継いで久しく、すでに老舗の風格を漂わせているのが「中華そばみたか」だ。ちょうど三鷹で用事があったので初訪問してみた。そうそう、「えぐち」もこんなスープだったっけ。濃くも薄くも辛くも甘くもない。なんてことない味なのだが、絶妙な塩梅の鶏ガラ中華そばのスープだ。麺は、あらためて見ると、全粒粉っぽい褐色の角の立ったストレート麺で、黄色く潅水のきいたよくある中華そばのちぢれ麺とはちょっと違う。風味、のど越しとも心地いい麺だ。ほぼ皮だけのワンタン、台湾人が見たら驚くだろうが、ちゅるちゅるっと啜れてこれもまた愛嬌。たっぷりのきざみ葱、程よい味付けのメンマ、なると一切れ、小ぶりのチャーシュー、そして赤星完備、すべてが東京ノスタルジーの中華そばですな。しかし、味以前に、店の空間に「フツーの中華そば」を作り続けてきた歴史が沈殿しており、そこから醸し出される親密な連帯感の中に身を置くと、甘く心地よい。ある者はビールとつまみの皿をちびちびやり、その隣では家族でラーメンを啜る。ご店主と小気味いい間で談笑している常連のご老人。店の人の呼吸と客の呼吸が心地よく調和して、一朝一夕にはできない歴史に裏打ちされた信頼の空気で満たされている。正直、今回もあまりラーメンの味は印象に残らなかった。しかし、あの親密な空間の雰囲気と、そこで飲むビールが美味しかったことは、とても印象に残った。真に名店の味とは、このような強い印象を残さないラーメンの中にあるのかもしれない。
「えぐち」は残念ながら閉店になったが、その味を受け継いで久しく、すでに老舗の風格を漂わせているのが「中華そばみたか」だ。ちょうど三鷹で用事があったので初訪問してみた。
そうそう、「えぐち」もこんなスープだったっけ。濃くも薄くも辛くも甘くもない。なんてことない味なのだが、絶妙な塩梅の鶏ガラ中華そばのスープだ。麺は、あらためて見ると、全粒粉っぽい褐色の角の立ったストレート麺で、黄色く潅水のきいたよくある中華そばのちぢれ麺とはちょっと違う。風味、のど越しとも心地いい麺だ。ほぼ皮だけのワンタン、台湾人が見たら驚くだろうが、ちゅるちゅるっと啜れてこれもまた愛嬌。たっぷりのきざみ葱、程よい味付けのメンマ、なると一切れ、小ぶりのチャーシュー、そして赤星完備、すべてが東京ノスタルジーの中華そばですな。
しかし、味以前に、店の空間に「フツーの中華そば」を作り続けてきた歴史が沈殿しており、そこから醸し出される親密な連帯感の中に身を置くと、甘く心地よい。
ある者はビールとつまみの皿をちびちびやり、その隣では家族でラーメンを啜る。ご店主と小気味いい間で談笑している常連のご老人。店の人の呼吸と客の呼吸が心地よく調和して、一朝一夕にはできない歴史に裏打ちされた信頼の空気で満たされている。
正直、今回もあまりラーメンの味は印象に残らなかった。しかし、あの親密な空間の雰囲気と、そこで飲むビールが美味しかったことは、とても印象に残った。真に名店の味とは、このような強い印象を残さないラーメンの中にあるのかもしれない。